おかめうどんには、蒲鉾がはいっています。
というわけで、皆さん蒲鉾を思い浮かべてください。飛行機も鳥もコウモリも翼の断面図は蒲鉾のように上に盛り上がった形をしています。こういった形のものに風が当たると、翼の上を流れる空気の速度が下を流れる空気よりも速くなります。流れる空気の速度が早まると、それだけ翼を抑える力が低くなるので、翼は上に持ちあがります。
更に翼は空気の流れに対して、多少角度(迎え角)を持って向けられています。極端に書くと下のようになります。実際はこの角度は10度以下ですが。
→ \ (これだと迎え角45度になっちゃいますが実際はもっと小さな角度です)
このようにすると、翼が空気の流れを押し下げることになるので、翼の進行方向に対して、垂直な方向に揚力が生じます。翼の第5指と胴体の間の体側膜は主にこの揚力を生じさせる働きがあります。
ムササビのように滑空する場合はいきおいよく飛び出すと、重力で落下しながら進むことになるので、翼に対して斜めの空気の流れが出来てゆっくり高度を下げながら遠くまで進むことができますが、コウモリは翼をはばたくことによって前進する力を得ています。翼の第2指から第5指の間の手膜がこの前方への推力を生じさせています。片方の翼を折り畳むと方向転換をすることができます。
コウモリが前進しようとすると空気の抵抗で抗力が生じてこれを阻みます。揚力も抗力も翼面積に比例し、飛翔速度の2乗に比例しますが、さらに翼の形によってさまざまに異なります。
たとえば翼は上に膨らんだ形をしていますが、この膨らみ(キャンバー)を大きくすると揚力が大きくなるので、低速で飛んでも墜落せずにすみます。コウモリはゆっくり飛ぶときに第5指(小指)を使ってキャンバーを大きくしています。ちょうど飛行機が着陸するときに翼の前後にフラップを降ろすようなものです。(あれは翼面積を広げる意味もあるかと思うが)また親指と第2指(人差し指)を下げれば、前縁フラップも降ろすことができます。ただし抗力も大きくなりますから高速で飛ぶときは不要です。一般的にゆっくりと飛ぶけれど方向転換が得意なコウモリは翼の前後の幅が広くキャンバーを変え易くなっています。