7章 コウモリの立場
   2 オオコウモリの飛ぶ島

どっかで聞いたようなタイトルだ・・・

太平洋には大陸と一度もくっついたことがない海洋島がたくさんあります。そういった島では在来の哺乳類はコウモリだけなのが普通です。たとえば北マリアナ自治領(サイパンとか)の島々はオオコウモリ2種、ハワイもオオコウモリ1種、ニュージーランドは小コウモリ2種だけが在来の哺乳類です。つまり翼のある祖先しかたどりつけなかったんでしょう。

島の面積が大きくなればコウモリの種数が増えるという傾向があります。広ければ生息面積も増えるし環境も多様になるからでしょう。また、その島自体の面積は広くなくても、すぐ近くにコウモリの多い大きな島があれば種数は多めになります。ということで移住と島に渡ってからの進化によって太平洋の島々に現在のようにコウモリが分布しているのでしょう。

日本でもわりと最近まで沖縄の宮古島ではクビワオオコウモリは非常にまれで、どこかからか嵐で飛ばされてきたと考えられていたのですが、最近は定着したようです。一番近いオオコウモリ生息地、多良間島から70キロ離れています。

オオコウモリは食べ物を求めて結構何十キロも日常的に飛ぶものもいるようですから、島づたいに分布を広げるてもそれほどおかしくないでしょう。しかしなぜ屋久島は嫌いなのかなあ・・・。

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