吉崎克彦LIVE CONCERT REPORT

●2001年9月20日UP

第78回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年8月7日(火)
ゲスト:柳 友紀子さん
演奏曲目
1.『みだれ』:箏@
2.『風の記憶』(吉崎克彦):十七絃@
3.『変容』(吉崎克彦):箏@・十七絃@
4.『スペイン風即興曲第二章』(吉崎克彦):十七@
5.『風雅四抄』(吉崎克彦):箏@

 今回は大変遅い更新になってしまい大変申し訳ございません。
では、早速レポートに参りましょう。今回のテーマは「段物」という一言からコンサートは始まりました。
 で、一曲目は年に2度ぐらいしか弾かないという「みだれ」でした。とりあえずこれは「段物」ですね。
 そして二曲目。「風の記憶」、、、はて「段物」?(ぉ さておき、先生の今月の最終週はノンスケジュールとなっています。これが意味するものは、、、レコーディング(^。^)となっているそうです。いよいよ先生の最新CDですね(^.^)12月に開かれる先生のリサイタルまでには間に合わせたいとのことで、レコーディングされるそうです。で、収録曲6曲の予定で、現在4曲は完成しているそうです。そしてこの「風の記憶」も収録されます。楽しみですね(^0_0^)
 3曲目は、初演曲「変容」。この曲は、九州大学の委嘱曲で、かの「六段」の変奏曲です。(って、なんか「六つの印象」も、、、(-_-メ)ぉぃぉぃ)今回は、「六段」の初段、三段、六段の間に先生の手を加えたものとなっています。実はこの曲、某出版社社長から、「売れる曲を書いてね。」って、言われているそうです。(失礼な(ーー;))と、言うのも、売れる楽譜というものは、お稽古に使いやすい曲がやはり売れるそうです。(例:祭花シリーズ)ですが、作曲者たるもの作曲が進むにつれて、リサイタルや演奏会受けするような曲を書きたくなってしまうそうです。そのような楽譜は、マニアぐらいしか買わないので、部数が伸びないとのことです。ですが、この曲に先生らしさを出すために、不協和音やらなにやら盛り込んであるそうです。今回、実は柳さん「スペイン」を弾く為に来られたのですが、急遽この曲も追加されてしまったそうです。こわいですね〜。あと編成は三絃も入るそうです。
 4曲目は、柳さんによる「スペイン」でした。近々この曲でコンクールに出られるそうで、仕上がり具合も上々のようです。
 そして最後5曲目。いつもの「風雅四抄」でしたが、この曲も、編曲され(替手つき)、CDに収録されるそうです。本当に楽しみですね(^^)
以上、糸締めし過ぎで腱鞘炎の-H.N-でした。

●2001年8月15日UP

第77回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年8月7日(火)
ゲスト:柳 友紀子さん・阪口 夕山さん
演奏曲目
1.『狂詩的ミューズ』(吉崎克彦):箏@・十七絃@・三絃@
2.『初鴬』(宮城道夫):箏A
3.『風にきけPartII』(吉崎克彦):箏@
4.『明鏡』(杵屋正邦):三絃@・尺八@
5.『光と影(I'm Dreaming)』(吉崎克彦):十七絃@・尺八@
6.『スペイン風即興曲第二章』(吉崎克彦):十七@

 今回先生は、涼し〜い北海道から来られたそうで、飛行機を降りたときの熱気で「暑い!!北海道に戻りたい」と、思われたそうです。しかし、本当に大阪の現は暑いですね(-_-;)
 まず一曲目は、十七絃が先生で、箏は柳さん、尺八は阪口さんで華やかに始まりました。楽譜の解説にもあるように、この曲は目まぐるしくテンポが変わり、奏者の音楽的創作を重視した、高い技量を求める曲になっています。そのあたりから曲のタイトルは、「狂詩的」が「ラプソディ」で、「ミューズ」とは「すべての創造に女神。その父はゼウス」となったそうです。
 次に二曲目、本手が先生で、替手が柳さんでした。「季節はずれな曲でないかい?」とも思いがちですが、北海道の倶知安(クッチャン)で鶯がとても綺麗に鳴いていたので、「あっっ!初鴬いいな(^。^)」と、思い決められたそうです。今回は先生が歌の部分に替手を付けられた「平成改訂版?!」でのお届けでした。とても耳にやさしく聞こえてきましたが、聞かれた方々はいかがでしたでしょうか?先生が今後の参考にしたいそうなので、よろしければメールくださいませ。先生によると鶯は親(本手)の手本が良いと、子(替手)も上手に鳴くそうです>^_^<
 そして三曲目。この曲はお馴染みのようですが、実は久々なのです。意外ですね。
 続いて四曲目。この曲はこの夏の暑さを吹き飛ばしそうな情熱的な演奏でした。
 最後は、お馴染みの曲で締めくくりでした。このライブのエンディングはこの曲ですね。
以上、ゲストの-R-でした。

●2001年7月6日UP

第76回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年7月3日(火)
ゲスト:小坂貴子さん
演奏曲目
1.『箏と三絃のための嬉遊曲』(船川利夫):箏@・三絃@
2.『デュオ絃舞三態』(吉崎克彦):箏@・三絃@)
3.『風の記憶』(微音)(吉崎克彦):十七@
4.『風雅四抄』(吉崎克彦):箏@
5.『スペイン風即興曲』(吉崎克彦):十七@

