B-Line Museum in Web


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LED行先表示器事情(2)
前回に引き続き、LED行先表示器の話題ですが、今回は全車LED化された場合のテストケースとして紹介していきたいと思います。
神奈川中央交通では、現在のところ、LED化された車両は1〜2割というところですが、厚木営業所では2003年3月までに、全車両がLED化されました。2003年4月の路線再編がかなり大規模なものになったことに加え、主要停留所の名称変更(県立病院→市立病院など)などが多く、方向幕では作り直しが極端に多くなり、対応しきれなくなったことで、データの入れ替えで対応できるLED化が進んだわけです。このため、相当な旧年式車両でもLED化されています。
ところで、厚木営業所の場合、4月の路線再編と同時に、表示形式についても従来の枠にとらわれない内容となったものが多くなってます。中には2週間ほどで表示内容の再変更をしたものもあります。これは全車LEDであるからこそ可能になったことで、これまでの幕式では徐々に交換していくところだったので、LED化の長所を活用する姿勢が伺えます。
従来の様式での幕式とLEDの表示です。厚木営業所以外はほぼ同一の様式で、基本的には正面は行き先の左側に書いてあった経由名が上に移っている程度で、表記内容に大きく変わるところはありません。前面の系統番号表記が若干小ぶりになっています。
町15境川・町田ターミナル(幕) 町15境川・町田ターミナル(LED) 回送表示(LED)
[厚61]厚木バスセンター〜春日台団地線
通常表記の例ですが、厚木営業所に限っては、前面の系統番号表記が天地方向いっぱいのサイズに拡大され、見やすくなっています。また、深夜バスの表記にも若干の独創性が見られます。幕式側面表記の場合、系統番号の下に「深夜バス」と表記していましたが、厚木地区では「深夜バス」を強調するために上下を逆転させ、さらに「深夜バス」の文字を反転させています。なお、この反転表記も現在のところは厚木営業所だけで見られるものです。
[厚61]春日台団地(前面幕) [厚61]春日台団地(前面LED) [厚61]春日台団地(側面) [厚61]深夜バス・春日台団地(側面)
[厚21]厚木バスセンター〜市内〜宮ケ瀬線
自由乗降表示が必要となるため、経由が行き先の左側に表示されています。また、側面では「市内」の表記が反転しています。
[厚21]市内・宮ケ瀬 [厚21]市内・宮ケ瀬
[厚44]厚木バスセンター〜高松山〜森の里線
この路線はこれまでは青山学院大学行きで、これまでは2系統あったのですが、同大学の移転に伴い、独自ルートの多いこの系統が残されることになり、あわせて近隣の住宅地である森の里へ延長されました。しかし、この地区にある通信研究所へは、廃止された別系統が経由していたのですが、こちらの系統を経由させることになったのですが、「高松山経由」というのはこれまでは通信研究所を経由しない系統であったため、系統再編で通信研究所を経由することになったのを示すため、このような変則的な表記になっています。逆に、森の里発では通信研究所では乗車を主に扱うことになり、主要経由地である高松山だけを表記しているため、往復で経由表記が異なるパターンとなりました。なお、側面では高松山の表記、後面では通信研究所の表記を省略しているため、前面・側面・後面の表記が全て異なる形態となっています。この系統に限らず、側面の経由表記は必ずしも前後面とは一致しないパターンが増えています。
[厚44]通信研究所前・高松山・森の里 [厚44]高松山・厚木バスセンター [厚44]森の里〜通信研究所前〜厚木バスセンター [厚44]高松山・森の里
[厚67]厚木バスセンター〜神奈川工科大学線
このバスは途中ノンストップで走り、途中停留所での乗降は出来ないことになっています。途中のバス停を通過するということで、知らない人からの苦情もあったため、これまではバスターミナルでは方向幕を利用し、走行中は社名幕に変えたりする、という運転手さんもいたようです。LED化と同時に、これを改善するような表示となりました。
