[第35回 浪花の芸術を菊会]     2008年11月28日(金)18:30〜
演奏曲目 作曲者 演奏者(敬称略)
1. 新娘道成寺 石川勾当 (三絃)菊重精峰(箏)菊抄峰亜希
2. 猿の恩返し 菊重精峰 (三絃)菊重精峰(箏)菊抄峰亜希
3. 越後獅子 峯崎勾当 (三絃)菊重精峰(箏)岩田涼可(尺八)川崎敦久
4. 虫の音 藤尾勾当 (三絃)菊重精峰(箏)中萩あす香(尺八)川崎敦久
【新娘道成寺】
石川勾当の作品と言われていますが、同時期に活躍した菊岡検校の作曲とも言われています。
手事物の「娘道成寺」(三下がり)と区別するために「新」と頭に付いています。前唄に「鐘にうらみはかずかずござる」とありますが、安珍清姫の道成寺物語とは関係が有りません。
声の高い部分があり、男性の低い声には大変な歌になっています。
【猿の恩返し】
3年前に菊重先生が作曲した作物です。
同先生作曲「猿蟹昔物語」の続編。悪者だった猿(さるる)が25歳になり改心し、19歳になった子蟹(ほのかに)とのお話です。解りやすいストーリーと笑い、驚きのある曲です。
【越後獅子】
越後の角兵衛獅子を描写した曲です。
大阪の峯崎勾当作曲ですが箏手付けが京風と大阪風の二種類有ります。同様に「残月」「東獅子」にもあります。しかし、京都を代表とする菊岡、八重崎検校の曲には手事は一種類しか有りません。上方文化の中心が京都にあったからかもしれません。
【虫の音】
謡曲「松虫」題材の追善曲で知られています。
大阪阿倍野の野原を舞台とし、現れた亡霊を追善することで亡霊が舞を披露すると言った内容の曲です。地唄舞でよく使われます。
菊聖先生、鼓弓との演奏は何度もされたことがありますが、尺八との演奏は初めてだそうです。