初めてレポートさせていただきますN.Iです。トンチンカンなことを書いてても御笑読ください。
 まず1曲目は『嬉遊曲』です。箏はゲストの小坂さん、三絃を吉崎先生。
この曲は小坂さんのリクエストだそうです。船川作品は押し手が非常に多く、開放の音よりも押さえて作り出した音で表情を出してあるそうです。先生は船川氏のレコーディングに参加されて歌も唄われているそうですが、その録音は世に出ていないそうです。
この曲は五音階(平調子)から出来ていますが、20代の小坂さんのカラダにはない音階なので少々無理があるのでは?この後の曲のほうが血があり肉があるのでは?と先生は言われてました。
 2曲目はその血肉あるという調子の『デュオ絃舞三態』です。
タイトルの説明をされました。1章のキャンドルアイスというのは、凍った湖の表面が割れ、その割れた氷が湖面にキャンドルを立てたようにそそり立つ、なんともいえない美しい様から付けたそうです。2章のマリンスノーとは、流氷の海に潜ると見られる雪のように美しい浮遊物のことです。正体はプランクトンの死骸なのだそうです。3章の春暖は漫画の「美味しんぼ」に出てくる和菓子から取られたそうです。
小坂さん自身が弾き込んでおられるのかもしれませんが、彼女の体と箏が一体となって音が発せらているように見えてきて「なるほどこれが血肉か」と思いました。先生の三絃にリードされて演奏には余裕がうかがえ、彼女的にもとても楽しんで弾かれていたのではないでしょうか。
 3曲目は『風の記憶』。先生の十七絃ソロです。左手はわりと単調な和音で右手はグリッサンド。中盤はとても速いフレーズ。和音もたっぷりあり、ものすごい音量になります。琴一面だけでなっているのが信じられないくらいの迫力です。やはり体力的にもとてもキツイ曲で、最後まで持つのかなぁと思いながら弾かれるそうです。
 4曲目は『風雅四抄』、吉崎先生唯一の唄物です。曲の始めはとても古典的です。後に唄が止み箏の手だけになるとドラマチックな展開になり、吉崎的フレーズがたっぷりです。そして最後は寂しく切ない感じで終わります。
私は箏のソロの曲をお探しのお客様によくこの曲をお薦めするのですが「あー唄ありかぁ(嫌だな)」と言われます。きっと現代曲で探しているのに「うた〜っ?!」と思われるのでしょう。でも旋律も変化に富んでいてとても美しい曲です。何よりも唄があると聴かれる方の意識も違ってくるのではないでしょうか。先生もこのライブで度々演奏されているのでお好きな作品の一つなんだと思います。私は好きな曲です。
 最後はおなじみ『スペイン』です。毎回思うのですが、この曲に限らず先生は左手使いが多く、「お箏は右手3本の指ではじいて弾くもの」ていどの認識しかなかった私には先生の姿がまるでピアノを弾いているかのように見え、とても衝撃的です。

●2001年6月1日UP

第75回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年5月15日(火)
ゲスト:田中 佐和さん
演奏曲目
1.『面』(沢井忠夫):箏@
2.『の変態』(宮城道雄):箏A
3.『の断章』(吉崎克彦):箏A
4.『華二題』(吉崎克彦):箏A
5.『ロンドンの夜の』(宮城道雄):箏@
6.『スペイン風即興曲第2章』(吉崎克彦):十七絃@

関西地方も梅雨に突入致しました。三味線をされている方々にとっては、テゴワいシーズンの到来です。
 本日の選曲には一貫性がございまして、タイムリーな、その「」に因んだ曲、ただし雨だけでは範囲が狭すぎますので、「」というテーマでもってプログラムされています。
 助演は大阪音楽大学箏専攻出身の田中佐和さんです。
一曲目は『水面』。これは、沢井忠夫さんが教材用に二重奏曲を作曲したところ、あまりにもオリジナリティーが高く、練習曲にとどめておくには惜しいということで、あとから曲の雰囲気に合った題名を改めてつけたものだそうです。吉崎先生曰く、こういったことは作曲家にとって割とよくあるそうです。
 二曲目は『水の変態(替手付)』、いわゆる改作の二重奏ヴァージョンです。現在、演奏会で取り上げられるのも、この替手付の方が多いそうです。ただし、先生はこの曲を演奏するのが久々なので、「唄を忘れるかもしれない……」とおっしゃり、「落ちたらすぐに入ってね」と田中さんに言っておられました。でも、お二人のこの演奏は息がぴったり合って素晴らしかったです。
 三曲目は『水の断章』です。これは委嘱曲ですが、箏二重奏という編成での委嘱は珍しいそうです。「断章」の名のとおり、七章の構成で、すべてに標題がついています。先生らしく詩的というかファンタジックな標題ですが、なかでも先生の好きなイイマワシは三章の《太陽に背を向けた深海魚》だそうです。ここでの深海魚とはアンコウのつもりらしく、次章の《おどけた生物》はマンボウ、とのことです。内容や構成の面では、先生の初期の二重奏作品に比べると大分、変化があるそうです。
 四曲目は『氷華二題』です。これはまさにその初期の二重奏作品で、当時の先生の作風傾向として、「オスティナート」が特徴として挙げられるそうです。オスティナートとは「同型メロディー・リズムの繰り返し」のことで、先生はわかりやすくそのオスティナートを用いた名曲を具体例として教えて下さいました。クラシック音楽のラヴェル作曲、『ボレロ』だそうです。印象的なのは小太鼓のパートでしょうか、ずーっと延々と一定のリズムを叩いています。皆さんも一度は耳にされている曲のはずです。その定型リズムの一部「タン・タタタ・タン」が、「黄門さまのテーマソングに似てる」と言って実演して下さったのは面白かったです。
 五曲目は『ロンドンの夜の雨』です。これはこの間、小学校で先生が演奏されたときに取り上げた曲でもあるそうです。小学生たちは、超絶技巧を駆使した曲には興味を持つそうですが、ゆっくりとした曲では、眠りの世界へと行きかねないそうです。それを悟った先生は、自作曲の演奏では、落ち着いた部分をカットし、「いくらでも派手にできるわい」、ということで楽譜にないことをたくさんしてきた(即興的にアレンジした)そうです。そうすると子供たちも全然「飽きない」とのことです。そんなことをやってのけるなんて、さすがスーパースターです。
 最後の締めは、定例の『スペイン』でございました。

