神風・愛の劇場スレッド 第94話『再確認』(12/4付) 書いた人:携帯@さん
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From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 03 Dec 2000 16:32:18 +0900
Organization: So-net
Lines: 376
Message-ID: <90csu5$peb$1@news01cg.so-net.ne.jp>
References: <8uoco9$bvj@infonex.infonex.co.jp>
<8v7r9b$kb2$1@news01bh.so-net.ne.jp>
<8vl57g$77d@infonex.infonex.co.jp>
<8vo5eb$rfj$1@news01cb.so-net.ne.jp>
<9076v5$ack@infonex.infonex.co.jp>

石崎です。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<9076v5$ack@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。

こんにちわ。

このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッドで
す。その手のが好きな人だけに。


>>> >>> >>> >>> ★神風・愛の劇場 第85話『団欒』
>>> #誰が誰に使っていたんだ(爆)。
>
>自分でちょっと試して。(爆)
># 実際は集めてみただけでしょうけど。^^;

 稚空と使う積もりで集めたとか(爆)。

#すると、神楽が将来犠牲になるのかな(違)

>>> >>> >★神風・愛の劇場 第89話 『無彩色』

>下着は確認したがりそうな人物が約1名。(笑)

 ツグミさんをショッピングに連れ出して、それから…という妄想をしてみまし
た(笑)。

>>> >>> ★神風・愛の劇場 第90話『記録』
>そうですか。ISDN移行の時に番号変わったのかと。
># 辺鄙な家は同番移行できない時期が昔ありましたよね。^^;

 一応設定年代をリアルタイムで設定しているので、5年前にISDNは無かろ
うかと思いまして。

#通販リストに電話やFAXからの分も入れてあるのはその所為

>>> >★神風・愛の劇場 第91話 『初体験』
>
>前にもフィンの飛んでいる音がツグミさんに聞こえたり、フィンとアクセスの
>レクリエーションが音だけは一般大衆に聞こえていたりしましたので、
>姿は見えなくても音はするという事で。

 実体のあるフィン達天使が「見えない」原理は、魔術による光学迷彩みたいな
ものであろうと漠然と妄想していたのですが、やはりでかくなると発する音も大
きくなるのかな。

>>> ★神風・愛の劇場第92話『鈍感』
>
>しかし、委員長さっそく記事書いたんですね。
>「この感動をリアルタイムで伝えたい!」(by ちあき@NieA_7)
>という事でしょうか。何か人事とは思えない。^^;

 委員長は自分だけで秘密では居られない性格であろうと思いましたので。

>その後も頻繁に目撃されてしまうアキコ。どうもミストに言われた事の
>コツが飲み込めない様子です。まろんちゃんと出会う日も近いか。(笑)

 アキコはミストの言いつけを守っていた積もりだったのです。
 しかし、委員長に目撃されてびっくりして、その後は姿を隠すことを忘れた…
という設定にしてみました(違)。

>都ちゃんはじっと見詰めているまろんちゃんをみてヤレヤレと
>思った様ですが、まろんちゃんは一度隅々まで見てますからね。
>思い出していただけかも。(爆)

 実はまろんちゃんが見ていたのには理由があります。
 その内出て来る予定。

#今回書こうと思っていたのですが、尺&時間の都合でパス

># 霧島マナってのは何処かに居ましたけど、関係やいかに。^^;

 エヴァのパソコンゲーム「鋼鉄のガールフレンド」のヒロインでしたね。
 ちなみにスレンダちゃんのネーミングの元は、これとは全然関係有りません。

#ハティの声+原作者がファンな人の名前から

>稚空の迷推理は今度ネタにさせて頂きます。^^;

 もちろん稚空は冗談で言っていたのですが、まろんちゃんがムキになって反論
する辺りが、まろんちゃんの本気度を現しているような。

>二重身にはわりと有名な話(見た者は云々という奴)があるのですが、
>委員長は知らなかったみたいですね。

 私自身が知識不足で元ネタを知らなかったので、この部分はどうしようかと思
いました。
 二重身の話自体は、フィンとミストの会話で初めて出て来た部分なので、魔界
由来の術だと思うのですが、それが人間界に伝わる過程で事実が若干歪んで伝わ
り、委員長が読んだのは人間界で伝わる話の一つという設定。

