From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 6 Oct 2000 12:20:32 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 353
Message-ID: <8rjge0$hrs@infonex.infonex.co.jp>
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佐々木@横浜市在住です。
<8raf84$9r6$1@bgsv5905.tk.mesh.ad.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版を元にした妄想スレッドです。
>> その手のが嫌いな人は、読まないで下さいね。
同じく。
>> ミストの昔話の設定では、魔界の草創期からいるのは「悪魔族」という種族の
>> 話で、ミストが語っているのはその伝承です。
>> #世代交代があればこその「言い伝え」ですし。
>> だからミスト自身の年齢は「不詳」らしいです(笑)。いや、別に草創期から
>> 生きていても全然構わないのですが(で、昔の事は記憶が曖昧と(笑))。
悪魔族は強力過ぎて自分達の力の大部分を封じた(らしい)という
話でしたから、一緒にある種の意識も棄てているのではと妄想^H^H想像しました。
完全に憶えていると、自分の都合で力を取り戻したくなってしまいそうで。
# 強大な力を秘めた奴は自分では事実を知らないというのはお約束ですし。
もひとつ、悪魔の子供というのがどうも想像できなかったという事もあります。
"何となく"の域を出ないのですが、繁殖するというのに違和感が。^^;;;;;
# でもああいう解釈を私がした最大の理由は「単なる思い込み」です。(笑)
>> ちなみに気付いていると思いますが、暗示程度でまろんちゃんを襲うことの出
>> 来る人物が後もう一人。
「襲う」の意味をナナメ読みすると候補が多数。(爆)
>> >>> ★神風・愛の劇場 第77話 『見えぬ思い出』
>> 第48話の記事で佐々木さんが神の力でも悪魔の力でも無い人間の力で事態に
>> 立ち向かう第三勢力を育てようと書かれていたのを実は密かに意識して書いてい
>> る部分が(笑)。
成程。確かに人類文明と人脈が総動員されてます。^^;
>> >ツグミさんの母方は、おフランスの血筋に遂に決定。^^v
>> 最初考えたのがカナダ人(出身はケベック州)。でも、アニメ版ジャンヌは町
>> 並みからも判るようにフランス風味が強いので、やはりそのままフランス人の血
>> 筋にするのが良いかと思いまして。
でもカナダ人というだけで自動的に半分フランス風味なのでは。^^;;;
>> ちなみにツグミさんの名前からすると、母上の国籍はやはり日本で、ツグミさ
>> んはクオーターかなという隠れ設定を密かに。ハーフなら、それっぽい名前にな
>> りそうな。
そうですね。四分の一くらいが雰囲気として丁度いい感じです。
>> らぶひなでもそうですが、小さい頃に何日か遊んだだけの子の顔をきちんと記
>> 憶している人の方が珍しいかも。…と言う訳で、都ちゃんの物覚えが良いのです。
>> …多分。
一度見た顔を忘れないのは警官として大切な素養ですね。(笑)
>> ただ、ツグミさんは特徴があるので、まろんちゃんの物覚えが悪いだけなの
>> か?
ちっちゃい頃のまろんちゃんにとっては都ちゃん以外は
その他大勢だったという可能性が極大です。^^;;;
>> >★神風・愛の劇場 第78話 『仮面』
>> 藤森氏が某所で指摘していた通り、ツグミさんが元気であれば妄想溢れたであ
>> ろうお風呂シーン。でも、大きなお人形さんと言った辺り、欲望(違)は完全に
>> 抑え切れていないまろんちゃん(違)。やはり隅々までちゃんと洗ったのでしょ
>> うね(笑)。
わざと書かない方が妄想が妄想を呼ぶんじゃないかと思ったもので。(爆)
>> ふと思いましたが、この過去はまろんちゃん以外は知らないと思うので、逆に
>> 都達から見ればまろんが心配し過ぎに見えるかも。
まろんちゃんがそれだけツグミさんの事を想っている事に関して
都ちゃんや稚空がヤキモチを焼いて…という風にまた盛り上がる訳ですね。^^;
>> それが判っているからこそ、悲しみを抑え自分が大丈夫だと言う事を証明して
>> 見せたツグミさん。
どの程度の事をやって見せれば納得させられるのか悩みました。
