温帯ではヒナコウモリ科のヤマコウモリやホオヒゲコウモリなどが樹洞棲で、哺育にも冬眠にも年間を通して木のうろを使っています。しかし寒い地方のものは、冬は暖かい地方へと渡りをすることもあります。
熱帯の樹木には木の内部が朽ちて大きな樹洞ができたものが多く、温度も湿度も安定していて、大きなコロニーができたり、複数の種がひとつの樹洞でコロニーを作っていることもあります。アフリカのバオバブの木は、絵本にもよくでてくる、ずんぐりしたユーモラスな姿をしていますが、さぞ立派な樹洞になるのでしょうね。大型で肉食性のアラコウモリ科の仲間がコロニーをつくって棲みつきます。
熱帯では土壌中の有機物の分解が早くて貧栄養になるので、木々はわざと空洞をつくりコウモリ他の動物が住みつきやすくして、その糞から窒素やミネラルをもらうように適応している、という説もあります。