SCRIPT FOR A JESTER'S TEAR ( MARILLIION ) 1983
レディングフェスティバルはその昔、ナショナルジャズブルースロックフェスティバルと呼ばれ
た屋外コンサート。PFMやフォーカスがセンセーショナルなデビューを飾ったことでも知られている。
そのレディングで成功し、名門EMIからデビュー。さらにシングルのB面の大曲で煽られば、
ファーストアルバムへの期待はいやがおうにも高まる。
デビューから1年、満を持して発売されたこの1stアルバムは、なんとすべて新曲。
それまでのシングルを集めただけでもいいアルバムになりそうなところを敢えてそれをしない。
戦略的にカリスマ性を高めていくとは何ともプログレ的な煽り方だ。
音楽的には初期ジェネシスの模倣と云われても仕方が無いくらいのものだが、
それはお約束とでもいうべきか? 演じる方も聴くほうもそれを納得の上でハマり込んでいるのだ。
模倣を云々するのは「野暮」ってものだろう。
むしろ、この時期にそういうシーンを作り出したことが立派。
ただ、それは英国での話。当時の日本は遅れてやってきたパンクニューウェイブ全盛時代、
この貴重な時期にマリリオンがなんと来日公演を果たしたにも関わらず、
あの狭い日本青年館に空席を出す始末だった。
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