それで家の中で行う行為の中でそこそこに複雑なお菓子作りという事に。
実際にやってみたのはその"複雑さ加減"を知っておきたかったからです。
# それと一見間違いに見えそうなツッコミ所の確認と。(笑)
## 最近はオマケに片手で家事というのまで実践してますが。^^;
>> ★神風・愛の劇場第79話 『贖罪』
アニメ本編でもツーショット(違)が多かった二人がまた密会中。(大違)
ノインが何かにつけて隠れ家にやってくるのはミストの動向の
偵察も兼ねているのかも。
捜索隊の技術顧問に関して、まろんちゃんは何も気付かなかった模様。
レーザープリンタという代物が判らなかったんでしょうね。(笑)
# 多分、原物は見ているはずですけど。^^;;;;;
弥白様、稚空の頼みだからだけでなく、ちょっとの後ろ暗さから
色々と救けてくれた様子ですが、本人の思弁に依らずとも
純粋に親切心も含まれているのは判ります。弥白様はそういうお嬢さん。(断言)
立体写真とは稚空も意外に細かい事に気付きますね。
フィンとアクセスのレクリエーションは事件になっているらしい。^^;
そして三枝おぢさまはやっと思い出してもらえた様で。
全くんが何かの役を果たすとはちょっと意外かも。(笑)
で、最後はこうきますか。ノインの真意は何なのでしょう。
イカロスが死んだ事になって何かノインに得になる事とか、
或いは誰かの損になるのかなぁ。謎〜っ。^^;;;;;;;;;
それにミストに任せたと言ったのも何の事やら。
今回は何やら謎があって答は見えないというのが正直な所です。
# そういう時の続きは深く踏み込まない。^^;
# では、行きます。
★神風・愛の劇場 第80話 『不熟』
●桃栗町郊外・ツグミの家
夕暮れ時になった頃、全はお茶のお礼を言うと家路へと向かいました。
「また泊まっていけば?」
ツグミはそう尋ねましたが、
「今日はお父さんとご飯を食べます」
との返事。
そこでツグミはまろんと共に玄関先から、帰っていく全を見送ったのでした。
「もう杖を突いてないのね」
「この前、私が初めて会った時はもう使って無かったよ」
「杖仲間が減ってしまったか」
「成程、そういう関係だったのね」
「そうなの」
先日よりも更にしっかりした足取りの全は見る間に
姿が見えなくなってしまいました。
まろんがぽつりと言います。
「家、何処なんだろ」
「遠いみたいよ。詳しくは聞いてないけど」
「ふぅん…」
扉を閉めてリビングに戻った二人。
「さてさて、こちらも食事の準備をしましょうか」
間髪入れずにまろんが答えました。
「私がするから、ツグミさんは座っていて」
透かさずツグミが反論します。
「じゃ、こうしましょう。一人一品づつというのは?」
「…いいけど。それって勝負?」
「そういうつもりじゃ無いけど、勝負でもいいわよ」
「ではお題は」
「それは冷蔵庫を覗いてから」
そこで二人は揃って声を上げました。
「あ、空だわ、そろそろ」
「ごめ〜ん、帰りに何か買ってくるんだった」
「ま、何か出来るでしょ。残り物で」
「つまり残り物合戦と」
「そうね」
「誤魔化しなら勝機があるかな」
「その前に」
「何?」
「服、着替えたら?」
まろんはまだ学校の制服のままだったのでした。
●オルレアン
委員長と別れて帰ってきた都。1階でエレベータを待っている間に
稚空も帰って来ました。
「よ、今帰りか」
振り向きながら都は言います。
「あら、もう帰ってきちゃったの?」
「あぁ?何だそりゃ?」
「お熱い二人の邪魔しに行ってたんでしょ」
「そんなんじゃねぇよ」
「じゃ何?」
「別の用さ」
「そう…」
絶対に食い下がってくると思っていた稚空は、意外に早々と
引き下がった都に驚きました。よく見ると何か浮かない顔をしています。
エレベータに乗り込んでボタンを押してから稚空は聞きました。
「どうした都?」
「え、何?」
「何か元気無いな」
「そんな事ないけど」
「嘘つけ」
ふぅと小さな溜息をついてから都は言いました。
「優しいのね」
誰にでも…という言葉は飲み込みました。
「俺に出来る事があるなら言えよな」
その言い方に飲み込んだはずの言葉が聞こえたのかと思う都。
でも、そうじゃないよと自分に言い聞かせます。
「まだグレーなんだ。はっきりしたら相談に乗ってね」
「ああ、判った」
廊下で別れた稚空の姿が部屋に消えるのを見届けた後、
都はやはり聞いてもらうべきだったかと少し後悔しました。
自分の家の扉を開けて靴を脱いだとき、履き潰した靴が一足
目に留まります。リビングに入ると思った通りの人物が。
