THE CROSS & THE CRUCIBLE ( PALLAS ) 2001
「Pallas 完全復活」ではあるんだけど、"beat the Drum" の軽快なサウンドに
慣れてしまった私にはこのハードで重厚なシンフォニック路線は正直なところ
チト鬱陶しい。(^_^; むろん、それは聴く側の問題であって彼等が悪い
わけではない。"The Sentinel"あたりが好きなファンにはこれはきっと最高傑作
とでも云える出来だろう。全編に力が漲っている。
"beat the Drum" が彼等の新機軸を示した作品だとすれば、"The Cross & the Crucible"は
かつての Pallas の今日的再現作というか現年齢的での再編作ではないかと思われる。
最終曲 "Celebration!" あたりはもう昔のまんま。
この曲は80年代からの Pallas ファンは涙なしでは聴けない。
ダビンチが描いた飛行機が大空をゆっくりと舞うかのような、
Pallas独特のシンフォニックサウンドは、彼等のメジャーデビュー作 "The Sentinel" でも
キーになっていたが、
実はこの独特で大仰な間奏のキーボードとプログレらしからぬギターソロこそが最初期から続く
Pallas の定番スタイル。その浮遊感が15年の時を経て完全に復活した。
"We live, we Love, we laugh, we cry..." 6曲目 "Towers of Babble" の
冒頭でも歌われるこのフレーズ、この最終曲の冒頭でも登場。
「僕等は生き、愛し、笑い、泣く。夢を描き。作り、学び、そして死ぬ。」
このぶんだと彼等が音楽を続ける限り、私も死ぬまで彼等の音楽を聴き続けることに
なりそうだ。
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