神風・愛の劇場スレッド第37話(4/9付) 書いた人:携帯@さん
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From: keitai@fa2.so-net.ne.jp (Keita Ishizaki)
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 09 Apr 2000 14:29:48 +0900
Organization: So-net
Lines: 306
Message-ID: <20000409142948keitai@fa2.so-net.ne.jp>
References: <19991227013510keitai@fa2.so-net.ne.jp>
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<20000313020233keitai@fa2.so-net.ne.jp>
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<20000403003708keitai@fa2.so-net.ne.jp>
<8c9mfo$4lh@infonex.infonex.co.jp>


石崎です。

japan.anime.pretty,fj.rec.animation の
<8c9mfo$4lh@infonex.infonex.co.jp> の
記事において 2000年04月03日(月) 17時58分32秒頃、
hidero@po.iijnet.or.jpさんは書きました。
>佐々木@横浜市在住です。

 こんにちわ。
 ジャンヌ世界を汚されたくない人は読まないで下さい。
 では、ゲームスタート!



 名古屋のジャンヌオンリーイベントに行って来たら、何故か村上さんに会いま
した(笑)。実は記事自体名古屋で書いています。

#ところで某計画の件ですが、無事実現しました。

>え〜と、大した意味はありません。^^;;;;;
>佐々木的にはフィンは暗躍してる様でいて実は毎日まろんちゃん家で
>寝泊まりすると思っているので。(来客時以外)^^;

 成る程、それは早速設定に取り入れないと。
 ちなみに原作最新号ではフィンちゃんは、アクセスとトキとセルシアの聖気、
神様の力を得て、堕天使から正天使に復帰してしまいました。
 フィンが堕天使になった訳は、「アクセスにもう一度会いたかったから」とい
うもの。

#もちろんこのスレッドでその設定に従う必要はありません(爆)。

>>> ★神風・愛の劇場第35話(前編)
>
>尺の都合で行間に押し込めちゃった部分を丁寧に描写して頂きました。
>珍しくちゃんとした合作になったという印象です。^^;;;;

 登場キャラが増えすぎて収拾がつかなくなっている状態を逆用して、同じ時間
軸を違うキャラを使って描いてみると面白いのでは無いだろうかと考えて、あの
形にしてみました。
 今更読んでいるブギーポップがヒント(汗)。

>過去の事件を鑑みて都ちゃんがジャンヌのターゲットに薄々感付くのは
>考えてませんでした。流石に都ちゃんイチオシの石崎さんならでは。

 一応本編に沿ってその内正体ばれイベントを入れないといけませんので、今の
内に伏線を…。

>ところでOA教室って、何か企んでますね?(笑)

 あまりにも露骨な伏線張りでしたね(大汗)。


>そして白眉はやっぱり「お着替え」ですね。
>男のロマンですわ、着替えさせるってのは。(核爆)

 事前にジャンヌを水に落としていたり、洞窟を用意していたりするとより完璧
なシチュエーションだったのですが(核爆)。

>く〜っ。クヤシイ。弥白嬢に挑戦されてしまった。(笑)
>でもそれだけでなく、バックナンバーを見て時の流れを感じてしまう辺りも
>ちょっと悲しい感じがしてツボに来ます。

 ちなみに勿論、あの後データはDVD−Rに焼いてしまうのでウイルス作戦は
二度と使えない設定になっています(核爆)。

>★神風・愛の劇場 第36話
>
>●いつもの朝

 すっかり堕天使フィンはまろんちゃんの玩具ですね(笑)。
 稚空と二人切りになりたくない為にまろんが出て来るまで隠れている都ちゃん。
 本当はまろんちゃんとも一緒にいたくないだろうに、針の筵状態ですね。

 動物病院の場所が複雑であったり、委員長が助けてと自分で言えないときもあ
るんじゃないかとか言っている辺り、今後の展開の伏線のような気がします。

>●その頃のツグミ

 今の展開からすると、ひょっとするとこのままツグミさんは電話の前で待ちぼ
うけ状態になるのでは…。

># うって変わって話が進んでない。^^;;;;;

 ご安心を。こちらも全然話を進めていません(大汗)。
 では本編。今回は設定編を含めた番外編みたいなものです(おい)。

(本編)

