SM公開講座 「壁の向こう側」

§4  波




落ちる、壊れる、爆発する。


何がどう違うのかはわかる人にはわかると思うのですが、表現の違いではなく

それぞれに微妙な違いがあるものの、それらはM女性の持つ特質のひとつで

あるということです。


ゆっくりとだったり、突然にだったり。

理由があったりなかったり、キッカケがあったりなかったり。

自己嫌悪、自己否定、自虐本能、自己防衛。


そんな繰り返しは嫌だと思っても自分でなんとかできるくらいなら苦しむわけなど

ありませんよね。

とはいうものの奴隷になれたからといって、落ちなくなったり壊れなくなったり爆発

しなくなったりするというものではありません。

ご主人様がいらっしゃるというだけでは、どうにかなるものではないということなの

です。 いえ、ご主人様の奴隷にしていただいたからこそ起こることだって少なくは

ないのです。


ご主人様の方から見ると、奴隷をしっかりと支配していくためにはこれらをどうして

いくのかがご主人様の役目であり、これらにどう対処できるのかが飼い主である

ご主人様としての資質の問われるところなのです。


落ちるのが悪いことでもなければいけないことでもなく、ご主人様が見守っている

からこそ落ちてもいいのだと教えることができるというのはそうそう簡単なことで

はないのですから。


「落ちるなら勝手に落ちてなさい」 とか 「うるさいから自分で何とかしなさい」 と

いう方はこの先をお読みになる必要はありません。

また、「そのくらいのことは百も承知だし、ちゃんと対処してあげる自信もあります」

という方もこの先をお読みになる必要はありません。







浜辺に打ちよせる波はいつも同じではありません。


やさしい波もあれば荒れ狂うように押しよせる波もあります。

でも、まったく波のない日はありませんよね。


波があるのは生きている証拠なのです。

だから波のあるのはごく自然なこと。


波が穏やかでなくなることは悪いことでもいけないことでもありません。

たとえ大きな波が押し寄せたとしても、かならずご主人様が穏やかな波に戻して

くれるのです。

いつものすてきな笑顔でいられるように (^^)


ただし、そうしてあげるためにはご主人様に波を打ち消すだけの力がなければ

なりません。

間違わないでいただきたいのは、ちょっと波があるからといってなんでもかんでも

静めてしまうのではないということです。

波の大きさや波の質をしっかりと見極めなければなりません。

その波がどのくらいの大きさになったら穏やかな波に戻してあげるかを判断する

必要もあります。

すぐに戻してもいいこともあれば、少しだけそのままにしておくことが必要なこと

だってあります。

時には大波を全身で受け止める防波堤にならなければならないこともあるでしょう。

どんなに大きな波がきても穏やかな波に戻してあげることができるということが、

ご主人様への信頼をより大きくするために必要なことなのです。

そして、「波はあってもいいのだ」 ということを、奴隷に教えてあげることができる

ご主人様になっていただきたいのです。



波があるのは生きている証拠です。

大きくても小さくても波はあってもいいのです。

たとえ大きな波が押しよせたとしてもご主人様がいるから大丈夫。

そんなご主人様をめざしていただきたいと思います。




ご主人様なのですから大きな波に呑み込まれて溺れたりしないように

ちゃんと泳げるように訓練しておかなければなりません。

え 任せておけって?


あの・・・ それ、奴隷さん用の浮き輪なんですけど ^◇^;