6章 衣食住
   9 コウモリは小型動物を食べる

小型の脊椎動物(他のコウモリ、小型の齧歯類、鳥、トカゲ、カエル)を餌とする肉食性コウモリはたった10種しかいません。もともと肉食は昆虫食から進化したもので、今でもこういったコウモリは虫もたくさん食べています。最大の小コウモリとしてあげたチスイコウモリモドキやオーストラリアオオアラコウモリのように、小コウモリの中でも大型のもの(体重20g以上)ばかりです。猛禽類のように単独で狩りをします。チスイコウモリモドキは主に鳥を捕りますが、2−3日に一度、75gの鳥を捕れば十分なようです。獲物のエネルギーが大きいからでしょう。獲物をねぐらに持ち帰ることもあるようですが、ひょっとしたらメスや子どもにあげているのかもしれませんね。

このなかで更に特殊化したのが魚食です。(漁色じゃないよ)魚を捕るコウモリは、大きな脚と長いかぎ爪をもち、水面近くの魚を引っかけます。脚を水に入れたまま水面近くを飛んで、ひっかかった魚を捕るトロール漁のようなこともしますが、もともとこういう昆虫のとりかたがあってそこから進化したようです。魚食をするコウモリは何種かいますが、ウオクイコウモリは前にも述べたように、膜を前方にたためるなど、特にこの採餌方法に適応しています。

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