From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 29 Jun 2001 17:46:14 +0900
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佐々木@横浜市在住です。
<9h7fs5$3f7$1@news01db.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元に続いている妄想ス
>> レッドです。
>> そういうのに拒否感の無い人だけお読み下さい。
という事でよろしく。
>> >>> ★神風・愛の劇場 第126話『生存本能』
>> ちなみに夜の出来事に関しては色々と裏設定が(笑)。
裏返って表に出てくる日は来るのでしょうか。^^;
>> >★神風・愛の劇場 第127話 『雨のあと』
>> #なかなか「低い」話は書くのが難しいですよね。
# ええ。表現の"遠慮のサジ加減"が難しくて。(爆)
>> 結界用のお札を張ったのは当然シルクなのでしょうが、寝ている間とは言え、
>> ツグミさんに全く気付かれずに家中に貼った上に、朝食の準備まで整えていると
>> は、意外に出来る印象。
ツグミさん自身を鈍くする結界を真っ先に着けていますから簡単だったはずです。
>> 実は良く判っていないのは、結界に気付いた後にツグミさんが死に至る仕掛け。
>> ノイン達の会話によれば、悪魔が居る訳では無さそうですし、目の前でゆっく
>> りと死に至らしめる作戦であるのならば、ジャンヌ自身に殺させるという訳では
>> 無さそうですし。
ツグミさん抹殺担当は呪符が直接化けた鎌状の爪を持つ"手だけ"のナニか。
# シルクの様な存在のもっとず〜っと下等な奴だと思って下さい。
ゆっくり見せ付けられるのは結界の内と外で時間の流れが変えてあるからで、
前記のナニか自体は発動後速攻で相手を殺してしまう、という感じです。
# どうも表現的に第125話&第127話は概ね失敗だったらしい。
>> しょうが、読者(と作者)に取っては既に一年前の出来事。忘れている人も多い
>> かも(笑)。
書いている当人ですらメモを見ないと過去に何があったか判りません。^^;
>> まろんちゃん(ジャンヌ)の態度から、以前誰かが脱がされた事がある事に気
>> が付いたらしいツグミさんですが、その事に嫉妬したりはしないのでしょうか。
その辺、私の中のツグミさんはえらく淡泊です。
>> フィンに操られていたとは言え、先にまろんちゃんに手を出したツグミさん。
ああ成程、操っている様に読めますね。(爆)
>> 紅茶が冷めている描写は、当然その間に何があったかを読者に妄想させる為で
>> すね(笑)。
# ここは作者の意図通りに読んで貰えたらしい。^^;
## 紅茶が冷めるまでの時間はどの位か?という部分に
## わざと穴が開けてあるのですけれどね。(笑)
## つまり「どっちにも解釈出来る」という。
>> ★神風・愛の劇場 第128話『処分』
アクセスの監獄日記。(違います)
何気なく天界の設定の解説編にもなっていますね。
色々とアクセスの処分に関してモメた様で、穏健派というか隠密派とでも
言えそうな一部の勢力が強く擁護してくれたらしい。
つまり新たに秘密を知る者を増やしてしまうのは好ましく無く、
それよりは多少の罪は目をつぶってもアクセスに任務を続行させる方が
安全(安心)と判断したって事なのでしょうね。
或いは行政組織としての天使達の議会?と神の意思が微妙にズれているのかも。
そして計らずも神様に拝謁する事になったアクセスですが、
それどころじゃ無いってのは確かにそうですね。今現場はとりこみ中です。
ま、偉い人と会うのは組織の中では最優先で下っ端は断われ無いですけど。^^;
さて、ついにラスボス(ぉぃ ^^;)の神様の登場か…引っ張りますね。^^;;;
どんな人物(人じゃないですけれど)が現れるのか楽しみです。
>> 本編だと2/9頃です。…多分。
時間の流れ方が同じとは限りませんしね。
# では、次いきます。
## へろへろ第2弾。
★神風・愛の劇場 第129話 『誰の為に』
●桃栗町郊外
「雨、上がったわね」
ツグミの言葉に窓の方を向いたまろんはうっすらと赤みを帯びた雲が
流れていく様を目にする事になりました。それは雨が上がった事と同時に、
間もなく日没の時間である事も教えています。
「あ、あのね…」
まろんは先ほどからずっと思っていた事をおずおずと切り出しました。
「何かしら」
「今晩、泊まっていってもいい…かな?」
「さぁ、どうでしょうね」
