林沙奈〜古典ぷらす〜  2010年8月20日(金)18:30〜
演奏曲目 作曲・編曲者 演奏者(敬称略)
1. 狐の嫁入り 葛原勾当 (三絃)林沙奈
2. 手事(第1章) 宮城道雄 (箏)林沙奈
3. 蘭の月 菅原久仁義 (十七絃)林沙奈(尺八)川崎敦久
4. 明鏡 杵屋正邦 (三絃)林沙奈(尺八)川崎敦久
5. 蒼月譜 川崎絵都夫 (箏)林沙奈(尺八)川崎敦久
【狐の嫁入り】
地歌作物のなかでは珍しく、作曲者の解っている作品。
『たぬき』『かわず』等は作曲者は不詳になっています。

後で気付きましたが、指スリをするのを忘れていました。

【歌詞】

世の中に 冠婚葬祭の四つの礼儀ある 

其が中に 大礼と言ふものは 婚儀なり
畜生道にありながら 狐は人の学びを成し まず 
結納を取り交わし 方角日柄を選びたり
中段下段吟味して
山の召し日や山林亡 豹尾は格別大禁物 
いよいよ日柄を取りきわめ
そもそもその日の行列は 先箱 台傘 猩々緋
六尺ぞろえの折鶴紋
先提灯に後提灯 ぶらりぶらぶら 
長き尾の 引きもちぎらず うち続く 
嫁御は籠の うら若き かづき帽子や 白装束 
同じ尻尾の長々と 
長道中の半ばより 晴れたる 日よりの村時雨 
降るかと思へば 照りわたり 
照るかと思へば バラバラバラ 
実にもオキツの 嫁入り日和 
程なく祠へ着きにけり
いはねど知るき コンコンの あな目出度しと祝ふらむ
【手事】
第1章の演奏。
作曲者の宮城道雄先生はソナタ形式で、古典の手事の部分を用いて作曲されたそうです。
当時では珍しい洋楽の手法を用い斬新な曲だったそうです。
【蘭の月】
尺八がよく目立つ知る人ぞ知るな名曲だそうです。
【明鏡】
三絃尺八二重奏と言えばこの曲と言うぐらい有名な曲です。比較的古典的な手法を取り入れているので、尺八は五孔尺八での演奏です。三味線の方は作曲者杵屋正邦先生が長唄の先生なので相当激しく、重く大きな地歌の撥での演奏は大変だそうです。
【蒼月譜】
3章から出来ている曲です。
尺八は最後にはヘトヘトになってしまうぐらいスタミナの要る曲で、夏室外で演奏すると汗だくになり黒の着物が塩噴いてしまうそうです。