●2001年5月18日UP

第74回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年5月15日(火)
ゲスト:柳 友紀子さん(十七絃・三絃)
演奏曲目
1.『哀歌』(吉崎克彦):十七絃A
2.『春興』(杵屋正邦):三絃A
3.『光と影』(吉崎克彦):十七絃A
4.『六つの印象』(吉崎克彦):箏@
4´.『手事』(宮城道雄):箏@
5.『スペイン風即興曲第2章』(吉崎克彦):十七絃@

 今回のLIVEには上記にもあるように柳友紀子さんの助演により、ソロのLIVE CONCERTとはまた違った、楽しいコンサートになりました。
 その1つとして、先生の「哀歌」「光と影」の2曲は本来十七絃、尺八の二重奏曲なのですが、十七絃2面でのセッションとなりいつもと違った迫力のある2曲が味わえました。先生は「十七絃が2面なのでうるさくて耳に残るかも」とおっしゃっていましたが、私的にはとても楽しく聞かさせていただきました(^.^)当LIVEのいいところですね。
 曲間の雑談から1つ。先生は今月の30日にN.Y.の国連ビルでコンサートの依頼があったそうですが、丁寧にお断りをされたそうです。その理由は、先生は年齢的なものもあり体力に自信ないそうです。行程はというと、コンサート前日の晩に空港に着き、当日コンサート、そして翌日飛行機で東京に戻り講習会があるそうです(T_T)先生、これは例えお若くてもしんどすぎますよ^_^;
 さて曲に戻って「春興」です。この曲も今日は柳さんがいらっしゃるのでなにか三絃の合奏曲も、ということで決められたそうです。曲前の三絃の調絃時にためになるお話が1つ。「三絃の調絃がしにくい時は、さわりの状態を調べてみてください。さわりが弱い時はまだしも、強い時はとても調絃しずらいです。」だそうです。ちなみに先生の三絃には東さわりがついています。再び曲に戻って、なぜ「春興」になったかというと、上記の理由もありますが、真の理由はこうです。演奏会での曲選びはとても大切です。手に余るような難しい曲はやりづらく、かといえばやさしすぎる曲も具合が悪い。三絃の曲で「六段」や「八千代獅子」など箏の後で手付された曲は基本的には難しいそうです。そこでこの曲「春興」です。この曲はがんばれば、始めて3ヶ月の人でも演奏ができ、曲の作りも非常に良く出来ているそうです。また他でお稽古をしていた時、「八段」を弾くと子供たちは逃げ出していったが、この曲はおとなしく聞いていたそうです。それだけいい曲なのですね。(←八段もいいと思いますが...)
 で、今日は十七絃が多いので、箏のソロでも弾きましょうかとなった時に、では何を弾こうかなと、「手事」の最初の部分を弾いて、皆さんを見渡し、「今日はこの曲のイメージでないのでやめますと、結局「六つの印象」になになりました。「手事」の話で、吉崎先生の師匠後藤すみ子先生の「手事」の第3章は原曲を留めていないほど早いそうです。ちなみに吉崎先生は、楽譜の通りの早さだそうです。弾き手によって早さなどが異なると曲趣も変わり面白いですね(^.^)
 あと面白かったので書きますが、今日のゲスト柳友紀子さんですが、吉崎先生から昨日お声がかかったそうです。こんな話がいきなりくる吉崎先生の電話。恐ろしいですねー(^^ゞまた、本日お客様として来られていた田中佐和さんに「先月大津で一緒に水の変態を弾いたけど、もし今日爪があれば弾こうか?」とお声を掛けられていました。本当に恐ろしいですね^_^;
P.S.どこでお話があったのかは忘れましたがもう1つ。「プロの演奏家は1週間前弾けた曲を今日も弾けるが、アマの方は演奏当日にピークを迎え後は落ちていってしまう」そうです。 -H.N-

●2001年4月25日UP

第73回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年4月17日(火)
演奏曲目
1.『春の夜』(宮城道雄):箏@
2.『風の記憶』(吉崎克彦):十七絃@
3.『風雅四抄』(吉崎克彦):箏@
4.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
5.『スペイン風即興曲第2章から第1章バージョン』(吉崎克彦):十七絃@

