森づくり集団「里ネット」を紹介するペ−ジです。
自然の好きな皆さんを対象にしています。

             第四「里ネット」

  山の風・谷の音  
 


(1)活動の経緯:
   
  昭和60年4月1日設立っし、環境保全活動を開始しました。平成5年11月  
 所沢市より、「市民参加による雑木林管理」を共に実施したいという誘いが
 あり、森林ボランティア活動を開始しました。所沢市は開始後2年で活動か
 ら手を引き、以来、独自に活動を展開して今日に至っています。
  森林ボランティア活動を開始して、12年になります。


(2)主な活動と活動の内容

 どの活動も、メンバ−だけではなく、一般の方にも解放しております。

 [1] 小学生の森林教室

   「小学生の森林教室」(自然ふれあい体験教室)においては、親子の参 
  加を条件とし、実施ごとに10組約20名を限度に指導します。これに対し、
  森林インストラクタ−、森林ボランティアリ−ダ−4〜5名で指導します。
   季節により作業内容は変化しますが、
   (1)森林内の観察
   (2)伐採(親を対象)
   (3)下刈り(生徒対象)
   (4)安全についての指導
   (5)森林利用上の注意
   (6)森林内でのル−ルの指導
   (7)簡単な木工の体験
  などを行います。
   その都度、特に「コナラ林」については、独自の資料を作成し、頒布し
  ています。 

 [2] 林業スク−ル

 (1) 林業スク−ル

  里ネットの中心の活動で、林業の知識、技術、知恵を教えながら、コナラ
 人工林の再生作業を、「森林ボランティア活動」で実施しています。当初は
 ほぼ、マンツ−マンで技術を指導し、その後は豊富な経験を積むよう、3,
 4人がグル−プになり、森林インストラクタ−の指導を受けながら、伐採や
 下刈りの作業をします。月間2〜4回活動しています。単なる森林ボランテ
 ィア活動ではなく、教育的要素がきわめて強い点が特徴です。
  ときにはグル−プ全員が森林インストラクタ−ということもあります。全
 グル−プを大森が巡回してアドバイスしています。(所沢市下富)

 (2) 林業スク−ルin里美村

  茨城県で実施する「林業スク−ルin里美村」では、竹林整備(タケノコ掘
 り:毎回200本以上掘る)、スギの間伐、下刈り、青空教室、雑木林観察会
 を行っています。ここでは、所沢で修得した技術を生かした作業をすること
 にしています。2泊3日。「大中」拠点に宿泊します。
 
 (3) 林業スク−ルin里川

 「林業スク−ルin里川」では、拠点の整備、スギ枝打ち、間伐を行い、青空
 教室を実施します。昨年の青空教室では、堀内孝雄氏、荷見泰男氏、弓野寛
 氏が講師を努められ、弓野寛氏(元日立製作所勤務の技術者)の目立ての名 
 人芸が注目を集めました。2泊3日。旧里川小学校を改造した、「森の寺子
 屋」に宿泊。
 「林業スク−ルin里川」はこのほかにも随時開かれ、そこでは、森林作業を
 行っています。
 
 (4) 林業スク−ルin飯綱
 
 「林業スク−ルin飯綱」では、村営のコテ−ジを宿舎に、飯綱東高原のカラ
 マツ林で、カラマツや雑木の伐採、下刈り、高山植物の観察などを実施して
 います。

 [3] エコ・ツア−

  大森が中心となり、著名な森林、植物園、自然公園、自然豊かな低山(標
 高1500m以下)等へ出掛けます。5〜10kmのコ−スを選び、ゆっくりと歩き
 ながら、森林、林業、生物、生態系、環境。寺社、碑石、民俗、歴史、村落
 などについて、嘱目のテ−マを生かして解説します。内容の多彩さから、多
 目的森林ハイキングと呼んでいます。
  毎月実施しています。

 [4] 森林インストラクタ−養成講座

  森林インストラクタ−資格試験受験のための講座です。毎月第4日曜日の
 13:00〜17:00に、所沢市松が丘2-51-2 松が丘西集会所を会場にして行って
 います。試験科目の内、森林と林業を講じています。講師は大森孟および神
 座侃大。
  15回で一巡します。当初は千葉、横浜、金町、川越、川口、奥多摩でも講
 じていたのですが、今は所沢だけに縮小しました。講座出身の森林インスト
 ラクタ−は、すでに60名を越えています。

 [5] 地球環境問題学習講座

  地球環境問題の実態を学ぶ講座で、毎月第4日曜日10:00〜12:00に、上記
 と同じ松が丘西集会所を会場にして開いています。講師は大森孟。三菱総合
 研究所環境研究部の社外スタッフとして、環境関係の仕事をしてきた経験を
 生かして、温暖化、砂漠化、酸性雨、水文、ダイオキシン(内分泌撹乱物質)、
 環境基本計画等のテ−マを講じています。 

