[飛山桂 飛山百合子 四季のコンサート 春、そしてふたつのオニの物語]
                                     2006年2月18日(土)14:00〜
演奏曲目 作曲者 演奏者(敬称略)
1. さくら 藤井凡大 (箏)飛山百合子
2. 弥生・春のあしおと 飛山桂 (箏)飛山百合子
3. 皐月・若葉の風 飛山桂 (箏)飛山百合子・(フルート)飛山桂
4. 唐八景 飛山桂 (二十五絃箏)飛山百合子・(フルート)飛山桂
5. ソメコとオニ 斎藤隆介作・野坂惠子編曲 (二十五絃箏)飛山百合子・(朗読)眞り子
6. 御代の春 塩崎くら (柳川三味線)飛山百合子
7. 茨城童子(初演) 飛山桂 (二十五絃箏)飛山百合子・(朗読)眞り子
「弥生・春のあしおと」
吉備野の三月は、余寒しばしとどまりて、時に大霜を降ろし、里雪をどっしりと積もらせる。季節の逆戻りを繰り返しながらも、春のあしおとは確実に近づいてくる。ほら、枯れ草の下にも水辺にも、若いみどりが顔をのぞけ、ぬくもり増した陽ざしが、ねむれる古墳を優しく揺りさますかのように。
「皐月・若葉の風」
大空に魚を泳がせるという表現は、けだし、日本が作り出した造形の逸品である。若葉薫風を腹いっぱいに吸って、家族が仲睦まじく翻るさまは、平和で健康だ。子々孫々つないでいって、津々浦々、たくさんの鯉が泳いで欲しいものだ。
「唐八景」
長崎では凧をハタと言う。ハタ揚げは春を呼ぶ長崎の年中行事である。そして唐八景(標高305m)といえばハタ揚げ。市内を見下ろす高台からは遙か雲仙も望める。フルートは風に舞うハタを、二十五絃は変化する風と長崎の町並み、丘陵を表現している。
「御代の桜」
ときわなる 松も栄えゆく 御代の春
恵みを受けし いとたけの
その一節に 移り来て
梅が香 慕う 鶯の
鳴く音も 飽かぬ 千代八千代
変わらで ここに 馴れて聴く
声に 千歳の 歳 契らむ