往路のバスターミナル発では、行き先が重要で(他の大学への急行バスもあるため)、これまでの表記とはあまり変わりませんが、復路の大学発では系統番号と種別だけとした表記が登場しています。途中停留所では「このバスは乗れない」ということだけが分かれば十分で、停車しないバスの行き先などは不要、ということでこのような表記になったようです。この表記は他に2系統ほど同様のものがあります。
[急行]神奈川工科大学 [厚67]急行
[厚95]厚木バスセンター〜厚木警察署前〜王子線
この路線はどちらかといえば、中規模な住宅地への路線で、もともとはあまり本数もありませんでした。しかし、市内の厚木東高校・厚木商業高校の急行バスの利用者が減少していたため、これら2つの高校への専用バスを廃止し、高校の近くを経由する王子線に統合となりました。これを明確に表示するため、方向幕には行き先と同格で2つの高校名を入れることになりました。4月1日の時点では「東高校・商業高校・王子」となっていたと思うのですが、さすがに字数が多すぎ、かえって見づらくなったようで、2週間ほどで写真の表記となっています。このような変更が全車一斉に可能なのは、まさしくLEDの長所と言えましょう。
余談ながら、朝夕はどちらの方向にも乗客が多くなり、路線としての効率まで良くなるというおまけもつきました。
[厚95]商業・東高校・王子 [厚95]商業・東高校・王子
回送表記・その他
この他、厚木営業所だけで見られる表記としては、英語併記の回送表示や社名ロゴマーク表示、企業貸切用のロゴや鉄道代行表示などもあります。ここに挙げた以外にも、「廻送」「整備回送」などの表記が入っているようです。「整備回送」はこれまで大阪市交通局くらいしか見たことがありません。
回送(前面) 回送(側面) Canon JR代行<下り>
特にロゴマーク表示は、LEDも案外細かい表示が可能ということを示しているようなもので、いろいろと応用可能なものがあるでしょう。
かなちゅうロゴ(前面)かなちゅうロゴ(側面)
LED行先表示器事情
ここ2年ほどの間に、これまでの幕式行先表示器がLEDに変わったバスが増えています。以前にも試験的にしていたバスはあったのですが、どうしても昼間の視認性に問題があり、メーカーでも開発は進めていたものの、なかなか普及していませんでした。しかし、高輝度LEDの技術も進み、現在導入されているものはかなり見やすくなりました。しかし、文字が多少粗かったりという点はまだもう少し改善が必要なようです。
まだ完成度が高くないにもかかわらず、あちこちで導入されているのは、2000年に発生したバスジャック事件が発端で、緊急事態発生時に外部に異常を知らせるためのもので、当初は方向幕に非常用のコマを入れる事業者もあったものの、動作音などが大きく、バスジャック犯人に知られないように一瞬で変更できるものとして、LED表示器が選択された、という事情があります。
このような事情で、品質の向上よりも導入の必然性が優先されてしまっている状態なのですが、導入数が激増したため、価格的にはかなり改善されたようです。また、導入事業者が増えたことで、ユーザーの意見がより反映されやすくなったこともあり、側面の表示レイアウトを事業者の仕様に合わせたものも登場しています。まだまだ開発途上、という状態ともとれますが、今後品質や仕様などがブラッシュアップされるにつれて、まだまだ導入数は増えていくものと思われます。
LED行先表示器を装備した車両(藤沢神奈交バスの2002年新車) 正面・後面の表示機は少し下向きになっています 標準レイアウトの例で、これは富士急行バス 事業者が変わってもレイアウトは同じです。相鉄バスの例 事業者の仕様に合わせたものが登場しました。これは藤沢神奈交バスで導入されたもの
箱根登山バスカード導入
2002年4月16日より、箱根登山鉄道バスでもバスカードが導入されました。今回の導入は小田原観光営業所と足柄営業所で、箱根方面と小田原近郊の一般路線は全てカード対応となりました。真鶴・湯河原地区(湯河原営業所)については、年度内に対応予定とのことです。
今回はバス共通カードの他、登山電車やケーブルカーでも利用できる「とざんカード」というものも導入されていますが、こちらは一番使えるようになっていてほしいはずの小田原駅がまだ非対応なので、どうなることやら。ただし、バス車内でも発売しており、割引率もバス共通カードと全く同じなので、それなりのメリットはあるのかもしれません。
これで神奈川県内でバスカードを全く導入していないのは伊豆箱根鉄道だけとなりましたが、この後どう動きがあるのか、注目だと思います。
