[第9回Report]                                                    平成14年5月29日(水)
ゲスト・助演:中萩 あす香さん・阪口 夕山さん・田中 佐和さん・西村 亜希子さん
演奏曲目
1.心〜いのち果てしものたちへ〜(菊重精峰):箏1・尺八1
2.ムー大陸(菊重精峰):箏1・三絃1・十七絃1
3.みだれ(八橋検校):箏2
4.笹の露(酒):箏1・三絃1・尺八1
 菊会も第9回を迎え、次回はいよいよ第10回と二桁へ突入となり、定番となってまいりました。
これもひとえにお客様、菊聖菊重両先生方、そしてゲスト、助演の方々のおかげと大変感謝しております。
今後、20、30回と続けて行きたいと思っておりますのでよろしくおねがいします。
 さて今回も阪口先生の助演のもと始まりました。ちなみに、その阪口先生、今年も九州の長谷検校コンクールで
奨励賞を受賞されたそうです。おめでとうございます。で、曲のほうは、菊重先生作曲の「心」です。この曲は、
書家をされている先生のお父様が、3年前の9月に「筆心塔(筆塚)」を建てられたときに、そこから一文字「心」と
言う文字を頂いたそうです。鎮魂歌(曲)的に作曲されたそうですが、曲の中ほどには、激しく燃え滾っている
部分もあるそうです。3年前に作った割には舞台に上げた回数が少ない曲でちょっとこわごわだそうです^_^;
 2曲目は続いて菊重先生作曲の「ムー大陸」です。音大の後輩からの依頼で作曲されたそうです。
実在するかしないかわからないムー大陸を邦楽界の目に見えない頂点に例えて、それに向けて励んでほしい
という先生からのメッセージが込められているそうです。
 3曲目からは菊聖先生の出番です。「みだれ」(十段の調)は大阪組歌の裏組みにある曲です。昔組歌は、
最後まで習わなければならないという血判を師匠と交わさなけらばならないものでした。今は、各流派から楽譜
も出ていますが、三味線の組歌としては、菊原先生の筋しか残っていなかったそうです。
 4曲目は、酒を称えた地歌の中でも明るく楽しい曲になっています。掛け合い(箏のみ、三絃のみ、尺八のみ
の交代ごうたいの演奏の繰り返し)が100回前後もある曲です。そこが、酒のやり取りをしている場所になっている
そうです。演奏していて酔っ払えるような感じになれば楽しく聞いてもらえるのではないでしょうか、とのことです。
地歌の歌詞は何を歌っているのかよくわからない曲が多いのですが、この曲はわかりやすいので、親しみやすい
そうです。
 最後に菊聖先生の宣伝です。NHK教育の「芸能花舞台」に「狸」で出演されます。
日時は6月1日(土)午後1時45分〜・6月8日午前5時15分〜・6月10日午前0時15分〜
です。お時間があれば是非ご覧ください。                                       -H.N-