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Superfly

f2938f89.jpgSuperflyのファーストアルバムがオリコンのアルバムチャートで2週連続トップになったらしい。洋楽ばかり聴いていて国内のミュージシャンはテレビで拝見する程度の私だが、昨年、家人がミュージックステーションを見ている時に突然聴こえてきた「マニフェスト」のアフタービートにはぶったまげた。ファッションまでヒッピー。こりゃレコード会社の年寄りが自分の趣味で仕立てたアイドルバンドなのかと一瞬邪推したが、ハイトーンヴォイスでシャウトする女性ヴォーカリストの歌唱を聴いて、「こいつらホンモノだよ」と家人に薦めたのを覚えている。冬になり、やはり家人と「エジソンの母」というTBSのドラマを見ていたら聴き覚えのある声が・・・。クレジットには「愛をこめて花束を Superfly」とあった。ここでは「五輪真弓(70年代の)みたいな歌い方もするんだ~」と感心。だが、この時点ではまだヴォーカリストの名前さえ知らなかった。ところがつい最近、携帯電話のCMに使われていたジェファーソン・エアプレインみたいな曲「Hi-Five」を聴いてまた驚いてしまった。こいつら一体何者だ!? ようやくネットで調べてみた。80年代前半に生まれた愛媛出身の健康的な若者ではないか。彼らがやっている音楽は彼らが生まれた頃には既に下火になっていて、昨今でいう Perfume みたいなのが流行っていたはず。それがなぜここまで70年代ロックに徹することができるのか不思議。日本という国は面白い。マーティ・フリードマンが驚くのもよくわかる。めざましテレビで越智志帆のミニドキュメンタリーのようなものを放送していたが、それを見れば、高校生時代は愛媛の田んぼの中で歌ってたという。そりゃ防音室要らずで思い切りシャウトできるよな。しかし、越智志帆にしても多保孝一してもおそらくは屈折した特別な生い立ちを送ったわけではないだろう。その辺りを辛く評価する向きは必ず出てくるとは思うが、80年代生まれの彼らをジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリクスのようにロック界で伝説とされているミュージシャンと比較して評価しても仕方がない。年寄りはSuperflyの楽曲でオリジナルを懐かしみ、若い人々はSuperflyの楽曲でオリジナルを知ることができれば、Superflyを一流のポップソングと言い切っていいのではないか。じゃ、そのオリジナルって何なのよってことになるが、Superflyから聴こえてくるオリジナルは、ローリング・ストーンズやスモール・フェイセズ、ジャニス・ジョプリン、「愛をこめて~」をピアノ弾き語りで歌ってる越智志帆はまるでキャロル・キングだし、スティーヴ・ニックスにも見える。これらは極上の6~70年代ポップだ。私の本籍地は「プログレ」だが、メロトロンやシンセサイザーあるいはフルオーケストラなどを多用し、非ロック的に見えるプログレではあるが、実はその基本はモッズから始まっている。良質のプログレには必ずストーンズやフェイセズと同じブリティッシュロックのスピリッツが脈々と流れているものだ。そういうモノがあれば何も演っても問題はない。Superflyも越智志帆の可能性を活かすために、今後いろんな音楽に挑戦する可能性があるが、何をやっても Superfly に聴こえるような何かは必要になるだろうと思う。さて、最後に気になっていることがひとつ。それは宗教問題。信仰は自由、海外のミュージシャンにも宗教と密接な活動をしている人物も珍しくはなく、それ自体は悪いことではない。しかし、「愛と感謝」なる曲には正直違和感を覚えた。信仰を持たない人にも聴いて欲しいのであれば当然節度は必要になってくるのではないか。

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