「だってほら独りで居るとまた何か危険な仕掛けがされるかも知れないし、
今度は直接襲われるかも。それどころか偽のツグミさんが現れて」
まろんは必死で説明している間にツグミが口許を綻ばせている事に気付いて
口を閉じます。
「ん?それで?」
わざとらしく先を促すツグミにまろんはほんの少し苛立ち気味に応えました。
「真面目に話しているのに」
「ちゃんと聞いているわよ?」
「嘘。顔が笑ってる」
「あらあら、変ね」
両手で頬を挾み、手のひらで顔を揉みほぐす様な仕草をしているツグミ。
「笑い顔取れた?」
「もうっ!茶化さないでよぉ」
「だって変な事言うんですもの」
「変なこと?」
真意を計りかねてまろんは顔いっぱいに疑念を張り付かせてツグミを見詰めます。
ひと呼吸おいてからツグミは答えました。
「初めから泊まっていくって思っていたのに」
「それって…」
「違うの?」
「違わない!」
「ならいいじゃない、それで」
「でも危険なのは本当だよ」
テーブルの上で重ねていた手を離して片手で頬杖を突く様な格好をしたツグミ。
暫く考えてから言いました。
「怒らないで欲しいんだけど」
その言葉に思わず身構えてしまうまろん。
「…うん…」
「護衛なら要らないわ」
「でも…」
まろんは目の前が暗くなった様な気がしました。自分の声が他人の声の様に
遠くから聞こえてきます。
「私は日下部さんから皆には内証の世界の話を聞いているわ。特別な力の事も」
「…」
「でも、それって何の為の物なのかしら」
「何の為?」
「そう、何故そんな力があるの?」
「よく判らないよ、そんな事」
「考えてみて」
ツグミの言葉から、まろんはツグミの中には彼女なりの答があるのでは
無いのかと感じました。しかし求められているのは自分の答なのです。
「多分、誰かを守る為かな」
「そうね。そう思う」
「だったら」
「でも誰かって私じゃ無いんじゃない?」
「そんな、酷いよ!私はツグミさんの事」
ツグミは肩くらいの高さに手を上げて参ったとでも言う様な仕草をし、
まろんの言葉を途中で制しました。
「御免、言い方が悪かったわ。"誰か"って私だけじゃ無いでしょう」
「…だけじゃ無い?」
「ご両親は?東大寺さんは?それとも名古屋さん?水無月さんはどう?」
まろんの肩が微かに震えました。それをツグミが気付いたかどうか、
まろんはツグミの顔をじっと見詰めましたがそこからそれを読み取る事は
出来ませんでした。
「日下部さんの周りに起こる不思議な出来事は、それは恐い事だし困るわ。
でもそれは私と日下部さんの間だけの事じゃ無いでしょ?その事で日下部さんが
私の側に付きっ切りになるのは変だと思うの」
まろんが話を噛み砕き易い様にツグミは一旦言葉を切り、そして続けます。
「護衛は要らないって、そういう意味よ」
「…」
まろんが俯いているのがツグミには手に取る様に判りました。まろんが
どんな反応をするか言う前から判っていたのですから。
それでも言わずには居られない自分は何なのだろうと思わないでもありませんが、
今更途中で止める事も出来ませんでした。
「大切な友人として側に居て欲しいの」
最後の部分がまろんに届くには少し時間が掛かりました。
「え?」
「だから、友人として泊まっていってくれるなら歓迎するわ」
「今何て?それって、それって」
一転して元気な調子の声に戻ったまろんが食い下がると、ツグミはそっぽを
向いて言いました。
「恥ずかしいから何度も言わない」
「あ〜ん、もう一回言ってよぉ」
「嫌」
「ケチ」
やがてどちらからともなく笑い出した二人。そのまま暫く笑い声が途切れる事は
ありませんでした。
*
元々対決になってしまう事を覚悟しての訪問でしたから、正直な所では
まろんに泊まっていく用意は全くありませんでした。まろんは去りがたい思いを
堪えて一旦自宅に戻ると着替えをバッグに詰めて再びツグミの家へ向かいます。
その日二度目の訪問。まろんがツグミの家の玄関を目にするのと同時に扉が内側
から開かれ、室内から伸びた灯りが足下を照らしています。灯りの中に立つ人影が
手招いている様子はまろんが良く知っている何度も繰り返された通りの事。
それでもその日はそれが、何か特別の事の様に思えました。
出迎えたツグミが言います。
「すぐ逢うのだから、何も家から電話して来なくたっていいのに」
「ちゃんとつながるか確かめたかったから」
「まぁ、それでついでにお買い物頼めたから良かったけど」
「はいはい、何でもいたします。はい、これ」
「有難う。それじゃお夕飯の仕度に掛かりましょうか」
「そうだね」
ツグミの後についてキッチンへ向かおうとしたまろんは、リビングのテーブルの
