1章 ア・ラ・コウモリ 
   7 新世界より

 ヘラコウモリ上科は実に多趣多様なコウモリです。分布はアメリカ大陸とニュージーランドだけで、日本にはいません。
 
 ツギホコウモリ科はツギホコウモリ1種だけでニュージーランドに生息します。(オオツギホコウモリというのがいたのですが、絶滅したようです。)このコウモリはなんと地上生活に適応したへんてこなやつで、翼の柔らかい部分はたたんでしまえるように脇腹に皮膚でできたポーチをもっています。つまりコウモリ傘の傘袋ですね。足も短くて頑丈で、自分で穴を掘ったり海鳥の巣穴に入りこんで虫を探します。花粉や花蜜、果実も食べます。倒木に穴を掘って200頭もの個体がさやの中の豆のように一列に並んでねぐらをとることがあるそうです。
コンナカンジカナ    ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
想像しただけで楽しいですね。ちなみにこの時自分たちの体温でねぐらは摂氏39度にもなるそうです。

 この他の3科はアメリカ大陸に生息しています。

 ウオクイコウモリ科には2種いますが、ウオクイコウモリはミサゴのように足で水面の魚を捕まえて食べます。そのために足は長く足指も大きく、魚をひっかけるためのかぎ爪が発達しています。尾膜は魚を獲る時は水をすくってしまわないように、持ちあげています。どじょうすくいはやらないんですね。ミナミウオクイコウモリは小型なので水面の虫を獲っています。

 クチビルコウモリ科は下唇の上に平たい蓋のような突起物があって下唇がつきだしているように見えます。鼻葉のように超音波を収束するか、昆虫をじょうごのようにして集めるためだろうといわれていますがホントカナア。
 ヘラコウモリ科はあまりにも多様なので、もう一つ続きます。

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