神風・愛の劇場スレッド 第120話『正餐』(5/4付) 書いた人:佐々木英朗さん
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From: hidero@po.iijnet.or.jp
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 4 May 2001 03:10:03 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 440
Message-ID: <9cs6tr$nse@infonex.infonex.co.jp>
References: <9b69cu$ohm@infonex.infonex.co.jp>
<9bbolh$afo$1@news01bd.so-net.ne.jp>
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<9bu0a9$jdg$1@news01bj.so-net.ne.jp>
<9cb9kk$qls@infonex.infonex.co.jp>
<9cjvcs$jeg$1@news01ci.so-net.ne.jp>

佐々木@横浜市在住です。

<9cjvcs$jeg$1@news01ci.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。

>> これは神風怪盗ジャンヌのアニメに触発されて書き連ねられている
>> 妄想小説のスレッドですので、お好きな方のみ以下をどうぞ。

そんな訳です。


>>  余談ながら、声質はミーシャ@ハリーをいめぇじしていたりして(爆)。

小柄で首が細ければ、きっとそんな感じの声でしょうね。
# 真面目に分析してどうする。^^;

>>  何となく、家庭の中でもやっていて、桜ママに怒られている都という絵を思い
>> 描いてしまいました。

それ、絶対やってます。(決め付け ^^;)

>> #色は緑系が良いかな(笑)?
>> #それとも、佐々木さん案がありますでしょうか(爆)。

今、色について聞かれると某週一回の非常識アニメの影響が出てしまいます。(爆)
# いろんな色が出てくるもんで。^^;;;;;;

>> >>> ★神風・愛の劇場 第117話『告白(前編)』

>>  綾ちゃんを見ると、弥白様を思い出してしまう今日この頃(笑)。

私も実はキャラデザ的にそこはかとなく似ているなと前から思ってました。

>>  確かに、あの○○教師のやることですから単なるアフターケアとは思えません
>> (笑)

最早、ミストの事をどうこう言える立場では無いですね。^^;

>>  美人なら誰でも良さそうです(笑)

# 野郎でも美形はおっけーなのかなぁ。(爆)

>> #弥白様の気持ちの揺れは作者自身の展開に対する迷いでもあったりして(爆)。

# 成程。(納得すな ^^;)

>> >>> ●予告編

>> #…って今回この台詞は出ていますが(笑)。予想は当たりましたか?

予告通りになるとは思っていなかった時点で予想外です。(爆)

>> >★神風・愛の劇場 第118話 『揺らぎ』
>>  稚空がまろんと出会った時に、どういう対応をするのかを考えていましたが、
>> 正攻法で正直に話しましたか。それはそれで稚空らしい。

取り繕う余地は既に無かろうという事で。

>> り誰も頼れる者がいないという状況は辛いのでしょう。稚空を「信じた」と言う
>> よりは、「信じたい」と言うのが、まろんちゃんの今の気持ちなのかな。

ええ、「信じたい」はずです。もっと判りやすく「信じさせてよ」かも。

>> >●次々回予告編
>> ># 第119話の展開次第では延期あり。(笑)
>>  …とありましたので、話を敢えて夜まで書かずに置いたのですが、影響はあり
>> ましたでしょうか(笑)。

ぎゃぁ〜っ。(謎の叫び・あげいん)
# 夜の部にサクサク突入してもらっても良かったのですが。^^;;;;;

>> #今晩仕掛けるという展開の場合は、今回の内容だと拙いかも(笑)。

# 当初の目論見からは大幅な軌道修正を余儀なくされるのは
# 毎度ながら、お互い様という事で。^^;;;;

>> ★神風・愛の劇場 第119話『求愛』

弥白様と一つ屋根の下どころでは無い状態なのに、まろんちゃんの事を
考えていてオマケに名前まで呟いているとは。聞かれたら血を見るぞ稚空。
# 確かにこれは大団円なんて思い付くはずも無い展開。^^;;;

桐嶋センパイ、暗躍再開。次のターゲットって誰なのかなぁ。
次の動きが楽しみだった風な様子からすると、センパイ的本命への
アプローチっぽいですが。
# 何となくお仕置きが楽しみでわざと独断専行している様な気も。*^^*

