オオコウモリってどんな生き物?


 普通の小型コウモリ−小翼手類は、超音波を使ってエコーロケーションするために顔にパラボラアンテナをくっつけているようなもので、大きな耳やつぶれたような顔をしているのが多くあまりかわいくないのもいます。ところがオオコウモリは夜間に有視界飛行をするので目が大きく、お腹も背中も丸っこいシルエットをしていて、ふさふさした毛皮に包まれ、ぬいぐるみのような雰囲気をもっています。ぶらさがっているときは20cmちょっと、翼を広げると90cmくらいにもなります。
 熱帯から亜熱帯にかけての暖かいところに分布していて、口永良部島のような北限のオオコウモリの場合は冬季若干活動がにぶることはありますが冬眠はしません。 
コウモリの翼は、腕と足の間と長い指の骨の間に皮膜ができたものです。オオコウモリの場合は、この翼に第一指と第二指があります。親指には「?型」をした大きなかぎ爪があり、果実や葉を食べるときに枝を引き寄せたり果実を抱え込んだりするのに使います。
 オオコウモリは人間にも聞こえる声をよく出します。二頭が接近すると翼ではたきあったりしながら騒ぎ出します。キーキーとかキャキャキャなどサルの群れが興奮してざわついている時の声に似ていて、何頭もいると騒がしくなります。
 食べ物は果実が中心です。果実を口の中に入れ、よく噛んでジュースだけ飲み込み、口の中に残ったかすは吐き捨てます。したがってフンも液体状になります。鳥のフンにも似てますが、鳥の場合は白い尿酸の結晶が混じるので区別できます。小さな種子はオオコウモリの体の中を通過してフンの中に出てくるし、コバテイシやフクギのよな大きな実はくわえて飛んでいくことがあるので、種子の散布に一役かっているといっていいでしょう。 またリュウゼツランの花の蜜をなめたりビロウやフクギの花を食べることもあるので花粉の媒介者になることもあります。 果実の少ない季節にはガジュマルやアコウ、マルバグミなどの葉も食べています。 オオコウモリは匂いをたよりに食べ物を探しているといわれています。熱帯の果実や夜咲く花が強い匂いを出すのも、オオコウモリを惹きつけるためだそうです。
 オオコウモリは超音波の反響でものを見るわけではないので、優秀な目をもっています。しかし、ほんとうに真っ暗な世界では見ることができません。だから月や星の明るい夜や人家の明かりの近くが好きです。昼間も洞窟には入らず屋外で木にぶら下がって寝ています。昼間飛ぶこともあります。

 オオコウモリの生活についてはよくわかっていません。ダイトウオオコウモリは11月から12月に交尾するといわれていますが、年末年始に訪れたときに交尾シーズンまっさかりだったこともあります。出産は5月から6月ころのようです。ねぐらは毎日一定の場所とは限らず、一頭一頭ばらばらに、あるいは数頭で寝ていることが多いようですが、集団のねぐらになることもあるようです。父島のオガサワラオオコウモリは1月から4月にかけて集団でねぐらをつくり、かなり強い定着性があるといいます。 一日の生活は日暮れから始まります。日が沈み、しかしまだ空に明るさの残っている時間帯からねぐらのあたりで声が聞こえ始め、日没後30分くらいで続々と餌場に集まってきます。それから2・3時間は餌を食べたり鳴きながら追いかけっこをしたり活発に活動します。夜遅くなるにつれ少しずつバラバラになって休息する個体も増えてき、日の出の1時間くらい前からねぐらに戻り始めて日が昇るころには眠りにつきます。ただし曇っている日などには完全に夜が明けてもなかなか帰らないこともあります。