 今日は吉崎先生お一人でのライヴコンサートでした。そのため演奏曲目もソロ曲やソロで弾きうる曲が中心です。計五曲のうち二曲を唄モノで選ばれています。
 さて一曲目はその唄モノから。宮城道雄さん作曲の『春の夜』です。おそらく聴衆の方のどなたかがリクエストされたのでしょう。「この曲を今日は絶対弾く」と先生はおっしゃっていました。先生にリクエストができるのもこのライヴコンサートならではでしょう。皆さんも事前にリクエストしてみてはいかがですか。ご自分が今度舞台で弾く予定の曲でもいいでしょうし、先生の演奏であの曲を聞いてみたい、といった思いをお持ちの方もおられることでしょう。先生も可能な範囲でそれに応えて下さるんじゃないでしょうか。
 二曲目は、先生の17絃ソロ曲『風の記憶』です。前にも雑談記で書いたかもしれませんが、この曲は先生がご自分の演奏用にと考えておられ、今後出版される予定のない曲です。沢井忠夫さんが生前、自作自演用の『翼に乗って』を「一生、出版しない」と言っておられたそうですが、先生も「沢井先生がおっしゃってたのと同じ意味です。」と言われました。公刊譜が出版されないので少しだけ内容を紹介しておきましょう。この曲は四章から成っており、一章「傷ついた詩人のらくがき」、二章「夢想家の受難」、三章「化石化した自画像」、四章「風化した道化師」といった表題がそれぞれ付いています。すごく詩的で、イメージが膨らむ題名ですね。その表題の下に曲を聴きますと演奏にぐっと引きこまれます。音楽も17絃の表現方法をあますところなく体感(聴感と言うべきでしょうか)でき、ハーモニーには吉崎ワールドが溢れていて、美しく心地よい響きが展開されています。左手で一定の低音を刻んでいく上に、右手の即興風メロディーが流れていく二章もとても印象的です。後半のリズム嵐(私が勝手にそう呼んでいます)の部分は、おもわず息を飲む大迫力サウンドです。半年ほど、この曲をここで弾かれている先生ですが、「最初に比べると大分上手くなってきた」とのことです。でも実は練習なんてする時間はほとんどないそうです。
 三曲目は本日二番目の唄モノ、『風雅四抄』です。最初に演奏された『春の夜』は宮城作品の中でも初期の作品であるため、古典の作風に近いそうです。一方、先生のこの曲は一抄ごとに趣きが異なっていて、「春」は古典寄り、「夏」は本人の意志ではシャンソンのイメージ、「秋」は完全に歌曲、「冬」は古典寄り、とのことです。いつものように「秋」を省いての演奏となりました。
 四曲目と五曲目はライヴコンサート定番曲『風にきけ』と『スペイン風即興曲二章』です。今日の『スペイン〜』は、一章だけでなく、両章ともの演奏でした。ときおり、気分で両章(しかも二章から一章へ)を弾かれますね。余談ですが、宮城さんの曲を除いて今日演奏された題名すべてに「風」という文字が入っています。最後の『スペイン〜』は意味合いが違いますけれど……。-T.K.-

●2001年3月7日UP

第72回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年3月6日(日)
演奏曲目
1.『六歌仙』(吉崎克彦):十七絃@
2.『風の記憶』(吉崎克彦):十七絃@
3.『六つの印象』(吉崎克彦):箏@
4.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
5.『スペイン風即興曲2章』(吉崎克彦):十七絃@

 さて今回は早速曲のほうに行きます。最近先生は委嘱の曲が多くそろそろ自分自身のための十七絃の曲を書きたいそうです。そのためには自分自身の曲を封印しないといけないので、今後2年間は絶対に「六歌仙」は弾きません!!とのことです。
 で、二曲目は「風の記憶」。この曲は今後も出版されることはないそうです。なぜなら、お聞きになった方はおわかりと思いますが、「難易度激高」のためです。例えば、左右それぞれの手で、異なる拍子を刻み(3拍子&4拍子)、それがまた、それぞれ変化してゆくのです(2拍子&3拍子)。しかもとてつもなく速いテンポの中でそれを行わなければなりません。まさに超絶技巧曲、なわけです。で、先生の譜面はというと、ご自分でコンピューターを使って綺麗に印刷されたそうです。でもこの譜面は絶対に人にはあげないそうです。そして先生専用の勝負曲にするためにここでのLIVEで熟成させたいとのことです。今はまだ先生自身ピンと来ないで出来で、やはり難しいのですね^_^;
 三曲目は、予定では「子供の憧憬」の予定でしたが、気分的に違うので急遽「六つの印象」に変更になりました。この曲もここのLIVEで熟成された一曲だそうです。
 四曲目、2ヶ月ぶりの「風にきけ」です。最初に話をされた十七絃ソロの曲もそうですが、お箏ソロの曲も作りたいので、次のタイトルは「〜にきけ」にしようかなっておっしゃっていました(^.^)
 そして最後はいつもの「スペイン」です。関係ないのですが、先生が汗を拭いたいた時にお話されていたのですが、先生は汗かきで各コンサート会場で人からハンカチを借りては返し忘れてしまうので、どんどんハンカチが増えてしまうそうです。
 ではまた(^_^)/~   -H.N-

●2001年2月16日UP

第71回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年2月11日(日)
特別ゲスト:川口慶子さん(箏)
演奏曲目
1.『みだれ』(八橋検校):箏@
2.『子守唄変奏曲』(平井康三郎):箏@
3.『ロンドンの夜の雨』(宮城道雄):箏@
4.『ときめき』(栗林秀明):箏@
5.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
6.『スペイン風即興曲2章』(吉崎克彦):十七絃@