例によって人間側の動きに逐一敏感な人外の皆さん。^^;
まろんちゃんと稚空の再接近を手っ取り早く邪魔する方法は…。
どうもミストは急速に消耗している印象ですが、大丈夫なのかな。
# 退場の話まではもってもらわないと。(ぉぃ)

眼鏡ちゃん改メ佳奈子ちゃん。可哀想に杖突いて登校ですか。
結果として抜け駆けで弥白様にお目通り(笑)してしまった形になってます。
弥白様は気付いて無い様ですけど、その事で後で苛められないとよいのですが。
…でも、彼女も暗躍中。^^;;;;;
# ところで妄想独自キャラの名前は、ことごとく私のかな漢辞書には
# 入っていない綴りなのですが、何故なんでしょうか。(笑)

ふむふむ。ツグミさんお料理教室の今日のお題は天麩羅と。
流石に揚げ物は(多めに必要になる油が特に)危険だろうと思ったので、
避けていたメニューなのですが、まぁツグミさんなら何とか出来ますか。^^;

やはり全くんはマメにツグミさんの家に行っていたという事の様で。
そして何となくツグミさんへの懐き度が増している全くんです。
# フィンにキツくお仕置きさせないとダメか。(笑)
意外だった事はツグミさんが割と率直な言い方で自分の両親の事を話した事と、
全くんの両親の事を根掘り葉掘り聞いている事。そんなに気になっていたとは。
そして、どうやら今宵は御泊まりという事の様で。
# まぁ、この二人なら何も起こらないでしょうけど。(爆)

# では、次いきます。
# そんな(どんな?)訳で前回予告のネタはボツになりました。
# 代わりの話は、はっきり言って超下品な話です。16歳未満お断り。(笑)

★神風・愛の劇場 第120話 『正餐』

●オルレアン

日がとっぷりと暮れた頃。ミストは文字通りにソファに沈んでいた身体を
起こすと辺りの様子を窺います。まるで人間の様に何時とも無く眠りに
落ちてしまう事がある自分に苛立ちを感じながら。

「まったく…」

まさに暇さえあればという言葉が適切でした。呼び戻さなければ一日中でも
出歩いているのではと思える時があります。

「犬と飼い主のどちらが散歩好きなのだか」

放っておく訳にも行かず、ミストは居ながらにしてアキコを探します。
しかし、ミストの知覚にアキコは現れては来ませんでした。
ミストは天井を見上げ、暫く思案してから空間を開き部屋の外、
オルレアンから充分に離れている上空の一点へと移動して行きました。

●桃栗町某所

力を外に漏らさない為に、より大きな力を使うという堂々巡りを避ける事。
ここでならばそれが実現出来ます。自分が此に居る事を知られても誰に
憚る事もありません。桃栗町を中心にして周囲の都市全てを意識の中に
飲み込みます。只でさえ人間界は雑然としていて見渡すだけでも鬱陶しい
と感じるミストでしたから、これだけ広い範囲を見通すと吐き気がします。
おまけに流れてくる意識の奔流の中には気配を消しているらしき魔界の者が
うっすらと混ざっているのです。
それが人の心の悪しき部分と区別が付かない程の混沌を形成していました。
あまり何度も行いたいとは思えない仕事です。そもそも何故わざわざ自分は
こんな真似をしているのか。苛々が頂点に達するかと思えた時、やっと
目的の気配を拾い上げる事が出来ました。

「…」

すぐにミスト自身で違うと気付きます。見通しが広すぎて捕まえるのが困難な
極く弱い意識です。桃栗町の外れではありますが、結界を通してとはいえ
部屋から見つけられない距離ではありませんでした。ましてやアキコの気配なら。
しかし今ミストに届いている物は本当に微かな細い糸でした。
気配が見つからないのに意識が届いている。答は明白、アキコから呼んでいる
という事以外に理由はありませんでした。再び空間を越える跳躍。
向こう側に出る時に何かの引っかかりを感じましたが、ミストを妨げる物では
ありません。出た先は光の全く無い暗黒の空間。もっとも、ミストには何の
問題にもなりませんが。