上に広げられたハンカチを目に留めました。そのハンカチの上には光る物が
載っています。それが何なのか一瞬では判らなかったので立ち止まって見ます。
それはまろんがツグミの豹変の理由だと思っていた銀のリングのなれの果て。
しかしどうすればそんな形に壊れ得るのか想像もつきません。
まろんがその欠けらの一つを手に取って見ているとツグミが声を掛けました。
「それ、ブレスレットだったのよ」
「うん、知ってる」
「つまりもう一人の私も同じ物を着けて居たのね?」
「そう。私、てっきりこれが原因で」
「イカロスの様に?」
「それは…」
まろんは思わず失敗したとでも言う様な顔をしてしまいました。
ツグミはそれを察したのか、静かに言います。
「いいのよ、気にしなくて」
「…」
まろんが何も言わなかったのでツグミの方から話題を引き戻しました。
「その壊れ方、不思議でしょう」
「え?あ、そうだね」
「さっき、ふと気付いたら無くなっていたの。それで探したら」
そう言いながらツグミはもう一つの欠けら、真っ二つになった残りを
拾い上げて端をつまむと指先でくるくる回しました。
「切れ目が凄く綺麗なのよね。まるで切ったみたいに」
「うん。でも、これ本当に最初はつながってたのかな。何だか信じられない」
「そうね、でも確かに手触りも大きさも間違い無いわ」
「ちょっとそれも貸してみて」
まろんは荷物を床に降ろしてもう半分の欠けらを受け取ると、切れ目と
思われる部分を合わせて見ました。透き間無くぴったりと合います。
しかし手を離すと欠けらも離れてしまいます。とてもつながっていた様には
見えませんでした。まろんが言います。
「何時壊れたの?」
「…多分、昼間日下部さんが来た時」
「もしかして私が転ばせた所為?」
「違うと思うわ」
「でも、責任感じちゃうな」
「気にしないで」
口ではそう言っているツグミでしたが、差し出された手にまろんが欠けらを
乗せて返すと両手で挾んで胸元に大事そうに引き寄せていました。
「大切な物?もし良かったら代わりを贈らせて」
「いいの。それにもしかしたら何か特別な着け方があるのかも知れないから」
「ツグミさんが自分で着けたんじゃ無いの?」
「違うわ、贈り物なの。気付いたら嵌まっていて」
今度は違う意味で絶句してしまったまろん。ツグミにアクセサリーを
贈る様な相手とは誰なのだろうか、そう思った途端に今まですっかり
忘れていた光景が浮かび上がりました。
「…それ、もしかして男の子から貰ったとか…」
「あら、良く判ったわね」
ツグミがあっさり認めた事が少なからずショックだったまろん。
「だ、誰?」
「さぁ?」
ツグミはさも面白そうな顔でまろんの方を向いていました。
しかし、まろんの方は全然面白くありません。
「………全くん」
「大当たり」
それっきり黙ってしまったまろんに意外そうな顔をしていたツグミ。
しかし直ぐに先ほど以上に悪戯っぽい笑顔で言いました。
「焼きもちなの?」
まろんは精一杯の気持ちを込めて答えました。
「そうよっ!」
途端にツグミは大笑いを始め、まろんはますます難しい顔になります。
「可笑しく無いよっ!」
「そう?可笑しいわ。全くんなのよ、子供相手に嫉妬?」
「でも男の子だもん、それに…」
「それに、何?」
まろんは返事をしませんでしたが、ツグミが何度も尋ねるとボソボソと
小声で以前見た事を話しました。再び笑い出すツグミ。
「何で笑うのよぉ…」
「だって…」
笑い過ぎて言葉が続かないツグミ。話を聞いて、ツグミにはまろんが
何を誤解したのか判っていました。ですが意地悪をしてわざとその事は
教えませんでした。そして代わりにこんな事を言ったのです。
「そんなに気になるんなら、男の子の痕が付いているか調べたら?」
そして片足をまろんの方に半歩出してスカートの裾を途中まで捲り上げました。
顔を赤くして絶句しているまろん。ツグミはそのまま暫く待っていましたが、
まろんが何も言わないのでやれやれとでも言いたげに手を広げると床から
買い物袋だけを拾い上げて一人でキッチンへ行ってしまいました。
少し経ってから我に返ったまろんが後を追い掛けます。
「まてっ!本当に確かめるんだから」
まとわり付くまろんが危ないのでツグミが本当の事を教えるまで、まろんは
夕食の準備の間中ツグミの側に居て服のあちこちを捲り続けたのでした。
(第129話・完)
# 駄目だ。(笑)
## 2月12日夜ぐらいまで終り。
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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