良い子は朝ちゃんと起きて学校に行って、勉強スポーツに励み、帰宅したら予習復習してから早めに寝ましょう・・・というのを基本的生活習慣と言いますが、最近はこういった生活リズムができていない生徒の比率が増えているような気がします。もともと多くの動物には内因的な概日リズム(circadian
rhythm)がありますが、ぴったり24時間ではなくて、光周期によって修正されています。
ユビナガコウモリの研究例では、ねぐらの洞窟から出る1−2時間前にはいちだんと騒がしくなり、洞窟での飛翔行動も見られます。つまり体温が上昇してトーパーから目覚めているわけですね。出洞開始の1-3分前には照度探知行動と呼ばれる旋回飛翔も見られ、これで内因的なリズムを光周期や日の入り時刻の季節的変化に同調させているようです。夜間の採餌活動については後の章にまた出てきますが、明け方には帰ってきて再びトーパーに入ります。
しかし冬になって外遊び(?)をしなくなるとこの体内時計は自由に動くようになり夜が近づいたから覚醒するということがなくなります。春になって外で採餌するようになれば、再び外界と同調するようになるわけです。