ご主人様初級講座

§1 奴隷の見分け方



 もしあなたの目の前に100人のM女性がいたとしたら、そのうちの一人ぐらいは自分

の奴隷にすることができるだろうなんて甘いことを考えていませんか?

奴隷にするんだからM女性に選ぶ権利などなく、あくまでも選ぶ権利は自分の方に

ある。

もちろん正論ですが、実際はそうはいきませんよね。

お互いがSでありMであることを知った上であなたを受け入れてもらえなければ主従

関係が成立しないのが現実です。


そこで、あなたを受け入れてくれるM女性、つまりあなたの奴隷になるM女性を見分け

る方法について考えてみましょう。

ここで勘違いして欲しくないのは、自分はこういうプレイが好きだからそれを望んでいる

M女性を探すというのではなく、あなた流の「支配」を受け入れることができるM女性を

見分けることを目的としていることです。

プレイの嗜好を否定するわけではありませんが、それはそれとして「支配」の実践とい

う立場で考えてみます。


さて、結論から先にいうと、あなたの奴隷を見分けるということは、あなたをM女性に

受け入れさせる方法であることなのです。

もう一言いえば、無理矢理に受け入れざるを得ないようにするのではなく、素直に受け

入れることができるようにするにはどうしたらいいのかということです。

たとえ未完成であっても「支配」をめざしたいという意志があれば、それは自ずと態度

に現れてきます。

そして、たとえ「服従」に目覚めていなくてもその資質があるM女性なら、それを本能的

に感じ取ることができるはずです。

「SMというのは信頼関係が大切なんだよね。もちろん信頼関係は愛情が伴わなけれ

ば生まれないのさ。」

なんて、どっかで聞いた言葉をそのまま言ってみたところで、所詮付け焼き刃ではすぐ

に刃こぼれしてしまいますよ。

SM公開講座をよ〜く復習して、あなた流の「支配」を見つけてください。

Sとして、主従関係というものをどのように考えているか、奴隷をどのように育てていき

たいのか、あなたなりのSM観をしっかりと持っていれば、ただでさえ少ないチャンス

を無駄にしないで済むのではないでしょうか。

あなたの奴隷になるべきM女性を見分けるということは、あなたという人物を自分が

仕えるべきご主人様として見分けさせることなのです。


M女性との出会いのチャンスを作る方法にお悩みの方はとても多いと思います。

SM系の伝言やツーショット、パソコン通信やインターネット、パーティやサロン、マニア

倶楽部などの専門誌、他にもいろいろとあるとは思いますが、それなりにチャンスは

あるはずです。

たとえばインターネットのあちこちにある掲示板や伝言板に片っ端から載せても全然

返事がこないと嘆いている人もいるでしょうが、そんなあなたにひとつだけアドバイス

させてください。

もちろんそういうところをご覧になる女性がすべてMであるとは限りませんが間違いなく

S男性との出会いを求めている方はいらっしゃいます。

そんなM女性からメールを貰うためには、前述のしっかりしたSM観はもちろん必要

ですが、あなたをアピールするだけではなくぜひM女性の立場に立って考えてあげて

欲しいのです。

どんなに支配を望んでいてもM女性が踏み出すためには「怖さ」があります。

これについては奴隷実践講座で詳しく述べることにしますが、経験のあるなしに関わ

らずこの「怖さ」が消え去ることはありません。

あなたの「支配」にたいする姿勢とともに、M女性の立場に立って「怖さ」を和らげてあ

げる気持ちを表せば、たとえどんな場所であってもいつかは必ずチャンスがくるはず

です。

その時がくる前にぜひあなた自身を磨いてください。



奴隷を見分ける上で、もう一つ注意すべき点があります。

M女性の中には、ある特定のプレイは好きだけどそれ以外はいやだとか、このプレイ

だけはできないと平気でおっしゃる方がいます。

それもほとんど経験がないに等しいのにです。

このように思いきり勘違いしているにも関わらず、私はMですとおっしゃるような女性は

「支配」をめざすあなたには無縁の存在だと思ってください。

いままでの講義を受けて、こういう気持ちも聞き入れてあげる必要があるのではと思

われるかもしれませんが、それは違うのです。

たとえ過去の経験の上での言葉だとしても、何をするかを決めるのはご主人様である

あなたです。

たとえ同じことをするにしても、あなた流の方法であなた自身の手で行えば違った結

果が得られるかもしれません。

それでもどうしても受け入れられないようであれば調教のメニューから外すまでのこと

なのです。

そういう経験をしていくことでお互いの関係が深まっていくのだと思ってください。

また逆に、私はこういうプレイが好きなのでそういうことに興味のある人を探していま

す、というのは「支配」をめざすあなたにはそぐわない態度でしょう。

もちろんあなたにも好きなプレイがあるでしょうし、知り合ったM女性から、どんなプレ

イがお好きですか? というような質問をされるかもしれません。

でも、それはこれからだんだんと主従関係を深めていく過程で、M女性の気持ちや

反応を見定めながらあなた自身が決めていくことなのです。

けして、いままでの経験を自慢するかのごとく、こんなプレイやあんなプレイが好き

だなんて軽薄な態度は慎んでいただきたいものです。