From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 13 Jul 2001 15:42:31 +0900
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佐々木@横浜市在住です。
<9i9j1t$qsc$1@news01dg.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定をもとにした妄想スレッ
>> ドです。そう言うのが好きな人だけに。
という訳で。
>> >>> ★神風・愛の劇場 第130話『帰還』
>> 謁見の間=生活の場なのでは無いかという気が時々(笑)。
何か質素な木製のテーブルと椅子、白いテーブルクロスとか燭台とか
暖炉とかそんなイメージがつらつら湧いて来てしまいました。
>> ># もっと気になるのはキャラを使い切れるのかという問題。(笑)
>> 実はまさにキャラの有効活用の為の展開です。
>> #殆どネタバレしている気がしますが。
……この先の展開が全然想像つきません。^^;;;;;;;;;;;;;;;;;;
>> 掃除とか洗濯とか料理とか、色々とこき使われていたのでしょう。
>> きっと小姑並にうるさいに違い有りません。
当然、箒に洗濯板に薪を使ったカマドなのでしょう。(笑)
# いや、何となくローテクな印象が。^^;
>> >★神風・愛の劇場 第131話 『よしみ』
>> もしも彼女の正体が私の想定通りであれば、確かに世界中を飛び回っていそう
>> で、しかも犬の事が好きそうですが、すると彼女はこの出会いの後に犬を飼って
>> いたのかな?
どうでしょうね。往々にして実際には飼っていない人の方が
蘊蓄は多かったりしますが。^^;;;
# 少なくとも「犬の躾入門」なんて類の本は読みまくったでしょう。
>> 時々、ツグミさんが視覚障害者である事を忘れそうになるのですが(ツグミさ
>> んのシーンで勢い余って「見る」と書いてしまいそうになった事が何度か(滝
私は逆にツグミさんなりの「見え方」という意味で気にせず使ってます。(笑)
>> #…と自信たっぷりに書いておいて外したらゴメンなさい。
隅々まで作者の意図通りに伝わった様で安心しました。
# 第131話は成功と。φ^^v
>> #それにしてもまろんちゃん、夢の中で激しいよりも現実で激しい方が良いので
>> #は。
まぁ、夢にまで見て貰えてうれしかったと。^^;
>> #それとも、現実で激しい後なので、もうお疲れという事かな(大違)。
# それは…(爆)
>> ★神風・愛の劇場 第132話『主従と友情と』
都ちゃん、敵の本陣にいきなり乱入(違)とは流石直情径行型です。^^;;;
山茶花邸の謎がまた一つ解き明かされたという所でしょうか。
成程、弥白様の話相手として近い世代の娘を雇っているんですね。
# 実は花右京家の様に女の子がいっぱいだったとわ。(爆)
弥白様の知らない面を垣間見た都ちゃんですが、何となく間接的に世話を
焼いてしまったのは寂しがり屋を放っておけない身体になっている所為?(笑)
# ゲストキャラに名前が無いのはやはりゲスト故でしょうか。^^;
そして本題の代わりにとんでもない物を見てしまった都ちゃん。
今までの事もあり単に誰かさんと誰かさんを見たぐらいでは、それが想像を
絶する光景という事にはならないでしょうから相当ナニだった様で。^^;
多少変わりつつあった弥白様への評価/思いが一気にマイナスに戻った事は
間違い無いのでしょう。やはり波瀾は避けられない二人の様です。
そしてそして、佳奈子ちゃん暗躍中です。(笑)
>> #「花右京メイド隊」を見ながら書いていた所為かもしれない(爆)。
# 今回のメイドさんは何部隊なんでしょうね。(笑)
## それでは次です。(流石に翌日 ^^;)
★神風・愛の劇場 第133話 『交錯』
●桃栗町郊外
昨夜眠りに落ちた時間が遅かった割には、ツグミのその日の目覚めは
早目でした。まろんの様子を伺いながら暫くの間迷っていたツグミ。
もう少し寝ていようか、起きるなら起きるでまろんも起こすべきかどうか。
結局、気持ち良さそうに寝息を立てるまろんの邪魔をする気にはなれず
ツグミは一人でそっとベッドから抜け出すと音を立てない様にして寝室を
離れました。手早く顔を洗うとまっすぐキッチンへ行って冷蔵庫を探って
みましたが色々と足らない物がある様です。
それでも朝食の献立ぐらいは何とかなりそうですが。
「お買い物に出ないと駄目ね」
窓の方に顔を向けると晴れているらしい微かな明るさを感じました。
ツグミは軽く伸びをすると慣れた手つきで朝食の仕度を調えます。
寧ろ普段よりも手際が良いくらいに。オムレツの生地までは準備して後は
焼くだけという所まで済ませ、さてまろんを起こそうかと思った丁度その時に
なって、どたどたと廊下を歩いてくる足音が背後にやって来ました。
「あぁ〜ん、また一人で仕度してるぅ」
不満たらたらのいじけた声がツグミの背中にまとわり付きます。
「だって」
ツグミは半分だけ振り向くと笑顔で言いました。
「グーグー寝ているんだもの」
「嘘、私いびきなんてかかないよ」
「自分では判らないものね」
「かかないってば」
「はいはい。顔洗って来たら?」
「嫌。それ何?玉子焼き?」
「チーズオムレツ」
「私が焼く」
「誰が焼いても同じよ」
「焼くの」
「判ったわ。焼いてもらうから顔洗って来なさいな」
「焼いちゃ駄目だよ」
「焼きません」
一度離れていった足音が途中で止まりました。
まろんが何か言う前にツグミが答えます。
「焼いて無いってば」
*