 [6] 森林ボランティアリ−ダ−の認定

  森林・林業・地球環境問題・安全・動植物、その他について熟知し、林業 
 技術・野外活動の指導・解説力等を考査し、総合力抜群の者を、「森林ボラ
 ンティアリ−ダ−に認定しています。名前だけの指導者ではなく「できる指
 導者」を目指しているのです。「里ネット」の森林ボランティアリ−ダ−は
 「できる」ことが条件です。
  名誉森林ボランティアリ−ダ−、森林ボランティアリ−ダ−、初級森林ボ
 ランティアリ−ダ−の三種類の認定を行っています。
。

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(3)私たちの活動の具体的目的

 (1)森林を祖先の知恵に従い、祖先の残した技法で、本来の姿に戻す。
 (2)森林を昭和30年以前の姿に戻すことにより、森林内の生態系を豊か   
    に保ち、生物の多様性を保全する。
 (3)作業をしながら、参加者に祖先の知恵、森林利用上のル−ル、祖先の
    残した技法・技術、森林管理の在り方を伝え、森林管理と豊かな生態
    系との関連、生物多様性の保全などの学習を行う。
 (4)同一のフィ−ルドで作業に参加することにより、管理の結果、森林が
    どう変化するのかを理解してもらう。
 (5)森林管理の技術や森林利用のル−ルを後世につたえる。
 (6)口先だけではない、高度な知識を持つできる専門技術者を世に送り出
    す。


(4)活動の概況

  [1]  埼玉県所沢市下富原
     活動の規模:活動日数40日、参加のべ人数400人
     活動に至った背景や経緯の概略:
      地主2人から、落ち葉が採取できる森に再生したいと相談を受け、 
      10年の約束でコナラ林再生を引き受け、今年で9年になります。
     活動の目的と活動内容の概略: 
      コナラ林再生が目的、その過程で植生調査、林業技術指導、森林イ
      ンストラクタ−の研修を行っています。
 
  [2] 茨城県常陸太田市大中町根岸
     活動の規模:活動日数3日 参加延べ人数30人
     活動に至った背景や経緯の概略:
      スギ・ヒノキ人工林の作業もしたい、という参加者の願望を実現し
      たものです。地主に頼み、スギ人工林の間伐、竹林の整備、コナラ
      林再生の作業を行っています。管理地内の観察会、青空教室も実施。
      活動の目的と活動内容の概略: 
      技術研修が目的。[1]で学んだ技術を駆使して、選木、伐倒方向決定、
      安全確認、伐採という順序で各自間伐を行っています。
 
    [3]  茨城県常陸太田市里川町岡見  
     活動の規模:活動日数10日 参加延べ人数80人
     活動に至った背景や経緯の概略:
      [2]の青空教室の講師の一人が地元の林業家で、メンバ−の技術力を
      評価され、複層林の手入れに助力を求められました。一昨年から技
      術力のある者が中心に参加して活動しています。
     活動の目的と活動内容の概略: 
      ハイレベルの林業技術習得が目的。主に低層の20年生のスギの枝打
      ちおよび捨て切り間伐を選木から実施しています。
 

 
(5)森づくりの方針    
  
  伝来の知恵を生かし、林業の伝統的な手法を駆使し、伝統的な技法で森づく 
 りを、行っています。安全が第一、能率は第二の基本姿勢に徹し、無理はしな
 い、違法行為はしない、競争はしない、ノルマは課さない、季節に合わせた作
 業をするという姿勢を崩さず活動しています。今後もこの考えで森を管理して
 いきます。

