コウモリは母親だけが子育てをします。オオコウモリの子どもは、お母さんの胸にしがみつい夜の採餌に一緒に行くのですが、これは飛びながら虫を捕まえるのには向いていませんので、小コウモリの場合は子どもをねぐらに残していくことが多いようです。
哺育コロニーをつくるような種では、お母さんは採餌から返ってくると子どもに超音波で呼びかけ、子どもも応答します。お互いの声がわかるようです。「おかあさーん」って超音波でなんて呼ぶのかな。
肉食のコウモリは授乳期の最後の頃には、親が獲物を持ち帰って子どもに食べさせることが知られています。まるでワシタカか肉食獣ですね。昆虫食のものでは昆虫を子どもに持って帰る種も報告があります。ナミチスイコウモリは、血を吐き戻して与えます。
飛べるようになれば母親について採餌に出かけます。母親に影のように寄り添って飛び、方向転換や旋回をすべてまねして、餌を取る瞬間に出すバズという反復頻度の高いパルスもそっくり真似るとか。なんとなく楽しいですね。
ところでオスが哺育コロニーに一緒にいることもあるのですが、子育てには全然かかわりません。ただウスイロオオヘラコウモリのオスは、背中に寝ている子をくっつけているのが見られることがあるようです。コウモリのおんぶですね。ねんねこでも貸したげましょう。