ロープウェー通勤



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Acevedo メデジン コンロンビア

住宅街の上を行くロープウェー。乗客は地元の住民だ。 コロンビア三大都市のひとつメデジンはメデジン川が中央に流れその両側の山に向かって傾斜地が続く盆地。 住宅は山の斜面に沿って広がっている。川沿いにはメトロという鉄道が敷かれ、その駅から山沿いの住宅地までメトロの切符のまま乗れるロープウェーが張られている。 住宅地というと聞こえが良いが、実際はコムラと呼ばれるスラム街。金持ちは便利な平地に住んでいる、傾斜地に住んでいるのは他の南米の都市同様、 地方から流入してきた低所得者だ。山の方に行くとバラック同然の家並みが続き、ストリートビューも立ち入っていない。 2枚目の埋め込み画像はロープウェーの終点周辺で探したスラムの様子がわかる場所。 なぜスラムなんぞにロープウェーを通しているのか。住民全員が本気で通勤に使用しようものならロープウェーじゃ輸送力が足りないわな〜。 これ実は住民の疎外感を緩和するための治安対策なのだそうだ。 コロンビアといえばかつては麻薬密売組織と反政府ゲリラが活動する怖い国と知られた。メデジンは麻薬王パブロエスコバルの故郷であり、 国際的な麻薬組織メデジンカルテルの本拠地だった。近年は国による暴力掃討作戦が徐々に成果をあげ、 観光客を受け入れられる程度にまで治安が回復している。もともと石油や鉱物資源、コーヒーなどの輸出で南米3位の経済力を持つ国。 治安が良くなればインフラの整備も進む。しかし、国の経済は順調でも一次産品に頼る経済のため、貧富の差は未だに激しいものがある。 こうした交通機関整備はそうした社会を穏やかにするための施策のひとつらしい。ロープウェーがある場所とは別のスラムには なんと屋外エスカレーターが設置されている。その様子もストリートビューで見ることが出来るが、見られるのは エスカレーター部分だけ。スラムには入れない。 まあしかし、スラム地区をまるごとぶっ壊す国はよくあるが、 そこにエスカレーターを建設するって発想は凄い。これらの実績で、メデジン市はウォールストリートジャーナルと シティグループが実施した2013年最も革新的な都市コンテストで堂々1位に選ばれている。




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