阪口夕山  2011年6月21日(火)19:00〜
演奏曲目 作曲・編曲者 演奏者(敬称略)
1. 鈴慕 松厳軒所傳古典本曲 (二尺七寸管尺八)阪口夕山
2. 獅子 根笹派錦風流 (二尺一寸管尺八)阪口夕山
3. 本曲 峰の月 流祖中尾都山 (一尺八寸管尺八)阪口夕山
4. ひとみ 堀井小二朗 (一尺六寸管尺八)阪口夕山
5. 片足鳥居の映像 佐藤敏直 (一尺六寸管・一尺八寸管)
阪口夕山
and...お楽しみ曲
【鈴慕】
同名の曲が沢山ありますが、今回は松厳軒の物です。虚無僧が托鉢するときに鈴を鳴らしながら回ったことから、『鈴慕』という名前になったそうです。本来音楽とは異なり読経に当たります。情感豊かな曲で、江戸時代に遊郭近辺で虚無僧がこの曲を演奏すると、遊女の自殺が増えたと言った逸話もあるそうです。
【獅子】
十数曲しかない根笹派の曲です。武士の嗜みで尺八演奏した津軽藩士が伝わった物です。先程の鈴慕は『底ユリ』を使用して演奏しましたが、この獅子は『こみ吹き』と言ったテクニックが使われています。この『獅子』は『文殊の曲』とも言われお目出度い曲だそうです。
【峰の月】
江戸時代、一般人は尺八を演奏することが出来ませんでした。明治に入り、流祖中尾都山先生が都山流を開き、その辺りから大きく広まりました。
キ山流では中尾都山先生が作曲された尺八曲は本曲と呼ばれています。分類としたら古典曲に入ります。
この『峰の月』は昭和21年に作曲され、『石清水』『慷月調』『残月』といった明治時代に作曲された本曲とはまた違った趣があります。
【ひとみ】
映画『二十四の瞳』の挿入歌として作曲された短い曲です。ローマの映画祭に出展時には挿入されていましたが、国内公開時にはカットされていたそうです。
【片足鳥居の鳥居】
宮田耕八朗先生が佐藤敏直先生に委嘱されました。阪口先生が二十歳の頃から吹き続けている思い深い曲だそうです。四楽章から出来ていて、第四楽章がレクイエム的に演奏されます。
次回
邦楽さろん『阪口夕山〜ソロたっぷり其の6〜』
12月2日(金)6時30分開場・7時開演
沢山のお運びお待ち申し上げています。