まぎれもなく「バス共通カード取扱車」 箱根方面の路線ももちろん対応。最新鋭の日野ブルーリボンシティ 整理券発行機はカードリーダーと一体
伊豆大島バス事情
YS11の乗りおさめのために伊豆大島に行ったのですが、伊豆大島にはちゃんと路線バスが走っていますので、あちこち乗ってみました。
東京からの夜行の船が到着する港は、天候によって変わりますが、バスは船のつく港で待ちうけています。このあたりは汽船会社直営のバスならではの連携の良さでしょう。島内の路線バスが乗り放題の1日フリーパスも発売されており、早朝であってもバス乗り場で購入することが可能。各種観光施設の割引券もついており、中でも三原山温泉の入浴料が300円割引になります。船の接続便には三原山温泉行きのバスもあり、船旅の疲れを温泉で落とすのもいいかもしれません。9時ごろまでは休憩も可能です。
さて、東海汽船のバスですが、ほとんどの車両は観光バススタイルで、全車両がリクライニングシート装備(ついでに、全て品川ナンバーなのです)。実は全ての車両が貸切バスからの格下げなのです。中には、路線バスとして使用されているのに、運賃箱も運賃表も整理券発行機もないバスまであります。こんなにアバウトなバスだとは思いませんでした(^o^;)。
島内は道路がさほど整備されているわけでもなく(フェリーがないので入ってくる車もないですから、その必要もないでしょう)、狭い道や急カーブをフルサイズのバスが走るのはなかなか迫力があります。中でも驚異的なのは波浮港で、12mのバスが10m足らずの奥行きしかないところで折り返すという荒技があります。どうやっているのかは、画像を見れば分かると思います(^o^;)。
ここが東京都とはなかなか信じられないですが、島内は自然が多く、見所も多いです。1度行ってみてはいかがでしょうか。
よく見かける日産ディーゼルハイデッカー。貸切格下げです 路線車のようですが、貸切格下げです 三原山登山口にて。主力の三菱ミドルデッカーです こちらは貸切車。路線車への格下げが前提なので、社名灯が幕式です 観光名所をめぐる「おさんぽシャトル」 波浮港にて。よくこんなところで折り返せるなぁ、と思ったら… 何とリアオーバーハングがはみ出している! 最後部座席は怖いかもしれません
JRバス関東「お客様感謝デー」
2000年は11月12日に行われたので、見てまいりました。
さて、展示物ですが、何と言っても全長15mのダブルデッカー高速バスが圧巻。まだ認可が取れず、ナンバーはついていないけれど、こうして日本のバス事業者のカラーリングをまとって、長さ以外は日本の車両規格に合わせた形でいるのを見ると、やはりバスも大きく変わりつつあるのかも…という気になります。実際はそんなに簡単なものじゃないようですが…。
 車内にも入れましたが、正座席だけで85名の定員を確保できるあたり、車体を3m伸ばした効果が現れているようです。ダブルデッカーだったので、外から見るとあまり長さを感じないのですが、車内に入ると天井が低いこともあって、本当に長く感じます。試しに2階の一番前の席に座ってみましたが、足元の広さはドリーム号と同じで、ネオプラン社の純正シートの座り心地もなかなかよろしい感じでした。やはり日本のバスに比べて1日の長があることを感じさせられました。
他にも、「びゅうバス」として走っているHIMRや、館山支店のワンステップバスなどが展示されていました。
 物産展ですが、各支店がいろいろとお店を出していました。館山支店が魚の干物を売っていたのと、宇都宮支店の餃子のお店が印象に残っています。しかし、こんなところでお土産をいろいろ買っていったら、「いったいどこに行ってきたんだ?」と言われそう(^o^;)。
 その他、バス部品がいろいろと販売されていました。車内テープドライブに至っては、動作確認まで済ませた状態で販売されているという…ここでは、先月に続き、またもドライビンググローブを買ってしまった私がいたりします(^o^;)。
イベント会場は広大な東京支店の一角でした 長い!15mダブルデッカー高速バス 1階はこんな感じです 2階の最前列から後を見てみました。本当に長い! 長野県で活躍するHIMR車もお目見え 物産展も盛況でした
盛岡市バス事情
オムニバスタウン構想モデル都市に選ばれた、岩手県盛岡市ですが、ここには岩手県交通と岩手県北自動車の2社が主なバスです。
