流浪の民



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スロバキア コシツェ ルーニクIX

シューマンの「流浪の民」を合唱した人は多いと思う。原題は「ロマの生活」。 流浪の民とはロマという民族のこと、かつてはジブシーという差別用語で 呼ばれていた。10世紀頃に北インドを出て放浪しながら生きてきた民族で、 現在、欧州全域に1200万人ほど存在してるといわれる。フラメンコはロマの旅芸人が 奏でる音楽と南スペインの民族音楽が融合したもので、ビゼーのカルメン、 サラサーテのツゴイネルワイゼン等々、欧州の文化に少なからず影響を与えてるが、 他方、とんでもない差別を受けて来た歴史がある。 そもそも定住しないのが差別により住む場所も仕事も与えられないからで、 結果、盗みを生業にするロマ人が多くなり、それに罪悪感を持たず、かつ働こうとも しないものだからまた差別されてしまうの繰り返し。日本人旅行者の財布を盗むのも 髪が黒ければ大概はロマ人。ナチスドイツはロマ人を劣等民族として差別し、 アウシュビッツにはユダヤ人だけでなくロマ人も送られ、虐殺による被害者は 50万人とも言われている。現在ではローマ法王がロマ人に差別を謝罪したりもしている のだが、実社会では根が深過ぎてどうにもならんというのが現実らしい。 その様子をストリートビューで垣間見れる場所がある。スロバキアのコシツェという町。 芸術文化都市だというのに町外れにルーニクIXというロマ人が集まった地区がある。 6階建てのビルってところがアジアのスラムと異なるがよく見りゃゴミだらけ。 この廃墟に職を持たない8000人ものロマ人が住んでいるというのだ。 もっとしっかりと見たければ「コシツェ ルーニクIX」でググるべし。


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