H-II 008号機打上げ見学

南国〜なんごく〜〜〜な気分だよなぁ。 宇宙開発展示館ロビーからの風景
 ひょんな事から、なんとあのSF作家である笹本先生らとH-IIロケット打上げ取材に出掛けたDr.キッチュ!
こんどの取材先は鉄砲伝来の地、南国 種子島である!
 すでに情報通の諸兄はご存じであると思われるが、今回の打上げは、8月初頭の打上げ延期を受けた計画であった。  しかしながら、パージ用窒素ラインの配管ミス、衛星フェアリングへの傷、燃料水素洩れおよび燃料液面センサの 異常により、またしても発射延期を余儀なくされてしまった。
 だが、取材としては多数の写真を撮影できたので、ここに公開してみよう。エヴァの心象風景とも言える 種子島宇宙センターのヒミツが今目の前に!
(今回は速報的に公開するため、不定期に内容が変わることをあらかじめ宣言しておきます)
おおざっぱな経緯


プレスルームの机・宇宙作家クラブという貼り紙が。
左は笹本先生


 発端は、不気味社・寺西社主がらの「種子島へロケット打上げ見学にいきませんか」というメールだった。

 この所、いろいろと人生思案しているワシは、このお誘いに矢も盾もたまらず便乗してしまった。くぅ、軽いなぁ
 そう言う訳で、詳細は省くが、今回の種子島取材は笹本先生とまどか氏夫妻、学研の編集者(あさり先生担当)とワシというメンバーになった。
(本当は、あさり先生とそうま先生も参加される予定だったが、締切関係で今回は不参加になり、代わりに学研の編集の人が参加することになった)
 しかも、取材は「宇宙作家クラブ」という団体名での参加と・・・いったいこの状況にはどのような裏事情があったんだろうか?

 とにかく、ワシは9/9に種子島上陸し、まどか氏夫妻に合流、9/10に笹本先生と学研編集に合流し、9/10の発射取材に乗込んだ!

 取材は、午後3時頃の打上げ前ブリーフィングに始まり、射場見学・組立棟見学と順調に推移した。


組立棟から望む発射塔

組立棟屋上での取材陣

そして一旦、西之表に借りている民宿に戻り食事・仮眠を行ない、午前2時にプレスツアーのため民宿を出発、現地での取材に参加した。
「さぁ、ここで写真が撮れるぞ」と脹らむ希望に足取りも軽かったワシらじゃったが、それを無惨にうちくだく「ツアー中止」の悲報。

 何が起ったのか? じつは、衛星への電力・空調を提供しているアンビリカルケーブルというケーブルを、 衛星フェアリングに取付けているアンビリカルキャリアが脱落し、フェアリング外装を破損させたとのこと。
原因はなんとクリーニング用パージラインとアンビリカルキャリア切り離し用ラインのパイプ接続ミスだった。

 なんかイヤーンな展開で始った打上げであるが、1号からすべての打上げ取材に参加している笹本先生によれば 「よくあること」だそうである。ほぼ予定とおりの打上げは過去1回ぐらいであり、ほとんどが何らかのトラブルに 見舞われているそうである。

 「すわ、持久戦か?」との恐れもあったが、9/12には再発射できるとの事で、我々も2日待つ事にした。

 翌日の9/11は、この機会にという事でまどか夫妻と島巡りの旅へ。途中、海岸では子供の漂流騒ぎもあり、地元駐在も繰出して 色々あった一日であった。あさり先生の双眼鏡も、○○○だけでなく救命活動にも役に立ったという訳である。

 ついで運命の9/12日。夜間のプレスツアーも順調に推移していた。
 H-II 008は、すでに大型ロケット発射塔に設置されているのだが、風雨を防ぐために直前まで建物の外壁が覆っている。 これを開いて発射可能状態にするのが、「PST開放」作業とよばれるもので、これを組立棟の上から取材することができる。
しずしずと開く左右のPST旋回部。実物大のサンダーバード秘密基地ですな、これは。 回りにはヤシの木もあるし。
 順調に開いていたPSTだが、ここでトラブル。 なんと、アンビリカルケーブルワイヤのテンションが強すぎるとか。 これは、それまで開いていたPSTが急に閉じはじめた事で気が付いた。

「なんだよまた延期かよ」

と、プレスの誰もがイヤーンな気分になったが、やがて再びPSTは開き始めた。「おぉー」と、プレスに安堵の息がつかれた のは言うまでもない。

 しかし、朝焼けの空に浮び上がる発射塔とH-IIロケットの勇姿は感動モノであるのぉ!

 ところがその後の発表にあるように、午前11:30頃燃料供給系の水素もれ検知、12:45頃のLH2液面センサ異常により、 H-IIロケットはその噴煙と咆哮を上げる事なく、種子島の射場に虚ろに立尽くすのみであった・・・

 こんな訳で、今回の取材ではロケットが白煙を上げて上昇するさまは見ることができなかったが、色々と貴重な 経験を得ることができた。では、とりあえず取材した写真だけでも堪能してくれたまえ!


竹崎観望台からのH-IIロケット飛行の様子(推定) IPIX使用


IPIXプラグインのインストールはここから


組立棟と第3ロケット移動発射台


組立棟内部1


組立棟内部2


PST開放状態のH-II 008


組立棟


竹崎観望台から望む
H-II 008



秘密のベストポジションから望むH-II発射塔


種子島にあるマングローブの仲間。
道を挟んだ反対側が水田というのも
種子島ならでは。



増田宇宙通信所のパラボラアンテナ。
ヤシと積乱雲が南の島をイイ感じに演出している。



プレスルームの様子。さすが、天下のN○Kの衛星パワーは凄い。


ブロックハウスの様子。ここから発射管制を行う。


では、とりあえずこんな所で。
← 研究室へ戻る

つきなみCOMICS H-II 008
Dr.Kitsch presents. All Rights Reserved.
画像・情報の著作権は放棄しません。 営利目的の画像配布は禁じます。
ご意見・感想はこちらまで -> e-mail : dr_kitsch@muf.biglobe.ne.jp