[第13回Report] 平成15年5月30日(土) |
演奏曲目 |
作曲者 |
演奏者 |
1. |
秋の風土記 |
菊重精峰 |
箏(田中佐和さん・菊重先生)・十七絃(西村亜希子さん)・尺八(阪口夕山さん) |
2. |
春の夜 |
宮城道雄 |
箏(田中佐和さん・菊重先生) |
3. |
茶音頭 |
菊岡検校 |
箏(中萩あす香さん)・三絃(菊聖先生) |
4. |
山姥 |
- |
箏(中萩あす香さん)・三絃(菊聖先生) |
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今回は5月だというのに珍しく台風の接近もありましたが、いつも通り満員のお客様でした。
「秋の風土記」ですが、意味合い的には「秋の秋津島の風土記」と、考えてください。
そのむかし大和の国、日本のことを秋津島と呼んでいました。秋の日本の風土記を描いた曲
になっています。第1章では晩秋の静かな風景を、第2章はお祭などの明るい風景を描いています。
次は珍しく菊重先生の宮城の曲「春の夜」です。実は先生は大学時代に須山先生から習い、
宮城曲もお好きなそうです。一般的にこの曲の一は平調(E)で演奏されますが先生は男性で声も低い
ので、本来の壱越(D)で演奏されました。
今回の菊聖先生の古曲は三絃(六下り)と低箏を使った、「茶音頭」と「山姥」です。三絃の六下りの
曲はあまりなく、他には「住吉詣」ぐらいです。また、「茶音頭」の箏では、後唄で中空調子から平調子
への転調もあり、当道会の小授導の試験課題曲では厄介な曲だそうです。
最後は本当に珍しい「山姥」です。地歌の中でもかなり古く元禄年間に出来た曲です。
曲の内容は、善光寺参りに出た遊女が山の中で迷子になったときに気の優しい老姥が面倒を
見てくれるといった話です。山姥というと、「安達ケ原」の人を食べる恐ろしい老女を想像しますが、この
曲ではまたそれとは異なった描写になっています。他の曲では鉞かついだ金太郎の母親といった
設定のものもあります。 |
[第13回 Photo Gallery] |
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「秋の風土記」の菊重先生と西村さん |
「秋の風土記」の田中さんと菊重先生 |
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「秋の風土記」の腰の痛い阪口さん |
「春の夜」の唄う菊重先生 |
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「茶音頭」の菊聖先生 |
「山姥」の中萩さんと菊聖先生 |
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