★神風・愛の劇場第37話

■山茶花弥白&三枝靖 編

●半年前

「急いで下さい。時間に間に合いませんわ」

 深夜午前0時、桃栗町の西にあるサンセットクリフに向けて、山茶花弥白はリ
ムジンで向かっていました。

「はい、ちょっと揺れますがご辛抱を」

 弥白の命に従い、かつてはレーサーだったと言う噂の運転手がスピードを上げ
ます。

「ここで良いですわ」

 サンセットクリフの上に建っている一軒家が見えた所で、弥白は車を停めまし
た。
 運転手は車を降りて、弥白のためにドアを開け、トランクの中から荷物を取り
出し、弥白に渡します。

「暫くここで待っていて下さいます?」
「はい、お嬢様」

●サンセットクリフ 三枝靖の別荘近辺

「はぁはぁはぁ」

 崖の上の一軒家に向かう上り坂の一本道を弥白は走ります。
 崖の上の一軒家は、世界的に高名な写真家、三枝靖の別荘でした。
 三年前から作品を発表していない三枝は、公表されていませんが実は病気で、
静養のためにこの別荘に来ているのでした。
 もちろん、弥白はこの事実は承知の上です。

「情報を手に入れるのが遅れてしまいましたわ。ジャンヌとシンドバットの予告
状が警察に届けられていないなんて…」

 別荘の近辺の林まで来ると、弥白は鞄の中から暗視装置を取り出します。
 軍用品で、数百メートル先の熱源を感知できる優れ物です。建物の中の様子も
これで何とか判ります。

「やはり、もう来てましたのね」

 別荘の中には、複数の熱源が感知されました。一つは暖炉か何か。
 それから人間らしき熱源が複数。
 人影は、恐らくはターゲットを奪い合っているのか、争っているようです。

「え!?」

 変化があったのは、別荘の側まで弥白が近寄ろうとした時でした。
 高速な熱源が別荘内を飛び回ったかと思うと、別荘全体が炎上し始めたのです。

「稚空さん…」

 燃え上がる別荘。その中から男性の人影が現れた時、弥白はそう呟きます。
 弥白は目の前の光景が信じられませんでした。
 家出をした稚空が、実は怪盗シンドバットとして、高価な美術品を怪盗ジャン
ヌと競いつつ盗み回っているのは、稚空の事なら何でも調べ上げる弥白には判っ
ていました。
 正確には「盗む」というよりは、ターゲットを「消す」という方が正確な事も、
もちろん調べがついています。盗んだ後、それを運んでいる様子が見られないか
らです。
 そして、シンドバットに取っては、ターゲットを盗むことよりも、ジャンヌの
仕事を妨害することの方が大事らしい事までは判明していました。
 しかし、これまでの所、ジャンヌもシンドバットも、ターゲットを盗む以外に
は、誰にも危害は与えていなかったのですが…。

 別荘から別の人影が現れ、こちらに向かって歩いて来ました。
 弥白は急いで隠れます。

 歩いて来たのは、三枝靖を抱えた怪盗ジャンヌでした。
 弥白は集音マイクをジャンヌの方に向けます。
 そこから聞こえてきたジャンヌの呟きは、弥白に衝撃を与えます。

「何よ…。魔王の手先のあんた何かに、言われたくないわよ。許せない。目的の
為なら、何をしてもいいって言うの? シンドバットのやり方は、絶対に許せな
い!」


(嘘…あれは稚空さんがやったって言うんですの?)


●リムジンの中

「あの、今夜見た事は…」
「はい。私は何も見なかったと言うことで」
「有り難う」

 帰りのリムジンの中で、弥白は運転手に口止めをしました。
 ジャンヌが去った後、残された三枝を弥白は運転手を呼んでリムジンまで運び
こんだのでした。
 弥白はポーチの中から携帯電話を取り出すと、電話をかけます。

「…海生おじさま? 夜分申し訳ございません。弥白です。あの、お願いがある
んですけど…」

 電話を終えると、弥白は車を名古屋病院へと向けるように命じます。


●数日後 名古屋病院

「記憶喪失?」

 名古屋病院の院長室で、弥白は海生から説明を受けています。

「…ちょっとオーバーだったかな。三枝先生、ここ最近の記憶が、どうも残って
いないらしいんだ。別荘が放火されたショックからなのかな。弥白ちゃん、本当
に何も見ていないの?」
「ええ。私があの近くを車で通りかかった時に、三枝先生が道に倒れていたんで
すの」