>しかし、委員長まだ気付いてないのか。(笑)

 鈍いですから(笑)。

>な〜んかメールで私語というのは身近な所で頻繁に起こっている事象の
>様な気がして仕方ありませんけれど、きっと間違いなく気の所為でしょう。^^;

 本当はチャットソフトで会話させたかったんですけど、授業で使うパソコンな
ので仕方なくメールに。

>★神風・愛の劇場 第93話 『自信』

 とうとう偽イカロスの首輪を手にしてしまったツグミさん。
 どうやらノイン作の首輪はツグミさんの神の手を上回ったようで。
 自分で書いていて忘れていたのですが、イカロスの首輪はアニメ本編第30話
で悪魔に取り憑かれて消えてしまっていますので、ツグミさんの母親が購入した
首輪は最早この世には現存していない(筈)な訳で。その部分も含めてきっちり
フォローして頂きました。
 都ちゃんや稚空はその事実を知らないのですが、知っている筈のまろんちゃん
もその事実を忘れ去っていたようで。

 ツグミさんがイカロスの死を知った後の反応は、恐らくこうであろうと思った
通りでした。問題は、これからどうなるかなのですが…。

#自分で書いて置きながら他人事な書き方だ(鬼)。

 「神の手」はツグミさんの手を意識していたのですが、まろんちゃんの手とい
う解釈もありましたか。
 どうやら、ノイン作の首輪はまろんちゃんの神の障壁に反応した模様で、この
線から真実に迫っていくことになるのかな。


 では、本編。


★神風・愛の劇場 第94話『再確認』

●オルレアン ミストの部屋

「嬉しいかしら、ノイン? あの犬娘の手すらも欺く事が出来て」

 ソファをアキコとイカロスに譲り、テーブルの上にだらしなく寝そべっていた
ミストは、それまで映像を映し出していたキャンディーを口の中に放り込み、ノ
インに話しかけました。

「当然の結果です。しかし拙いですね。日下部まろんに我等の動きに気付かれた
のは」
「それもあんたの作戦の内だったんじゃないの? いずれは直接対決しなければ
いけない相手だもの。それが少しばかり早まったからとて、気にすることなど無
いと思うのだけど」

 ミストはニヤニヤしながら言いました。
 本気なのかそれとも冗談なのか、その表情からミストの本心を伺うことは出来
ません。
 もっとも、本心を知ろうという努力など、ノインはとうの昔に放棄していたの
ですが。

「そもそも日下部まろん達が瀬川ツグミの所に行くのが判った時点で、本物の首
輪とすり替えておきさえすれば、こんな結果とはならなかったのですがね」

 昨日、都が委員長に出したメールを盗み読みしたノインは、ミストに首輪を本
物の首輪とすり替えるように提案し、拒否されていたのでした。

「でもあれは、意外な反応だったわ」
「意外?」
「あの程度で、『神のバリヤー』が発動した事」
「言われてみれば、確かに…」

 腕組みして考え込むノイン。
 魔術を用いて複製したものとはいえ、あの首輪自体から発する邪気はごく僅か
の筈。
 想定していたより『神のバリヤー』が過敏に反応するものなのか、さもなくば。

「ひょっとすると、制御が効かなくなって来ている?」
「思っていたより、我等の作戦が効果を上げているのかも」
「仕掛けてみますか?」
「今のジャンヌの精神に止めを刺す方法ならあるわよ」
「今それをすることはクイーンの怒りを買うことになるでしょう。例えクイーン
自らが考えていた事とは言えども」
「だけど、確実よ」
「今のままでも日下部まろんの精神は少しずつ傷ついて行くでしょうから、別の
角度から仕掛けてみようと思います。それで、我々の作戦の効果も判るはず」
「あれね。随分と仕込みに時間がかかったけどね」
「それと止めの作戦ですが、すでに布石は打ってありますよ、ミスト」
「あれの事? 大丈夫なのかしら」
「信頼してますから」