さて、そのバスなのですが、なかなかこれがものすごい状況でして…県北バスの方は、盛岡市内路線をあまり多く持っておらず、観光路線が主体のため、基本的にトップドアで冷房・エアサス装備、車両も全般的に新しいです。他方、市内路線の主役である岩手県交通は、大半の車が譲受車で、平均車齢は非常に高いです。前中扉、ツーステップ・リーフサスは当たり前(冷房はありますけれど)という状況で、一昔前に戻ったような錯覚さえ受けます。
しかし、車両はどうあっても、すでにバスカードは全車両で使用できますし、2社共通ということもあって便利です。市内路線のフリークエンシーは抜群ですし、車両さえ気にしなければ、かなりバスが使いやすい都市であることも事実なのです。
さて、オムニバスタウン構想を進めていくにしたがってどう変わるか?浜松市などでは車両や運賃体系に至るまでかなり手が入っているようですが、車両がこのままであっても、より利用者に親しんでもらえる方策があるのであれば、それは他の多くの会社でも使える手段になりうるわけで、考え方によっては、今後一番目が離せない地域なのかもしれません。
古いバスが多い岩手県交通 これは新しいほうです。 観光路線になると、こんな車もあります。古くても居住性は抜群! 106急行も市内の交通機関に組み入れられています。今年導入の最新車 この2台、年代差はどのくらい?
都営の全面広告バス
赤字を減らすために、ということで、都の屋外広告条例を改正したことで出現した、全面広告バス。賛否両論あるようです(どちらかといえば否定的な意見が多いかな?)。
もっとも、元の条例も、あくまで東京都内に在籍する車両だけが対象だったため、都外のバスを使用した広告バスはあったので、いわば「ザル条例」だったという感じもするのですが…?ちなみに、個人的には、正面だけでなく、乗車口の周囲くらいはオリジナルのカラーを残して欲しかった気もします。ただ、私は全面広告のバスそのものを否定するつもりは全然ありません。中には、広告にしておくにはもったいないデザインのものもありますから…。
正面はオリジナルカラーなのですが… こちらからだと都営バスに見えません 2台とも本当に都営バスか?と思うような…
JR夜行高速バス ドリーム号
ドリーム号、足柄SAの風景です。現在のドリーム号は、ダブルデッカーだけで3車種(三菱エアロキング・ヨンケーレ・ネオプラン)あり、カラーリングも各社各様です。ここには出していませんが、最近では、ボルボ=アステローペの姿も目立つようになりました。
ベルギー製のバス・ヨンケーレ(クリックすると大きく見られます) 思い思いに休憩時間を過ごす人たち…(クリックすると大きく見られます) SAのライトに照らされるバス(クリックすると大きく見られます)
はとバスのダブルデッカー
9月18日、東京タワーにダブルデッカーが3台集まりました。
うち1台は、日本ではもうわずかしか残っていないベルギーのバンホール社製です。
ダブルデッカー3台並び(クリックすると大きく見られます) バンホール「アストロメガ」(クリックすると大きく見られます) ドレクメーラ「メテオール」(クリックすると大きく見られます) 三菱エアロキング(クリックすると大きく見られます)
JRバス関東のネオプラン車
JRバス関東のハイウェイバス30周年記念イベントで、夜行用のネオプランダブルデッカーが展示されていました。車内にも入れたのですが、なかなか居住性はよさそうで、東京〜大阪あたりだったら苦にはならなそうです。
ネオプランダブルデッカー(クリックすると大きく見られます) 2階席の最前列でも足を伸ばせます(クリックすると大きく見られます) 1階はこんな感じです(クリックすると大きく見られます) 運転席はこんな感じです(クリックすると大きく見られます)
JRバス関東の国鉄形式
国鉄形式 MS735SA(クリックすると大きく見られます)JRバス関東のハイウェイバス30周年記念イベントで、東京〜静岡間を急行便として往復していました。6月の土休日と6月10日に走っていました。写真の撮影場所は東名大井バスストップで、このバスストップと国鉄形式の組み合わせは最初で最後となることでしょう。
なお、このバス、「バス旅フォトラリー」の完全踏破賞の賞品になるという噂もありますが、真相はいかに。

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HTML Written by Yoshihisa Tobisawa