 さて今月もレポートさせていただきます。先生はいつものようにプログラムは決めていないようで、ただ本日のコンセプト(お題?)として、「箏独奏曲の時代の変遷による曲趣の違い」をあげられていました。
 というわけで、まず1600年代の曲として、八橋検校の「六段」か「みだれ」のどちらかを挙げられました。で、「六段」は、吉崎先生的にいまだ何を表現して演奏したらよいのかわからず、演奏家としてはこのような曲はできれば演奏したくないそうです。その点で表現しやすい「みだれ」に決定しました。気合を入れて手抜き無のノーカット完全版で演奏されました。
 二曲目は、昭和の初期に入り色々な新しい手法が公に認められてきて、作曲された平井康三郎さんの「子守唄変奏曲」です。吉崎先生が大学生の頃(?0年前ごろ)、この曲が大ヒットしたそうです。その頃よくあったソロリサイタルのプログラムは、「みだれ」、「尾上の松」、「子守唄変奏曲」、「箏独奏の為の練習曲」(中島靖子)、「琉球民謡による組曲」(牧野由多加)といった感じで演奏されていたそうです。
 三曲目は、前二曲で平調子で暗く来たので、調絃を変えて、「ロンドンの夜の雨」です。この曲は宮城道雄先生がロンドンを訪れた時、BBC放送の収録の前の晩に、作曲したものです。この6分の曲を6分で作曲したというすごい話がありますが、どうやら眉唾物らしいです。でもそれぐらい宮城先生はすごい作曲家であったのは確かです。そしてこの曲を次の日の収録でいきなり1曲目で演奏されたのは、実話です。やはり素晴らしいですね。
 そして四曲目。この曲の作者、栗林秀明先生は魅了的だが少々変わった(?)エピソードがあるそうです。なぜお箏を始めたかはいろいろといきさつがあるが、とりあえず普通の大学の筝曲部から始めたそうです。そして沢井忠夫先生に憧れて、弟子入りし、沢井先生の家の屋根裏に住み込んだそうです。ですが、あるときいやになり逃げ出し、数日後荷物を取りに沢井宅に戻ったとき、普段は地方に出ることの多い沢井先生がたまたまいて、「どうしていた?」と栗林先生に問いただすと、「田舎に帰って作曲していました。」(嘘)と答え、そのとき演奏した曲が「ときめき・彷徨い」の曲だそうです。と、そのような嘘の理由付けにされた曲だそうです。で、吉崎先生が演奏始められ、「春の海」みたいな曲だなと思うと、先生が「春の海の調絃です。」って、驚きました(°.°)
 五曲目の「風にきけ」ですが、いつもなら吉崎先生が演奏されるのですが、今回は、ゲストの川口慶子さん(小6)が演奏されました。まだ始めて一年ですが、この曲でコンクールの当選されたとあって、なかなかのものでした。今後が楽しみですね。ちなみに吉崎先生の小6の頃のお話も聞けました。ここではj掲載できませんが(汗)、なかなか面白かったです。
 そしていつも最後の「スペイン」。いつもながらビンビン来て最高です。      −H.N−

●2001年1月

第70回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成13年1月14日(日)
助演:阪口夕山氏(尺八)
演奏曲目
1.『春の海』(宮城道雄):箏@・尺八@
2.『光と影』(吉崎克彦):17絃@・尺八@
3.『都十二月』(不明):三絃@
4.『風に聞けPartU』(吉崎克彦):箏@
5.『哀歌』(吉崎克彦):17絃@・尺八@

 あけましておめでとうございます。記念すべき新世紀第一回目、通算第70回目のライヴ・コンサート雑談記です。今日は、第66回でも吉崎先生との見事なセッションを展開していただきました尺八奏者の阪口夕山氏に御賛助願いました。
 そんな折角のコンサートなのですが、1曲目と2曲目の間、わたくし、スタジオ階下にて作業をしておりまして残念ながら聴き逃してしまいました。今のシーズンを考慮しての選曲だったのでしょうか、お二人の『春の海』、是非とも聴きたかったです。
 というわけで雑談記も3曲目の『都十二月』からスタートです。名前のとおり、この曲の内容は京都の十二ヶ月の風物詩で、雅やかな詞で綴られていると先生はおっしゃっていました。京都になにがしかの接点がある方でしたら、思い出しながら聴くと結構面白いそうです。弾き終わって一言、「楽譜を上手に散らす(床に一枚ずつ置いてゆく)技術をお持ちの方は伝授して下さい。舞台では、結構キタナイって言われるんだよねー。」と。どなたかいい方法があれば、ぜひお知らせ下さい。
 次は『風に聞けPartU』です。正規の『風に聞け』を弾くつもりだったらしいのですが、覚えてない(ご自分の曲なのに?)ということで『PartU』にされました。
 ラストは、再度、阪口先生との合奏で、『哀歌』です。『哀歌』では、そのレコーディングに関する、こぼれ話を聞かせてくださいました。雑談記では、その一部分、「レコーディングに至る経緯」を紹介します。これは先生が公刊譜を出して作曲家デビューをされた頃のお話です。某レコード会社が、日本の昭和史に残る邦楽名曲集を作成するといって、先生のところにも担当者が来たそうです。そこでどの曲を録音しようかと思案中、その彼が『哀歌』を「素晴らしく歌謡曲であって、いい意味で下品で、曲の途中にポピュラーソングのワンフレーズも出てきて……」と言い出し、この曲に決定したそうです。もちろん先生は、その似ているだろうフレーズを知らずに作曲しておられたわけですが、教えられると、やっぱり似てるそうで、それをあらためて教えられた我々も、「あー、似てるわ」と思うわけで、いざその部分になると先生も我々も妙に意識してしまいます。先生もそれを見越して演奏前にひとこと、「けっして笑わないように。笑いがおこると、つられてしまって弾きづらいからね。」と注意を促しておられました。
 その演奏も無事に終わり、ライヴコンサートは幕を閉じましたが、今回は第70回記念ということで、吉崎先生のプレミアグッズプレゼント抽選会を続けて開きました。プレゼントには先生の『暮色』、『むかし話』、『糸遊一番』の自費出版譜を用意しました。先生が出版社デビューする以前に300部だけ自費制作し、芸大の諸先輩方に渡したりしたもので、手元にはもうほとんどないそうです。今回、その楽譜とそれぞれに、サインや絵的なものを書き加えていただき、額に入れてみました。とてもいい感じでしたよ。 -T.K.-