 暫く作戦について話し合った後、ノインは姿を消しました。
 ミストは、珍しくもため息を一つつくと、アキコに向かって言いました。

「らしくないわね…。やはり、あたしはあたしらしい作戦を考えた方が良いのか
も」

 もちろん、アキコからの返事は有りませんでした。


●オルレアン エントランス

 火曜日の朝。今日から2月となりました。
 稚空と二人で学校へと向かおうとした都達の前に、委員長が昨日に続いて現れ
ました。

「おはようございます」
「あら? また幽霊でも出たの?」
「違いますよ。僕が東大寺さんを迎えに来ちゃいけないんですか?」
「え?」
「俺は都のおまけと言うことか」
「いや別にそう言う積もりでは…」

 慌てて弁解を始めた委員長を見て、都と稚空は笑いました。



「僕、一晩考えたのですが」

 暫くの間、三人は無言で歩いていましたが、委員長が口を開きました。

「何?」
「本当にあれ、イカロスの首輪だったんでしょうか」
「ツグミさんが触ってそう証言したのだから、そうなんでしょ」

 素っ気なく都は言いました。

「でも、科学的に立証された訳では…」
「調べた限りでは普通の革製の首輪だったが」
「証拠品の首輪にイカロスがつけていた痕跡か何か無かったんですか? ずっと
つけていたんですから、何かついていたのでは。体毛とか、血液とか、汗とか…。
あれ? そう言えば犬って汗かきましたっけ?」
「そう言えば、その辺りについては言及が無かったが」

 稚空は上を見上げて何かを考えているようなのでした。

「体重のこともあります。瀬川さんが抱いて持ち上げられる程軽くなっていたの
に、亡骸は警官二人で無いと運べない程の重さになっていましたよね。だから僕
達は、一度はイカロスでないと断定した訳ですが…」
「俺もその辺は気になっていた。そうだな、ツグミさんの部屋からイカロスの痕
跡を集めて、首輪に残されているそれと一致する部分が無いかどうか、調べてみ
ようぜ」

 都は二人の会話を俯いたまま聞いていました。

「東大寺さん」
「どうした? 都」

 余りに反応が無いので、二人は同時に都に声をかけました。
 足を止めた都。相変わらず顔は俯いたまま。

「…嫌なのよ」

 小さい声で、都は言いました。

「嫌?」
「どういう事なんです?」
「前からそうじゃないかって思ってたんだけど、昨日、ツグミさんの証言を聞い
た時に判ったの。あたしも真相を知ることを恐れていたんだって」
「東大寺さん」
「科学的に調べたとしても、単に事実の追認をする事になるだけかも。それが嫌
なのよ」
「それはそうだが…」

 一瞬、場を沈黙が支配しました。
 暫く迷っている様子だった委員長ですが、やがて決意した表情になると言いま
した。

「それじゃあ東大寺さんは、もうこれ以上調べる必要は無いと言うんですか? 
まだあの犬がイカロスだと100%確認出来た訳では無いでしょう!?」
「ツグミさんの態度を見たでしょ? あれが真実なのよ」
「調べた結果、それが本当にイカロスだと判っても、それで良いじゃ無いですか。
僕は嫌です。疑問点をうやむやにしたまま残しておくのは」

 都は顔を上げました。顔には意外そうな表情があります。

「以前、東大寺さんがジャンヌの頬に特殊塗料をつけた事がありましたよね」
「何よ突然」
「あの時、たまたま頬に絆創膏をつけていて疑われた日下部さんの絆創膏を皆の
前で剥がして見せた東大寺さんは、どこに行ったんですか!? 真実を知る事を恐
れて、疑問を残したまま調査を打ち切るなんて、僕が知ってる東大寺さんじゃあ
りません」