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(6)「里ネット」の森林ボランティア活動の特色

  所沢市下富のフィ−ルド内には、放置林、管理を始めたばかりの林、コナ  
 ラの苗を植えて4年目の林、同じく9年目の林、先祖が残した典型的なコナ
 ラ林、などがあり、林相の変化をフィ−ルド内で見ることが出来ます。
  また、管理の進行に従って、林床の植生が多様化し、昆虫類が周囲とは異
 なり、豊富に生息し、その数が管理の進行度合いの違いによって、生息密度
 が異なることを体感出来ます。
  常陸太田市里川町の、日本一の複層林の中で活躍するメンバ−は「人生観
 が変わった」と言うほど、その美しさ、管理された森林の見事さに感動して
 います。また、竹林の整備では、竹の威力に辟易しながら、悪戦苦闘してい
 ます。タケノコをいくら抜いても効果がないのです。森林の放置がもたらす
 結果の恐ろしさを実感しています。
  こういう、蟷螂の斧にも似た努力、蝸牛の跡のような進捗度、しかし、着
 実に成果の上がることを実感しながら森林ボランティア活動を進めているの
 は私たちぐらいではないかと思っています。
  前全国森林インストラクタ−会会長の堀内孝雄氏(農学博士)は、私たち
 の活動を目の当りにして、ノンプロでは「この連中は日本一ではないか」と
 驚嘆されていました。(*1)
  また、これを見ていた林業家の前里美村村長の荷見泰男氏からは、複層林
 の枝打ちと捨て切り間伐に力を貸して欲しいと声が掛かり、以来、里川町で
 大活躍をしています。(*2)
  高い技術力、高度な知識を兼ね備えた、森林インストラクタ−30名を擁
 する点は里ネットの一大特色です。
  (*1)住宅と住宅の間の崖の上にある、樹齢110年のスギの大木3本を牽
    引具を使わず伐倒した、見事な作業ぶりを見ての感想。  
  (*2)里川町の活動については、2004年の大日本山林会の会誌「山林」11
    月号に荷見氏により紹介されています。


(7)知って頂きたいこと 

  私たちの森づくりの大前提は、「生物多様性の保全」です。作業は、その  
 前提に基いて行っています。作業の目的ははっきりしています。一つはコナ
 ラ・クヌギ林の再生であり、もう一つはすでに出来上がっている杉の林の管
 理です。
  前者では、崩壊状態の森林からコナラ・クヌギとごく少数の樹種を残し、
 他は除伐してしまうだけです。また、後者では、選木と間伐、選木と捨て切
 り、残りを枝打ちするだけです。難しい計画は要りません。昔から先祖たち
 がしてきた方法を取るだけで十分です。従って、私たちは、季節になれば、
 季節の仕事をします。それで、生き生きとした森が生まれてきます。
   私たちのグル−プは単に森林ボランティア活動だけをしているのではなく、
  その過程で、専門技術者としての森林インストラクタ−の養成を目指してい
  ます。
  自前の養成講座から60名の森林インストラクタ−を出し、その半数がこの
 活動に参加し、実践的な力を身につける努力をしています。そのため、毎月
 質の高い技術情報を作り、参加者の研修に役立てています。
  作業に当たっては、必ず、全体を見る指導者が居り、巡回しながら誤りを
 正し、注意を与え、その場で正しい技術を個別指導しています。参加者は初
 心者であれ、経験者であれ、誤りがあれば、指導を受けることになります。
 他のグル−プでの経験は評価に値しないときには初心者とみなし、指導をし
 ています。何年の経験を持っていても、また、森林インストラクタ−であっ
 ても、技量に問題のある者は、初心者として指導しています。
  里ネットでは、知恵・知識・技術の優れた指導者の養成を心がけているの
 で、指導者になろうとする方には、森林ボランティア活動の過程でも、十分
 研鑽を積んでもらうことにしています。私たちの活動には、このような点に
 特色があります。
  森林内の作業は、死と隣り合わせの危険な作業です。安全については特に
 留意し、規則に反する行為、無視する行為は容赦しません。安全面について
 は特に厳しい態度をとっています。そのお陰で、森林ボランティア活動開始
 以来、広大なフィ−ルドで、これだけ多くの樹木を伐採し処理して、実績を
 上げてきたにもかかわらず、数人が擦過傷程度の怪我をしているのみです。
 これは安全管理の徹底の賜物です。
  最後に生物調査についてですが、開始時に一日処理する程度の面積を何箇
 所かとり、植生調査を実施し、二年ごとに再調査して変化を見ています。昆
 虫などに関しては、再生作業地が数量的に、周囲とまるで違う生物生息量に
 なることが、調査の結果分かっています。

 
(8)伝えたいこと

  日本の「森づくり」には、2000年以上にわたる先祖の知恵が生きています。 
 わずかな時間森に触れ、森をいじってみたからといって、森や「森づくり」
 が分かるというものではありません。
  謙虚に先祖の知恵、手法、技術に学んで「森づくり」に励むことが、一番
 簡単で、一番確実な森づくりの方法です。10年余にわたり、私たちはそれを
 実践してきました。特にコナラ・クヌギ林再生の作業では、先祖から伝わっ
 た手法が、いかに有効であるかを身をもって体験しました。
  その結果、周囲とは比較にならない生物量のコナラの林を目の辺りにする
 ことになりました。予想はしていましたが、これほど早く生態系が復活する
 とは考えてはいなかったのです。先祖の知恵を生かし、伝来の手法で「森づ
 くり」を実践することの大切さを後世に伝えたいと考えています。


   ご質問やお問い合わせは、手数でしょうが、下記の要領でお願い致します。  
   
              
              


04/11/25,05/02/28更新


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