解けた春巻の様な形のオムレツをつつきながら、まろんは小声で言います。
「やっぱり焼いてもらえば良かったかな…」
最初の一口を飲み込んでからツグミが答えます。
「どうせ見えないから形なんてどうでもいいわ」
「それ。慰めになってないよ」
「あら、そう」
ツグミは構わずにまたオムレツを一切れ口に入れます。
相手にして貰えそうに無いと諦めたのか、まろんもオムレツを口に運びました。
●桃栗町
朝食の片付けを終えると二人は着替えて買物に出かけました。店が開くには
少し早い時間でしたが、散歩ついでですので問題はありません。
柔らかい陽射しが降り注いでいる中を二人はゆっくりと町へ向かいます。
予想どおり未だシャッターが下りたままだったスーパーマーケットの前を過ぎ、
更に行く先を決めずに歩いていきます。今まで二人で通った事の無い道をいくつか
通り抜けてぐるりとひとまわりし、戻った頃には店は開いていて用を済ませる事が
出来ました。
「何時も悪いわね。付き合ってもらう度に買い込んでしまって」
「なんのこれしき。それに丁度良い運動になるから」
「休みの日まで運動?」
「スポーツ選手に休みは無いのダ」
「大変そう」
「実はね、今週末試合があるの」
「そうなんだ…もしかして今日練習とかあったんじゃ」
「あ、大丈夫。今日は本当に練習はお休みだから」
「良かった」
「約束だから。練習を犠牲にしてツグミさんのところに行ったりしないって」
「よろしい」
「何か偉そう」
まろんはツグミの笑顔を見ながら、ほんの少しだけあった心残りを封印します。
どうせ明日からはびっしりと練習があるのだから、と自分を納得させて。
それからも他愛ない話を続けながら歩いていく二人。少し歩き疲れたという事で
若干回り道になりましたが広場のオープンカフェに立ち寄りました。
少し遅めの朝食を取っている客が居て案外賑やかでしたが、それでも座れない程
でもありません。二人の注文した物がテーブルに届く頃には寧ろ客の数は減って
いて、昼食時前の店が暇になる時間帯にさしかかっている様でした。
「時間が中途半端だね」
「そうね。お昼には早いし」
「昼まで居座っちゃおうか」
「お茶一杯で?」
「そうそう」
「それはちょっと」
苦笑するツグミ。まろんの感覚では高校生の普通の行動だと思ったのですが、
ツグミの常識とは少々かけ離れているらしい事がその表情からは読み取れました。
もっとも、まろんにしても本当に昼までねばる気はありませんでしたが。
「じゃ、ケーキも付けて」
「その後でお昼を食べるって事?」
「そうそう」
「やっぱり運動が足りないみたい」
「大丈夫。後でちゃんと運動しま〜す」
「あらあら…」
何か言いかけたツグミがふっと黙り込み、まろんの方をじっと伺う様な姿勢に
なりました。まろんは思わず身を硬くしてしまいますが、すぐにツグミが
気にしているのは自分の背後なのだと気付きました。テーブルから椅子を少し
離して座ったまま身体を横に向け、更に首を回して周囲を見渡します。
特別な物が何も無い事を確認してから、まろんはツグミに聞きました。
「どうしたの?」
「何となく」
「ん?」
「視線を感じた様な気がしたの」
再びツグミの気にしている方向に目を向けるまろん。しかし、見えるのは広場の
反対側の建物と数羽の鳩だけでした。
「誰も居ないよ」
「…そう」
「今も感じるの?視線?」
「何だか判らなくなって来たわ。違ったのかも」
「誰も居ないから構わないよ、何処?言ってみて」
ツグミは迷わずに広場の片隅を指差します。
「あの辺り」
見るとそこは建物と建物の間の路地とも隙間とも見える薄暗い場所でした。
こっそり覗き見られる心当たりが無い訳ではないまろんでしたから、その後の
行動は敏速でした。極く短く一言だけツグミに告げて立ち上がります。
「待ってて」
そして驚いて飛び立つ鳩達に心の中で詫びながら、その黒い隙間へと駆け込み
ました。しかし、まろんの勢いはすぐにそがれてしまいます。その隙間と見えた
物はわずか数十センチ程しか奥行の無い単なる建物の壁のくぼみでしか
無かったからです。当然、そこには何者も潜んではいませんでした。
念の為、じっと心を研ぎ澄ませて周囲の様子を伺いましたが特に邪悪な何かを
感じる事はありませんでした。ただ…
「(この感じ、何処かで…)」
しかし漠然とした思いだけでそれ以上何も見出す事は出来ません。
結局すごすごと戻ってきたまろんにツグミの方から声を掛けました。
「ごめんなさいね。気のせいだったみたい」
「うん。何にも無かったよ」
「やっぱり鈍ったのかしら」
「やっぱりって?」
「今ちょっと幸せだから」
「あは。それって私も喜んでいいかな」
「どうぞ」
互いに笑顔を見せ合うと、二人はそのまま席を立ってカフェを後にしました。
***
自分に向かって走ってくる少女の姿をぼんやりと目で追いました。
心当たりを探るようにわずかに首を傾げますが、思い出せないのか興味が
無いのか、すぐに視線をその少女から逸らしてしまいます。
彼女の方も用が無いらしく、壁に寄り掛かって立っている脇までやって来た
ものの暫くそこに立っていただけで一度もこちらを見る事がありませんでした。
やがて彼女はテーブルに戻って行き、先ほどから見つめていたもう一人と
連れ立って広場から去って行ってしまいました。
アキコはその後ろ姿を所在無げに見送ってから自分も広場を離れるのでした。
(第133話・完)
# 2月13日昼まで。
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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