 そこまで一気に言って、言葉を止めました。
 そして、恐る恐る都の様子を伺いました。

「あの…」
「馬鹿ね、委員長」
「え?」

 都の口元には笑みが浮かんでいるのでした。

「あたしの心は、最初から決まってる」
「それじゃあ…」
「あたしもね、昨日の晩に委員長と同じ事を考えてたんだ。曖昧な部分を残した
ままで終わらせるのは嫌だったから。ただ、調べても同じ結論が出るだけかも知
れないから、一人でやる積もりだったんだけど」
「どうしてです?」
「これ以上嫌な思いをするのはあたし一人で十分だと思ったからよ」
「ここまで来たんです。今更一人で抱え込もうとしないで下さい」
「俺も付き合うぜ」
「有り難う、みんな…。それじゃあ、放課後また付き合って貰うわよ」
「はい」
「おう」

 三人は、肯き合いました。

「あ…いっけない。もうこんな時間!」

 何気なく時計を見た都が叫び、三人は慌てて学校に向けて走り出しました。


●桃栗町郊外 ツグミの家

 今日は学校を休むと言い張ったまろんを一人になりたいからと無理に送り出し
たツグミ。
 学校に行く、行かないで口論となっていたので、朝食の後片付けがまだでした。
 そのため、食器洗いから始め、続いて部屋の掃除にかかります。
 掃除をしている内に、リビングの端に置いてあった来客用のマットレスに気付
きました。
 イカロスが退院した時に寝かせるために用意したもので、イカロスが戻って来
た時にすぐに寝かせられるようにと未だに片づけずにいたのです。

「これももう、片づけないと…」

 そう一人ごちたツグミは、やがてマットレスに突っ伏して暫くそのままでいま
した。
 ここでは一晩寝ていただけなので、匂うわけではありませんでしたが、それで
もイカロスの匂いが残っている、そんな気がしたからです。
 やがて起き上がったツグミは、マットレスを片づけようとしたのですが、暫く
逡巡した後に、結局そのままにして置きました。

 掃除と洗濯を終えると、昼食の準備までソファに座って耳を澄ませているのが
イカロスがいなくなってからの平日のツグミの日常でした。
 ソファに腰を落ち着けたツグミは、やがて気付きます。

「そうよね…」

 幾ら耳を澄ませても、もうイカロスの息づかいを聞くことは無い。
 そう知ってしまった今となっても、なおもイカロスを追い求めている自分。

「買い物に行こう」

 きっと、日下部さんは私の事を心配してくれている筈。
 ご馳走を作って、私が大丈夫だという事を示して安心させて上げないと。
 何時までもお世話になってばかりいては駄目なのだから。


●桃栗町中心部

 久しぶりに一人で買い物に出たツグミですが、やはりイカロスとの散歩コース
を通ってしまいます。決して会えないのは判っているのに。
 いつも使うスーパーに行こうとして、中央広場で声をかけられました。

「ツグミお姉さん」
「全君?」
「こんにちわ」

 ツグミは、全の背の高さに合わせてしゃがみました。

「今日も散歩?」
「買い物でぃす。夕御飯の材料を買いに」
「あら? 私もよ。だったら、一緒に買いに行かない?」
「本当でぃすか?」
「料理出来たんだ」
「まだ、作れるメニューは限られているんでぃすけど。でも『お父さん』は美味
しいと言って食べてくれます」

 全の父がどのような人物なのかは想像出来ませんでしたが、何となく微笑まし
い光景のような気がしました。
 全君の料理の腕はまだまだなのに、我慢して食べていたりするのかしら。

「そうね…それじゃあ、一緒にメニューを考えましょう。良かったら、一緒に作
りましょうか」

 ツグミはそう言って、全に微笑みました。
 やがて二人は、スーパーに向かって並んで歩き出しました。

(第94話:完)

 首輪に関して感じていた疑問を提示してみました。

#自分では解決しないところがポイント(ぉぃ)。

 では、また。

--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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