●2000年12月22日UP

第69回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成12年12月19日(火)
演奏曲目
1.『五十鈴川』(宮城道雄):箏@
2.『蛙』(地唄):箏@
3.『六つの印象』(吉崎克彦):箏@
4.『花嫁人形』(吉崎克彦編曲):箏@
5.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
6.『スペイン風即興曲2章』(吉崎克彦):十七絃@

 コンサートもいよいよ69回。次回は70回、そして2、3年後には100回...(^^ゞと、先日の先生のリサイタルも大盛況でしたので、100回記念には何か大きなイベントを開催したいですね。
 さて今回の1曲目は宮城道雄先生の「五十鈴川」。この曲は作曲者のイメージとしては「神々しく」弾く曲なのですが、吉崎先生が弾くとご本人が曰く、「僕が弾くと神々しくならないね。」って。ではどんなイメージかと聞いてみると、いい感じで弾いてはりました。神々しくするには力をいれずに弾かなければならなく、指がつりそうになるそうです。はじめて弾いた頃は、2小節目には指がガチガチになってしまい弾けなくなってしまったそうです。「労多くして、益少ない」曲ですが、一年に一度は弾いてみたくなり、そしてその日が今日だということでした。
 2曲目は最初、年末でもあるので「都十二月」を弾こうと思っていたが、楽譜が見当たらないので急遽「蛙」になったそうです。この曲を弾くと、音楽的に演奏するのと、物語的に演奏するのでは曲趣が変わるので面白いそうです。吉崎先生が、「そろそろ古曲をもっといじってもいい時代になってきたのではないだろうか。たとえば義太夫風にアレンジしてみたり・・・」とおっしゃっていました。そのうち面白い曲が聞けるかもしれませんね(^.^)ただ、吉崎先生の大切な先生が「私が50年かかって習得したものを克チャン(吉崎先生)は20分で壊してしまうな」って。確かに...(>_<)
 3曲目はそうして誕生したような「六つの印象」。先生が「六段」を教えていて、教えている最中に眠ってしまったとか。それではと、手数を3倍に増やしたのがこの曲。この調子で「千鳥」や「夕顔」などどんどんいじって欲しいですね。
 4曲目は、先生の小品集より「花嫁人形」。この曲「箏入門のための小品集」からなのに、「こんなに込んだ手でいいの?」って感じです。単調な「花嫁人形」の曲も先生が触ると面白く化けますね。
 5曲目は、「風にきけU」。もともと11分あった曲をコンクールが6分なのでという理由で作ったのだが、最近のコンクールの予選など、3分になってきたので、どおしようとのこと。もしかしてPARTV誕生か(-_-)
 最後はスペイン。先生曰く「曲のは最近の中で一番よかった」と。確かに毎回聞いているとわかるような気がします。
 -H.N-

●2000年11月17日UP

第68回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成12年11月14日(火)
演奏曲目
1.『風の記憶』(吉崎克彦):十七絃@
2.『ロンドンの夜の雨』(宮城道雄):箏@
3.『風雅四抄』(吉崎克彦):箏@
4.『三つの遊び』(宮城道雄):箏@
5.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
6.『スペイン風即興曲2章』(吉崎克彦):十七絃@

今日は、先生から「僕の練習にお付き合い下さい」との前置きがありました。もちろん一週間後に控えたリサイタルのためです。
 1曲目の《風の記憶》は、「先月より上手くなって、大分と落ち着いてきた」とのことです。聞かれたみなさんは、いかがでしたか。音楽的表現は、演奏の都度、流れの中で変わっていくかもしれませんし、会場のキャパシティの違いによっても意図的に変えられるかもしれません。本番が楽しみですね。
 2曲目は、「当日アンコールで弾くかもしれない」曲です。実をいうと「まだ決まってない」そうで、短くサッと終わるモノか、少し重ためのモノを選ぶかは、聴衆の皆さんの疲労度をみて決めるとのことです。いずれにせよ、プログラム曲とオモムキの異なる曲で、時間にして4〜5分を超えずに、そして手の内にある(つまりわざわざ練習しない)曲、がアンコールにふさわしいそうです。
 さて3曲目は、唄モノ《風雅四抄》です。調絃替えの要る《秋》を省いた演奏でした。この曲、舞台(なかにしスタジオ以外)で弾くのは初めてだそうです。なんでも、昔ついていた作曲の先生から「箏の曲はなるべく転調替えをしないように」と教えられていたらしいですが、どうしてもこの《風雅四抄》の《秋》では必要になっちゃったそうです。ですから調絃に時間がかかってしまうので、《秋》はたいていお省きになります……
 4曲目は宮城道雄さんの《三つの遊び》でした。そして5曲目がご自身の《風に聞け》、いつもより力強い演奏のように感じました。ラストは《スペイン風即興曲二章》。珍しく二章から一章へと突入するヴァージョンを聞かせていただきました。先生はいつも以上に汗をかいてらして、「昨晩、日本酒を10杯以上飲んだからだ」って、おっしゃっていました。「いい教訓になった。ライヴ前日はあんなに飲んじゃダメだな。」とも言われ、「来週のコンサート前日は沖縄で演奏してるんだけど、泡盛の誘惑に勝てるかな」と心配されていました。 −T.K.−