「アキコ、何だここは…」

ミストが現れた途端にアキコはミストの背中にしがみついて小さくなって
いました。その足下を黒い影がおろおろと行ったり来たりしています。
とてもミストの問いに応える様な状態ではありませんでしたが、
答はすぐに判りました。闇の奥から声がしましたから。

「珍客が続きますなぁ」
「人間の小娘の次はエリート様の御登場だ」
「お前達、失礼だぞ。本物の悪魔様と呼べよ」

周囲からはやし立てる様に下品な嗤い声が一斉に上がりました。
辺りにこだまして何倍にもなって声が響きます。
ミストには判っていましたが、彼等がどう答えるか試す事にします。

「何だお前等は」

最初の声が応じます。

「我らクィーンに従う者にて」
「ほう。それで、何をしている?」
「時を待っております」
「クィーンの命でか」
「如何にも」
「ご苦労な事だ」

言葉にすらなっていない唸りが飛び交います。悪魔達の罵声。

「まぁ良いわ。私の知った事では無いからな」

ミストは手でさっと空を切り、道を開きました。しかし開いたはずの
穴はミストが通る前に閉じてしまいます。周囲を強力な力が覆っていました。
そしてそれが先程から徐徐に強くなっています。

「何の真似だ」

押し殺した嗤い声に混ざって、また先程の声。

「暫くお留まりを」
「何だと?」
「先程も申し上げた通り、我らこの場にて時を待っております故」
「それがどうした」
「退屈しております」
「だから?」
「しかもクィーンからは、許可無く人間どもに手出しならぬとの仰せ」
「ほう?」
「そこで結界を弱くして人間でも迷い込まぬ物かと待っておりました」
「お前等にしては強力な結界を張っているではないか」
「その為の道具立てをクィーンより賜っております」
「で、何者かが入ってきたらどうする気だった?」
「女子供ならば食ってしまおうかと」

また湧き上がる嗤い声。

「美しい娘が迷い込んで来たと思い盛り上がったのも束の間、良く見れば死人」
「それは残念だったな」

再び巻き起こる罵声。ミストはまるで気にしませんがアキコが震えている事は
ミストの背中に伝わっていました。

「さて死人では食らう前に玩ぶ事も出来ず如何した物かと思案の最中でした」
「言っておくが」

ミストの声が少し大きくなり、代わって周囲のざわめきが静かになります。

「これは私の獲物だ。お前等が触れる事は許さぬ」
「まぁ、そう仰有らずに。仲良く致しましょうぞ、ミスト様」

再びミストの手が空を大きく切りました。先程より大きな裂け目が出来ます。
その裂け目もすぐに閉じそうになりますが、空中で止めたミストの手が
それを支えているのでした。

「アキコ、さっさと入れ」

アキコはミストの顔を見上げたまま動きませんでした。ミストは舌打ちしてから
アキコの首根っこを空いた方の手で掴むと穴に放り込みます。ついでに足下の
黒い影は蹴飛ばして後を追わせました。それを待っていた様に裂け目は閉じて
しまいます。手を下ろしたミスト。少しよろめきましたが、何とか立っています。
闇の奥から声が呼びかけます。

