神風・愛の劇場スレッド 第97話『ある依頼』(12/15付) 書いた人:佐々木英朗さん
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 15 Dec 2000 16:40:33 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 283
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<90v2qe$qb1$1@news01ci.so-net.ne.jp>

佐々木@横浜市在住です。

<90v2qe$qb1$1@news01ci.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。

>>  このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
>> です。その手のが好きな人だけに。
です。


>> >>> >★神風・愛の劇場 第93話 『自信』

>> #やっぱ、組織が揃っていると触り心地が違うのだろうか(笑)。

よく日本の工業技術の優秀さの引き合いに出される町工場のおぢさんやら
精密加工関連の技術屋さんは指先でマイクロメートル単位の差を
認識しますから、ツグミさんなら判別出来るかもしれない。^^;;;
# なにせ布地の汚れも触って判るらしいので。(笑)

>> >>> ★神風・愛の劇場 第94話『再確認』

>> 基本的に反逆はしないのかなと。それと、実行してしまうとメインキャラが一名、
>> 暫く行動不能となりますが、良いんですか(爆)?

"暫く"行動不能ですか。^^;

>>  実はイカロスの首輪が神のバリヤーに反応してしまうのは予想外の反応でした。
>>  あのバリヤーって基本的に生命の危機にのみ反応するものだと思っていました
>> ので。
>>  それで、適当に理屈をつけてみましたが…実際の所はまだ考えていません(ぉ
>> ぃ)。

少しだけ考えている人達を出してみました。^^;

>>  役立たずと判断されているのは…多分スレンダちゃんの方なのかなぁ。
>>  一応、今回から動き始めているようですが。
>>  シルクの方が私から見ると役立たずに見えます。

勿論、役に立つのは女の子に決まっているではないですか。(笑)

>>  主役ってツグミさんだったんでは(違)。

私的にはその通りですが。^^;

>> >★神風・愛の劇場 第95話 『黄昏』
>> 某所雑記を見る限り、料理を作るのが好きそうなので、最近頻繁に食べ物ネタを
>> 振っております(爆)。

メニューを考えるのが大変です。(笑)

>> その割には包丁捌きはかなりまともな様子。

基本的技術は人間修業の一環として教えたであろうと想像しました。

>> #そう言えば右手の怪我は全治何週間なんだろう、ツグミさん…

動かしてしまいがちな部位ですから、10日〜2週間で抜糸、
包帯やガーゼが不要になるまでで3週間くらいではないかと。

>> ★神風・愛の劇場 第96話『習熟度合』

聖センセの生徒達の日常という訳ですね。^^;
シルクはどうやらハンバーグは身に付いた様子ですが、一度に一つの事しか
出来ないのは集中力が高い所為だと好意的に解釈しておきます。(笑)

それにしても、シルクってまろんちゃんの揺さぶり要員という訳ではなく、
何かもっと能動的な役割を与えられているらしい。しかもツグミさん相手?(大謎)

大変不吉(笑)な名前のマンションに住んでいる桐嶋先輩。
てっきり力技担当だと思っていたのですが、何か電子透かしを入れ込んだ
データを弄っている様な雰囲気。家族に見られない為にしては
妙に厳重です。もしかして画像ファイル版のサブリミナル効果か何かを
狙った仕掛けでも作っていたのかなぁ。
# パソコン通信由来らしい隠語がサッパリ判らないのですが、
# きっと後のエピソードで何の事か判明するのでしょう。

# では、いきます。


★神風・愛の劇場 第97話 『ある依頼』

●オルレアン

夜、それほど遅くは無い時間、稚空の許を訪ねる者がありました。
玄関の呼び鈴に応じて扉を開くと大きなバッグを肩から下げたまろんが居ます。

「まろん、遂に俺の所に嫁いで来たのか」
「そんな事ある訳ないでしょ!」
「じゃ、夜逃げか?」
「…」

冗談のつもりでしたが、まろんの表情が曇ったので稚空は慌てます。

「おい、何かあったのか?」
「…別に」
「ならいいが。それで何か用があったんだろ」
「これ」

まろんがポケットから出して稚空に渡したのは、小さく折り畳んだ
ガムテープの切れ端でした。合わせ目から何やら糸屑がはみ出しています。

「…ゴミを俺に…そんなに俺が嫌いなのか」

今度は稚空が暗い顔をしました。もっとも、まろんは全然気にしませんが。

「違うよ。昼間の約束」
「ん?」
「イカロスの毛。多分くっ着いてると思うから」
「ガムテープにか?」
「ツグミさんの家って掃除が行き届いているから、
 探すの大変だったんだからね。部屋の隅をぺたぺた探って持ってきた」
「もうちょっとマシな集め方は無かったのかよ」
「うるさいなぁ、同じでしょ、何でも。じゃぁ、お休み!」