●2000年10月12日UP

第67回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成12年10月10日(火)
演奏曲目
1.『風の記憶』(吉崎克彦):十七絃@
2.『六つの印象』(吉崎克彦):箏@
3.『風雅四抄』(吉崎克彦):箏@
4.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
5.『スペイン風即興曲2章』(吉崎克彦):十七絃@

 今回の先生は、「二つの個性 デュオリサイタル」に向けて、モチベーションを高めるため、全曲ご自分の作品を演奏されました。
 一曲目にきました新作「風の記憶」。が、しかし先生がおっしゃるには、お客さんの前で演奏すると疲れるので、どこかに余分な力が入っているのかも…。まだ完成の域には入らないそうです。って先生あと40日しかないですよ(-_-;)がんばってくださいね。
 代わって二曲目、こちらはもう相当完成度も高いそうです。「ノーカットロングバージョンで演奏するのでゆっくり、川の土手など野外で、月夜にお団子などほうばる様子をイメージしながら聞いてください」とのこと。いいですね(^.^)今の時期、そういう場所での演奏会も企画してみましょうか…。
 三曲目はご存知の曲で、秋の章をカットした「風雅三章」でいつも演奏されています。飽きっぽい日本人には、秋の章も入れると長すぎて、曲の最中に飽きられてしまうのがいやなのでカットするそうです。次回のリサイタルでもどのようにしようか思案中のことです。ところで、海外公演のときに同様にカットして古曲の八重衣を演奏したら、外国人からなぜカットするのかと怒られたそうです。外国の方はバッハなどのとてつもなく長い曲を聞いているので20分そこそこの曲ぐらいなんともないのでしょうね。
 四曲目の前に少々長い雑談で息抜き(^^ゞそうしないとしんどいそうです。が、あまりしゃべるとリサイタルのときのねたがなくなってしまうので、しゃべれない。難しいですね。2、3日前のNHKの朝のニュースで韓国で演奏したときの姿が少し映ったそうです。小さく、後姿だけだったので誰も気づかないかなと思っていたら、何人かから言われたそうです。そんな色のシャツ着た演奏家は吉崎先生しかいない…^_^;で、「風にきけ」リサイタルのアンコールで弾こうかな。
 あと、リサイタルは休憩がないのでお手洗いは先に済ましておいてくださいとのことです。フェニックスホールは扉の音が気になるから…。先生はリサイタルで調子が乗ってきているときに休憩があると、緊張が解けてしまうのでいやだそうです。   −H.N−

第66回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成12年9月12日(火)
助演:阪口 夕山氏(尺八)
演奏曲目
1.『哀歌』(吉崎克彦):十七絃@・尺八@
2.『天馬』(吉崎克彦):箏@・尺八@
3.『風にきけPartU』(吉崎克彦):箏@
4.『光と影(I'm Dreaming)』(吉崎克彦):十七絃@・尺八@
5.『風の記憶(微音)』(吉崎克彦):十七絃@

雑談記

 今日は、助演として阪口夕山氏に御参加いただいたため、曲目構成も尺八の入った曲が中心となりました。一曲目の『哀歌』と二曲目の『天馬』は吉崎先生によると、同時期の作品とのことです。二つの作品を並行して作るなんて、なんかゴッチャになりそうですが、互いに基本の音階が異なるため、全然問題ないそうです。ところでその音階ですが、『哀歌』はドレミで、『天馬』は五音音階が基になっています。五音音階を用いた代表曲といえば、皆さんご存知の『ほたるの光』でしょうか。この音階は明るさと寂しさが同居したような雰囲気を持っているように思うんですけど、先生は「牧歌的」という言葉で表現されていました。そのライヴ久々の『天馬』の後は、定番ソロ曲『風にきけPartU』でした。
 さて後半、四曲目は『絃歌』の改作、『光と影』です。ご承知のように『絃歌』は17絃二面(もとは三面)の曲ですが、先生自身がどうしても尺八の音色で聞きたいフレーズがあったので尺八付きに改作したそうです。でもその分、尺八奏者も非常に体力が要りそうです。しかし話は変わりますが、あの我がオリジナル17絃の音は、床から足を伝って、胃にまで響いてきます。
 ラストは、『風の記憶』です。先生の話では、この曲の演奏もだいぶんとうまくなってきたそうで、現在の完成度は50%とのことです。じゃあ100%の演奏って一体どんなのでしょうか、想像もつきません。やっぱり天才の目指すところは高次元ですね。  -T.K.-

第65回吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成12年9月12日(火)
演奏曲目
@春の海(宮城道雄):琴@・尺八@
Aクレッセント(吉崎克彦):琴@・尺八@
B哀歌(吉崎克彦):十七絃@・尺八@
C風にきけPARTII(吉崎克彦):琴@
Dスペイン風即興曲2章(吉崎克彦):十七絃@

第62回 吉崎克彦LIVE CONCERT

日時:平成12年5月16日(火)
演奏曲目
@風の記憶〜微音〜(吉崎克彦):十七絃@
A風雅四章より春・夏・冬(吉崎克彦):琴@
B六つの印象(吉崎克彦):琴@
C風にきけPartU(吉崎克彦):琴@
Dスペイン風即興曲2章(吉崎克彦):十七絃@