「お疲れのご様子ですな、ミスト様」

湧き上がる哄笑。

「お慰めいたしましょうか」

周囲から他の声が次々に上がり始めます。

「何処をお慰めしますかねぇ」
「そのお美しい姿は魔界では滅多に拝見出来ませんでしたぞ」
「しかも魔界で俺等下っ端の前にお出ましの時は黒いローブ姿で顔しか見えねぇ」
「今宵はまた涼しげな出で立ちですな」
「初めて見たぜ。意外に若いなぁ。皺々の婆ぁじゃねぇんだ」
「髪は長いのが好みなんだけどよ」
「こんな近くで眺められるとはな、面倒臭そうな任務だが来た甲斐有ったぜ」
「気取ってやがって気にいらねぇ奴だと思ってたんだよ!」
「何しろ正統の悪魔様だからなっ!」
「それじゃ俺達は何だってんだぁ?」
「ゴミだとの仰せだぜ」
「それじゃ、そのゴミどもに可愛がられても嬉しくねぇか」
「知るか。俺等がキモち良けりゃいいだろうが」
「俺等って何だよ、一緒にすんなよ。一番乗りは俺様だぜ」
「ぬかせ!お前ぇは俺の後だ」
「フざけんな!」
「まぁ、待てって、上と下二つで三箇所同時にお慰めで行こうや兄弟」
「成程〜、ところでミスト様ぁ、ちゃんと見かけ通りに女の身体なんですよね?」
「ひん剥いたら男でしたなんてオチは勘弁ですぜ」
「俺はそれでも構わねぇ。ミスト様を腹の下に敷けるんならな」
「趣味悪いぜテめぇ」
「しかしよぉ、マジで悪魔族なんて襲っちまっていいのか?」
「後で食っちまうんだから関係無ぇだろ」
「魔王様のお気に入りなんだろ、ミスト様って」
「そんなの昔の話だぜ、今はオチ目」
「やっぱヤリ過ぎでゆるくなっちまって捨てられたのかぁ?」
「我らがクィーンはどうなのかねぇ」
「それは人間界を去る時のお楽しみって事で」
「そりゃいくら何でもマズいだろう」
「いいんだよ、我らのクィーンは人間界で名誉の戦死ぃ」
「俺達の為に身体を張って下さるってかぁ」
「再び天国へ昇りつめちゃいましたぁってな!」
「ぎゃはは!」

やや俯き加減で黙って聞いているミスト。何時の間にか目は閉じています。

「おい、見てみろよ。身体が光っているぜ」
「怒ってんのかぁ、ミストちゃんよぉ」
「違うだろ、火照ってんだよ、早く冷ましてやろうぜ」
「逆だろう、お熱い所でもっとヒートアップ!」
「既にあっぷ済じゃねぇかぁ」
「良く見りゃ光の所為で服が透けてるぞぅ」
「おおっ!ばっちり女の身体じゃん」
「俺、もっと胸デカイのが好みなんだけどなぁ」
「揉んでりゃデカくなるぜ!」
「馬鹿、吸えばいいんだよ」
「吸って膨らむのは先っぽだけだよ間抜け!」
「俺っち、下の方だけ吸えれば満足さ」
「根性無しめ!突っ込まなきゃ男じゃねぇ!」
「どれ突っ込むかなぁ」
「迷った時は触手全部突っ込め!」
「裂けちまうぜ」
「大丈夫だよ、魔王様の相手出来るくらいの大穴さ!」
「ちゃんと締めてね、ミストちゃま!」

盛んに声を上げながら悪魔達はミストの周囲に集まり、既にすっかり
取り囲んでいました。一番近くに達していた一匹がミストの服の裾を
持ち上げようとしたその時、ミストが呟きました。

「やはり、お前等は大馬鹿者どもだな」

周囲に殺気が奔り抜け、悪魔達が一斉に飛び掛かろうかという瞬間。
最初の悪魔が声を上げました。

「ま、待て!」

あちらこちらから怒号やら野次やらが飛び出す中で、更に言葉が続きます。

「結界が…」
「頭ぁ〜、じらさないで下さいよぅ」
「一番乗りなら言わなくても譲りますから」
「そうじゃねぇ、結界獣が」

悪魔達が周囲を見回すと、何かが黒焦げになって微かに白い煙を上げていました。
彼等が隠れ場所としているのは地下深くに自然に出来た空洞です。
彼等の存在を来るべき時まで隠し続ける為に全体が結界の中にあるはずでした。
ですがそこに有る黒焦げの塊はその結界を維持していた魔界の生き物のなれの果て。

「ひぃっ」
「げぇ!」
「どうなってんだよ!」
「馬鹿野郎、急いで結界を張り直せ!」
「…遅せぇよ」

その声を聞くまでもなく、悪魔達は自分達の置かれた情況を瞬時に
理解しました。結界は元通りに全てを覆っています。
ただ、結界の主人がミストであるという事を除いて。
"頭"と呼ばれていた悪魔が最初に静まり返った中から声を上げました。