まろんはそう言い放つと、さっさと自分の部屋に帰って行ってしまいました。
茫然と見送る稚空を残して。何時の間にか後ろに来ていたアクセスが言います。

「おい、喧嘩でもしたのか?」
「俺とじゃないさ」
「え?」

溜息を一つついてから稚空は扉を閉めました。
リビングに戻った稚空とアクセスは先程始めようとしていた話に入ります。

「実は気になっている事がある」
「何だよ?」
「この前、弥白に会った時の事だが」
「ああ」
「様子が変だったんだ」
「どういう風にだよ」
「何か話している途中で夢を見ている様な顔付きになってな」
「あのお嬢様がお前と話している時は何時もそうじゃん」
「それが違うんだよ」
「どう違うんだよ?」
「…」
「?」
「笑うなよな」
「言ってみろよ」
「話の途中から俺を見詰めていなかったんだ」
「何だそりゃ」
「弥白の目に俺が映っていない時があったんだよ」
「…やっぱり婚約者に未練があるのか?」
「馬鹿野郎、そういう事じゃない」
「じゃぁ、どう言う事だよ」
「あいつが俺以外の奴の事で上の空になるとは思えない」
「おいおい…」
「何か裏がある気がする」
「…」
「アクセス、聞いてるか?」
「俺もそこまで自分に自信を持ちたいよ」

言わなければ良かったと思った稚空ですが、時既に遅しです。
仕方がないので話を続けました。

「本題はこれからだ」
「良かった」
「何が?」
「のろけ話が本題じゃなくて」
「…まぁいい。それで例の首輪なんだが」
「最近熱心に取り組んでいる奴だろ」
「ああ。それをもう一度弥白に調べて貰うつもりだが」
「ふ〜ん」
「アクセスに監視していて貰いたいんだ」
「な、何を?」
「ずっと傍に張り付いていてくれ」
「お嬢様にかよ?」
「ああ」
「何でだよ?」
「危険かも知れないからさ」
「何が?」
「首輪に関わる事が」
「それってどういう事だ?」

稚空は昨夜の出来事をアクセスに話して聞かせました。

「それって無茶苦茶怪しいじゃねぇか」
「やはりそう思うか」
「首輪に悪魔が憑いてるのかな」
「いや、そういう感じはしなかった。他に可能性は?」
「人間界以外の物で出来ているとか」
「それは、多分無い」
「じゃぁ…意図…かな」
「ん?」
「攻撃その物ではなくて、隠された意図に対して警告する意味で
 障壁が働いたのかもしれないぜ」
「つまり…」
「悪意」
「それが障壁の引金になり得るのか?」
「悪魔が負の感情を引き出して利用する事を考えろよ」
「ふむ。本質は同じって事か」
「多分な。でも、だとするとあのお嬢様に首輪を渡す事自体が危険かも」

少し考えてから稚空は答えます。

「恐らく大丈夫だ」
「何故さ?」
「もし首輪に触れるだけで危険なら、都やツグミにも何か起こるはずだ」
「それはそうだな」
「だが、弥白は確かに一度は様子が変になった」
「おかしいじゃないか。何でお嬢様だけ?」
「だから見ていてやって欲しいんだよ、アクセス、頼む」
「判ったよ。だけど」
「ホットケーキ10枚でどうだ」
「任せろ」

稚空は早速立ち上がるとキッチンへと向かったのでした。

●枇杷町 山茶花邸

翌日の午後。稚空は昼休みに学校で都から受け取った首輪を持って、弥白の
許を訪れていました。首輪は昨日の夕方に、都が正式な手続を経て返却を受けて
いましたから、今は警察とは関係がありませんでしたが、証拠品の様に
ビニール袋に入ったままでした。電話で概略は伝えていたものの、稚空は
再び調べて欲しい内容を弥白に話ました。

「つまり今度は首輪その物では無く、それを着けていた犬を確認なさりたいと」
「ああ」
「首輪に着いているかもしれない痕跡と、
 この袋に入った毛を比較すればよろしいのですね?」
「そういう事だ、出来そうか?」
「お時間が掛かりますわよ」
「どの位?」
「急がせてはみますけれど、首輪の方から何か見つかると仮定して、
 多分二日程かと」
「何も出てこない事もあり得るのか?」
「首輪の方は見たところ毛らしき物は着いていませんから。
 人手を経る間に落ちてしまったのでは?」
「汗とかが染みているだろう?」
「犬は汗をかきませんわ」

弥白の視線がちょっと冷ややかになった気がした稚空でした。
稚空を言い負かしてしまった様な形になり、しまったと思う弥白。
仕方なく話を自ら先に進めます。

「それに体毛から個体を識別するのは難しいんです。
 サンプルが少量ですから尚更」

弥白は小さなビニールの袋に入った数本の毛を窓の光にかざしながら
言いました。

「それだけどな」

稚空が弥白の手にしたビニール袋を指差して言います。

「床から拾い集めたんで、犬以外の毛も入っているかも知れない」

何故か弥白は困ったような訝しむ様な顔をしています。そして。

「稚空さんが、お集めになったの…ですか?」
「何か変な事とか想像して無いだろうな」
「別に私は何も」
「ならいいが」

肝心な事を稚空が明確に否定しなかったので、弥白の頭の中には床に這いつくばる
変な格好の稚空の姿がすっかり定着してしまうのでした。



屋敷を出て門までぶらぶら歩いていきながら、稚空はアクセスに言います。

「じゃ、頼んだぞ」
「おう!」
「二日ぐらいだそうだから」
「一日一回は何か差し入れしてくれよな」
「ああ」

屋敷の方へ飛んで行くアクセスを見送ってから、稚空は桃栗町へと
帰って行きました。

(第97話・完)

# 肝心な所に話が届いてないなぁ。(ぉぃぉぃ ^^;)

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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