雑談記

またまた2ヶ月ぶりの雑談記です。先月は高島屋の売り場移動のため力仕事をしていました(^^ゞでは今回のレポートです。さて今月の一曲目は委嘱曲だそうで、委嘱されたご本人様が今週の日曜日に演奏されたそうなので、解禁になり先生の初演奏お披露目となりました。やはり依頼主様より先に弾いてしまうのは、タブーですからね。曲は十七絃のソロの曲です。造りとしては四章節からできていて、@傷ついた詩人の落書きA夢想かの受難B化石化した自画像C風化した道化師と言った名前がついています。が、先生はそれぞれの題についての解説をまだ考えてはいないそうです。曲的には、左手と右手のリズムを変えるなど、いろいろな要素を加え、面白い曲のようです。しかし、複雑すぎて譜面にすると煩雑になるため、譜面は簡素化されているそうです。この曲はまだできたてほやほやのため、先生もあまり練習ができていないそうです。作曲者だからうまく弾けるということはないそうです。楽譜は秋頃になるそうなので、演奏を聞きたい方は、当ライブを含めた吉崎先生の演奏会等をチェックしてください。
2曲目の風雅四章の秋以外というのは、秋だけ調絃が異なり、面倒くさいからだそうです(-_-;)
3曲目の六つの印象は当ライブだけでも3度目なのでうまくなってきたそうです。これでうまくならなきゃサギ?だそうです。
4曲目の曲もおなじみで、たまにはPARTTも弾きたいそうですが、さすがに長いので、譜面を見なければいけないし、人にめくってもらわなければいけないので、弾かないそうです。
それではまた次回、さようなら。
P.S.先生は23日まで東京に帰れないので、そろそろ下着がピンチだそうです(T_T)    -H.N.-

LiveConcertReport[79thReport]

日時:平成13年10月9日(火)
ゲスト:柳 友紀子さん・小坂 貴子さん
演奏曲目
1.変容(吉崎克彦):箏2・十七絃1
2.グラディエーション〜風の彩り〜(吉崎克彦):箏2・十七絃1
3.スペイン風即興曲(吉崎克彦):十七絃1
4.三つの遊び(宮城道雄):箏1
5.風の記憶(吉崎克彦):十七絃1
 先月Close-Upのほうにも書きましたが、いよいよ2年ぶりの先生のアルバムが、登場します。もう少し先ですが。
先生曰く「2年間仕事サボってたわけじゃないよ。入れる曲がなかっただけだよ。」って(~o~)
さて、その中に入る新曲から今回3曲、その中でも初演曲1曲とお得な演奏会でした。
 一曲目の「変容」ですが、4日前に完成したそうです。先月も弾いてられましたが、未完成だったのですね(^_^;)
この曲は九州大学の委嘱曲で、4年ほど前に先生が学生と飲みながら約束された曲で、ようやくかなったそうです。
内容的には、「六段がつまらない曲ではないことを言いたかった」が、元で初段、三段、六段をモチーフに
出来ています。残りの部分は完全に先生のオリジナルです。「現代版六段の調」と、なっています。
今日は上記のような編成でしたが、箏・十七絃・尺八の三重奏だそうです。また、こちらも聞いてみたいですね。
 そして2曲目「グラディエーション」は初演です。それもそのはず、曲自体は昨日完成。そしてタイトルはさっき決定
になったそうです。一応タイトルは先生が決めていたのだそうですが、某ゲストK坂さんが「そんなタイトル、楽器屋で
言えへんわ!」と不評のため変更になったそうです。そしてそのタイトルは「ことことこっとん」・・・確かに(^^ゞ
ちなみに、初の横文字のタイトルとなるそうです。意外ですね・・・って、なかったかいな?(ぉ
で、急遽変更になったこの曲、調絃は「楽調子」で楽しい曲に仕上がっています。
そしてこの曲は「祭花シリーズ」で、高校生にも楽しく弾けるようにと、先生の営業努力もあり、
「難しそうだけど、楽しい曲」と助演のお二方がコメントされていました。
発売されたら、皆さんもお店で「ことことこっとんください」と、買いに行きましょう(*^。^*)
 で、3曲目。今月もコンクール前の柳さんが弾かれました。やはり本番直前ともなり、先月に比べ、パワフルに
感じました。吉崎先生もこのコンクールに審査員としてではなく、一曲弾きに行かれるそうです。で、お弟子さんが
出られて、入賞して賞金をいただくと、そのお金を使い、皆でふぐを食べに行くのが恒例だそうです。
がんばって下さいね、柳さん(~_~;)先生は「それだけ弾ければ後はだけ」と、おっしゃていました。
ちなみに先生ももちろんコンクールにおいて輝かしい成績を残されていますが、先生曰く、「僕は毎回運がよかった。」
と。特に初めての作曲コンクールの時などもちろん1位でしたが、実は参加者も1人とつまり1/1ということです。
そのときの審査員が平井康三郎先生で、「一人だけだから一位じゃないよ、僕はこの曲本当に好きだから」
って、おしゃられたそうです。それを聞いた吉崎先生、余計に寂しくなられたそうです(>_<)
 そして4曲目。ここは予定していた曲では十七絃が続くので、ここはかわいくお琴のソロの曲となりました。
何回か先生が弾かれているのを聴いたことがありますが、今日は
「まりつき」・・・女の子が優雅にまりをついている様
「かくれんぼ」・・・フェイントをかけてものすごい勢いで鬼が探しに来た様
「汽車ごっこ」・・・夢いっぱいの少年を乗せて走りすぎていく様
と、すごく楽しく聴くことが出来ました。
 最後は十七絃のソロで締めるのがこのConcertの恒例のようで、スペイン弾いたしなにかなって思っていたら、
この曲でした。この曲もこの場で何回かこなしてくると、完成に近づいてきたそうです。でも、大変な曲なので、
手がパンパンになり硬直してしまうそうです。がんばって下さいね。
 いよいよ次回は80回記念。またまた例のものがプレゼントもあります。ぜひご参加ください\(^o^)/ -H.N & R-