「ほ、ほんの冗談です。ミスト様」

顔を上げたミスト。口の端から笑いがこぼれています。

「ほう?そうだったのか」
「勿論ですとも。我らごときがミスト様に何か出来るはずがありませんでしょう」
「出来そうな口振りだったがなぁ」
「お戯れを」

ミストは目を開けて周囲をぐるりと見回しました。先程までミストの
周りを取り囲んでいた連中はすっかり散り散りになり、空洞の端ぎりぎり
まで逃げてしまっています。もっとも、それ以上逃げようも無いのですが。
誰にという事も無く、或いは全ての悪魔に向けてミストは言います。

「残念だな。しかし、お前等の言う通りだ。私は疲れている」

返事は全くありません。完全に魔界での彼等の立場の通りの態度に戻っています。

「そこで提案だ。いや、お前等の提案を飲もう」

微かなざわめき。ですがそれは真意を計りかねるという感じです。

「お前等で私を慰めろ。特別に希望も聞いてやるぞ、何処から始めて欲しい?」

ざわめきが大きくなります。そして数体の悪魔が再び闇の中から姿を現します。

「来たか。誰が最初だ?お前か?」

ミストが指差したのは"頭"でした。

「私がミスト様に触れるなど、とても」
「許す。こっちへ来い」

ミストの金色の瞳が光り、唇が言葉を発する度にぬめぬめと誘います。
服の上から自分の胸に左手を触れさせ、ゆっくりと揉み動かすミスト。
周囲の闇から遠慮がちに、しかしやがてはっきりと声が上がります。

「頭、行って下さいよぉ」
「何だよミスト様、話が判るじゃん」
「俺も慰めてくださ〜ぃ」

再び賑やかに、そして勝手に声を上げ始める悪魔達。
"頭"がゆっくりとミストの前に屈みます。身体の大きさが違い過ぎた為、
少し意識して合わせて来たのでしょう。それでも並の大男の背丈では
ありませんが。すっかりその気になったのか、目には貪欲な光が宿っています。

「ミスト様、何処からお慰めすれば」
「ああ、口だ」
「口からですか」
「そうだ。最近、腹が減ってたまらぬのだ」
「はぁ?」
「だから、腹が減っていると言っている」

何を言われたのかを理解する前に"頭"の頭部は胴体に別れを告げていました。
地響きを上げて倒れる身体。転がった頭部を拾い上げるとミストは目玉に
口づけをしました。ずるずると音がして、やがて中身をすっかり吸われた
頭部が地面にぺたりと落ちます。何が起こったのか判らない悪魔達は
茫然と動かなくなった"頭"の姿を見詰めていました。

「さて、次に私の口を慰めるのは誰だ?」

閉じられた空間を怒号と咆哮が埋めつくします。
結界を破ろうと体当たりを繰り返して自滅する者、数体で同時に襲いかかり
同時に八つ裂きにされてしまう者、命乞いして手足を切り落とされる者。
結局、ミストのささやかな晩餐はわずか数分で終わってしまいました。

「やはり故郷のメシは旨いな。量は全然足らんが」

ミストが去り結界が消えると同時に、悪魔達が暴れた所為で脆くなっていた
地下空洞は周囲からの地層の圧力に耐えられずに一気に崩壊し
全て埋もれてしまうのでした。

●オルレアン

ミストが自分の部屋に戻ると、つい先程と同じ様にアキコがしがみついて来ます。

「何だ?」

もちろん返事はありませんでした。ただ強く抱きしめているつもりらしい
普段とは違う感触が伝わっては来ました。

「散歩は近所だけにしておけ」

ミストはそう言って、アキコを抱いたままでソファにどっと倒れ込むのでした。

(第120話・完)

# ノインにまで疲れていると見られてしまうミストに
# 軽く食事を用意してみました。(爆)

## 実現しない予告は中止。^^;

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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