上方文化評論家『福井栄一』・地歌演奏家『菊聖公一』
楽しいお話と地歌の会〜日本は花の王国〜
  2011年03月26日(土)14:00〜
1. けしの花 (1)語源は?
(2)何処から渡来したの?
(3)何がとれるの?
(4)奈良人形って?
  (菊岡検校作曲松崎検校箏手付・後楽園四明居作詞) (三絃)菊聖公一(尺八)藤原道山(箏)中萩あす香 
2. 萩の露 (1)語源は?
(2)秋の七草、言えますか?
(3)萩の名所と言えば?
  (幾山検校作曲・八重崎検校箏手付) (三絃)菊聖公一(尺八)藤原道山(箏)中萩あす香 
3. 躑躅(つつじ) (1)語源は?
(2)躑躅って、本来は何と読むの?
(3)県の花、市の花
   (佐山検校作曲) (三絃)菊聖公一(尺八)藤原道山(箏)中萩あす香 
【けしの花】
花粉症重症の福井先生の解説。
『芥子』の語源は芥子の花は白く、『開け白し(ヒラ
シロ)』から『ケシ』と名付いたそうです。
後に出てくる『萩』『躑躅』の語源も無理矢理っぽいですが、この『ケシ』も無理強いな面もあります。
西アジア発祥、ロシア経由で津軽地方に伝来し、そこから日本全国に広がりました。
芥子はご存じのアヘンの原材料で、隠語で『津軽』とも呼ばれていました。
『けしの花』は清楚で美しい芥子の花と女性のたわやかさを重ね合わせた曲です。
曲中で『奈良人形』が出てきますが、余り知られていません。
平安時代の頃、奈良の春日大社の祭りの山車に飾る人形で、杉の木を一刀彫りで造った物です。
今回も恒例のお土産があり、『ポピーシード(芥子の実)』でした。   お土産その2は『ひなげしの花の種』です。
 【けしの花】
【萩の露】
『萩』語源は先程の『芥子』より明快で、萩の木は葉っぱが多い樹木だったので『葉木』と呼ばれていたので、
『萩』となったそうです。この『萩』文字は
漢字ではなく、日本で造られた国字だそうです。
他に春の代表的な樹木で『椿(つばき)』などもそうです。因みに【木へん+季節】で
『榎(えのき)』『楸(ひさぎ)』『柊(ひいらぎ)』が有ります。
『萩の露』は秋の七草や秋の風物、景色に託けて、恋しい男性を待ちわびる女性の心情を歌い込んでいます。
因みに秋の七草は『桔梗』『萩』『藤袴』『尾花』『女郎花』『撫子』『葛』です。
食用の春の七草と異なり、ほぼ薬用と用いられます。
 
【躑躅】
 本日の『日本は花の王国』ですが、出演者『聖公一先生』『原道山先生』『中あす香先生』と『福井栄一先生』以外の皆に花の名前が入っていました。
『躑躅』は日本に50種以上自生しています。
この曲には22種の『躑躅』がづくしとばかりに歌い込まれていまれていて、全曲歌詞のある長唄物です。
余り演奏会で出ない曲で、菊聖先生も去年奈良で道山先生と初めて演奏されたそうです。

語源は、『続咲木(ツツジサキギ)』から『つつじ』になったそうです。
『躑躅』と言う文字は本来『てきちょく』と読むそうなのですが、躑躅の花の美しさに足踏みし見入ったので
この字をが当てられたみたいです。