 嘘をついた弥白の胸に痛みが走ります。
 警察の検証の結果、別荘は何者かに放火されたものと断定されました。
 しかし、予告状が来ていた事を三枝は警察に届けておらず、しかも記憶を三枝
が失ってしまった上、周囲に人家も無く目撃者もいなかった為に、事件は迷宮入
りとなりそうでした。

●弥白の回想

「マンション用意してくれてサンキューな、弥白」
「稚空さんの為ならその位…。でも、本当に転校してしまうんですの?」
「ああ。やりたい事が出来たんだ」
「でも、お父様にも内緒で転校なさるなんて…」

 枇杷高校のカフェテリアで、稚空と弥白が話しています。

「親父は親父、俺は俺さ」
「稚空さんが転校されるのでしたら、私も…」
「いや、弥白はここに残っててくれ。親父に居場所を感づかれると拙い。隣町じ
ゃないか。いつでも会えるさ」


●名古屋病院 特別病室

(稚空さん…貴方の「やりたかった事」の結果がこれですの…?)

 名古屋病院の特別病室のベットで、三枝は眠っています。
 その横の椅子に弥白は座っています。

(そんな筈はない。きっとこれは何か訳があったのですわ。稚空さんがやりたか
った事が何かは判りませんけど、私は稚空さんの事をずっと信じて待っています
から…)


●現在

「…それで先生。もうすぐ別荘も再建されますわ。すっかり以前と元通りに作り
ましたから…」

 サンセットクリフの別荘は、山茶花家の援助で再建されていました。
 本当は三枝の資産でも十分に再建できたのですが、弥白が強引にそうしたので
す。
 名古屋病院の特別病室の入院料も、その他諸々の費用も、弥白が支払っていま
した。

 入院した当初、三枝は口も利けないような状態でしたが、弥白は辛抱強く毎日
のように病室に通い続けて三枝に話しかけ、次第に三枝の精神も快復していきま
した。
 どうしてたまたま通りすがりに助けただけの相手にそこまでするのか? …と、
弥白は周りの人から不思議がられました。
 弥白はそれに対してこう答えていました。

「私、先生の写真のファンですの。先生は精神的に参っておられるの。私、先生
の写真をまた見たいと思うから…」

 弥白の言っている事に嘘はありません。弥白が三枝の写真のファンだと言うの
は、弥白に近い人だけが知っている事実なのでした。
 三枝のファンだったのは弥白だけではありません。

(弥白の回想)

「おい弥白。この三枝靖って人の撮った写真集見て見ろよ。すっげー綺麗だ
ろ?」
「あら、本当に…」
「だろ? 弥白最近カメラに凝っているみたいだから、何か参考になるかと思っ
てさ…」

(現在)

 弥白は知りませんでしたが、三枝がまろん達の前に現れた時に、稚空が強引に
ついていったのは、稚空自身、三枝のファンだったからなのでした。
 それを知っていたから、弥白は稚空が三枝の別荘に放火したと知っても、稚空
の事を疑いはしませんでした。知らなくても疑わなかったでしょうが…。

 それでも、三枝が別荘炎上以来落ち込んでいるのは事実。
 それを癒して上げる事で、弥白は稚空の代わりに罪滅ぼしをしているのでした。
 それが、自分が稚空のやりたい事に対して出来る、唯一の事だと思うから…。

「元通りじゃない…あそこにはもうアキコは…」
「え?」
「あ、いや何でもない。山茶花さん、私なんかのためにここまでして頂いて、す
まない…」
「気になさる事はありませんわ。私、先生が復活される日を一日も早く待ち望ん
でいますわ。私だけではありません。世界中のファンの方が…」
「ああ。努力してみるよ…。実は、そろそろ退院できそうなんだ」
「本当ですの? そうしたら、お願いがありますの」
「何だい?」
「実は私、プライベートな自分の写真集を作りたいと思っているんですの。それ
で、その写真を三枝先生に撮って頂きたいと思って…」
「…」
「…やっぱり、私では撮る対象にはならないのでしょうか?」
「いや、そんな事はない。喜んで撮らせて貰うよ」
「まぁ本当!? 嬉しい!」

 弥白は、三枝に抱きつくのでした…。

(良かった。先生がここまで立ち直って下さって…)

(つづく)

 今回弥白しか出ていません(大汗)。
 では、次回もあなたの心にチェックメイト! …だと良いですね。

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石崎啓太(E-Mail:keitai@fa2.so-net.ne.jp)
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