上方文化評論家福井栄一・地歌演奏家菊聖公一
楽しいお話と地歌の会〜地歌でぶらり奈良見物〜
       2010年11月27日(木)14:00〜
1. 『大仏』 (1)「さくもの」の代表作のひとつ 他に、能採りもの、艶もの等の分類あり
(2)奈良の大仏 受難の歴史
金銅仏か、木造仏か
(3)京の大仏 やはり受難の歴史
演奏『大仏』 (三絃)菊聖公一
2. 『名所土産』 (1)奈良の名所の数々 飛鳥川
(2)明治以降の奈良の浮き沈み
演奏『名所土産』 (三絃)菊聖公一(箏)中萩あす香
3. 『三津山(みつやま)』 (1)大和三山
(2)後妻(うわなり)うちの風習
演奏『三津山』 (三絃)菊聖公一(箏)中萩あす香
【大仏】
『大仏は見上げれれても拝まれず』と、言われるぐらい皆見ていっても拝んでいかない不思議な仏様です。
大仏さんの正体は『盧舎那仏(ぴるしゃなぶつ)』と言う華厳宗の最高位の仏様なんだそうです。
752年に完成しましたが、その後は受難の歴史が刻まれてきました。855年に地震で頭部落下、1180年平重衡によって焼かれ、1567年には松永久秀によって大仏殿ごと焼かれました。一時は野ざらしになったそうです。松尾芭蕉も『初雪やいつ大仏の柱立』と歌いました。

1595年に京都でも方広寺に豊臣秀吉が奈良以上の大仏を造られましたが、奈良同様に地震や火事の受難で最終的に潰れてしまいました。19世紀には上半身だけの大仏も造られたのですが、1973年にまた火事で焼失し、現在は大仏も大仏殿も残っていません。
【お土産】
もう定番となっています福井先生の嬉しいお土産コーナー。今回は奈良の見物なので奈良でお土産を買いたかったのですが福井先生が風邪でへたっていたので、来年の干支『うさぎ』の手ぬぐいでした。
毎度ありがとうございます。
福井先生が毎年干支の本を書かれていますが、来年はうさぎ年『かわいいだけがウサギじゃない』http://www7a.biglobe.ne.jp/~getsuei99/book18.html
が新刊発売されました。誰もが知っているウサギの物語『ウサギとカメ』・『因幡の白ウサギ』・『かちかち山』の物語とその後日談などが面白く掲載されています。
よろしくお願いします。
【三津山】
光崎検校幕末作曲です。菊聖先生の地元、奈良の曲で菊原初子先生に習われました。地歌の中では最も長い曲かもしれません。
奈良には大和三山と言われる『耳成山』『香具山』『畝傍山』があります。昔からその山にはそれぞれに山の神様がいらっしゃったそうです。この曲はその山神様の三角関係を歌っているそうです。