「あら、今日は何のお祝いだっけ」
「腹が減って死にそうになった記念日」
椅子に座っていた昴が読んでいた新聞から顔を上げずに答えました。
「たまにはこっちで御飯食べなさいって言ったのよ」
キッチンから桜がそう言っているのを聞きながら
都は自分の部屋に入りました。普段着に着替えてリビングに
戻ってみると、昴はTVを見ていました。向かい側に座って
同じように見るとも無くTVを見詰める都。
「おい」
いつのまにか昴はTVではなく都を見ていました。
「え?」
「何かあったのか」
「何かって?」
「都らしくないなって思ってさ」
思わず苦笑してしまう都でした。
「兄さんに心配されてしまうとは私もヤキが廻ったか」
「酷い言われ様だ」
どうも顔に出ていたままだったらしいと気付いた都でした。
今さら遅いとは思いましたが努めて普通の表情を見せようとします。
もっともそれが一番難しいのですが。
そしてふと浮かんだ考えが悪くない気がしてきました。
「ねぇ、ちょっといいかな」
「ん?」
「ここにある事実があるとします」
「何だよ、その事実って」
「とにかく、"ある事実"なの」
「で?」
「その事実はある人物Aにとって大変ショッキングな事実です。
その事実は今のところ人物Bしか知りません。
兄さんが人物Bだとして、その事を人物Aに教える?」
「条件が抽象的すぎる。人物Aにとって、その事実は重いのか?」
「とってもね」
「人物Bは人物Aの友達?」
「友達の友達だけど、今は直接の友達」
「つまり人物Aは、まろんちゃんの友達か」
「…何で判るのよ」
「都がまろんちゃん以外の誰かの話、した事あったっけ?」
思わず言葉に詰まる都。
「それで、どうなのよ」
「ずっと秘密にしてはおけない事か?」
「多分、いずれは判る事」
「時期を待つかな、僕なら」
「どのくらい?」
「それこそケースバイケース」
やれやれとでも言いたげな都に昴が言います。
「都にとって、その事実を黙っている事は苦痛?」
「それは…」
「伝えた後の相手の姿を見るのが嫌なのか、
それとも伝える役目そのものが嫌なのか自分で判っている?」
「…」
「自分だけが知っている事の何が苦しいのか、それが自分で判れば
黙っているべきか伝えるべきか、見えてくるのじゃないかな」
しばらく考えていた都は大きく頷くと言いました。
「ありがと。もう少し考えてみるよ」
「ああ」
「でも兄さんからそんな答が返ってくるなんて意外」
「伊達に毎日椅子に座っている訳じゃないさ」
いつのまにか部屋には温かな匂いが満ちていました。
●もう一つのオルレアン
ふとミストが顔を上げたときには、流石に同じことの繰り返しには
飽きたのか、アキコの姿は無く、ソファには黒い塊だけが横たわっていました。
部屋を見回すと丁度アキコが開け放したままの奥の扉から出ていく所です。
別に用も無いのでミストは黙って見ていました。
暫くすると再びアキコは姿を見せ、向こう側のソファの後を通り抜けて
キッチンの方へと歩いていきます。そして時々立ち止まっては足元を見ます。
ミストは座っていたソファの端に移り、身体を傾けてアキコの
足元を覗き込みました。形のはっきりしない黒い靄がそこに在ります。
それはアキコの後を着かず離れずに移動していました。
「ハハッ」
短く乾いた笑い声を上げると、ミストは二つの黒い塊を交互に見比べました。
「元の買い主に似て落ち着きの無い魂だな」
ミストの声が聞こえたのか、キッチンから戻ってきたアキコは
リビングの入り口に立ってこちらを見詰めていました。
「家の中を連れ歩いても面白くなかろう?」
微かに目をふせるアキコ。
「そいつを連れて外に散歩にでも行ってこい」
アキコが何かを握る様な仕草をしたのを見て、
ミストは彼女が何を言いたいのか判った気がしました。
「紐は付いている。これとの間にな」
ミストはそう言ってソファに横たわっている方の
黒い塊を指差しました。
「だから気にしなくても迷子にはならん」
アキコは暫くはじっと動きませんでしたが、やがて小さく頷いてから
窓の方へと歩いていき、そして窓ガラスの辺りでふっと姿を消しました。
同時に黒い靄も居なくなり、部屋の中で動く者は最早何も在りませんでした。
(第80話・完)
# あんまり台詞付きでは出ない人物を書いてみました。(笑)
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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