健康的な生活 [鍼と灸]−1
鍼と灸(はりときゅう)
Acupuncture and Moxibustion |
人間のからだには、経絡というエネルギーの通り道があります。身体を縦に走るのが経
脈で、経から枝分かれして、からだの表面を横に結ぶのが絡です。東洋医学では全身を網
の目のように覆う経絡の循環に滞りがない状態が健康とされており、鍼灸はそれを手助け
する療法です。宋の時代以降にまとまった理諭では12の正経は太陰・少陰・蕨陰
(けついん)といわれる三陰と、太陽・少陽・陽明の三陽がそれぞれ手と足を走り、
からだのあらゆる器官を連結するとされています。
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エネルギーの流れを調整する鍼灸
鍼灸は、経絡という考え方をもとに、経穴(ツボ)に鍼や灸を施し、からだが
本来もっているエネルギーの流れを調整することで、各器官の働きを正常に戻す
東洋医学の療法です。
経絡とは、人のからだに張り巡らされだ、生命エネルギーのネットワークのこ
とです。身体を縦に走り臓器と深くかかわる経脈と、経脈から枝分かれして体表
を横に結ぶ絡脈とで構成されています。諸説がありますが、代表的なものとして、
12の正経と任脈(にんみゃく)、督脈(とくみゃく)、15の絡が全身に
くまなく通っていると考えられています。
東洋医学でいう生命エネルギーとは、気・血・水を指し、特に「気」に重きが
おかれています。経絡は、そのエネルギーを各器官に供給し、機能を調節するこ
とで、基本的な生命活動の重要な役割を担っているということになります。健康
とは、経絡に滞りなくエネルギーが循環している状態を指すのです。
一般にツボとよばれる経穴のほとんどは、経絡上にあります。その数は360を超
え、営気(栄養となる気)と衛気(からだを守る気)が循環する経絡の要所です。
経穴は、生命エネルギーが集中する点であり、同時に病気に反応したり、外から
の病原が侵入するところでもあります。
その要所が誠灸の施術部位になるのです。
例えば、からだのある器官に不調をきたしたとしましよう。その信号は、潟(しゃ)
(不要分を出す)が必要な陽性的な「実」の状態か、補(補う)が必要な陰性的な
「虚」の状態として、経絡を通じてツボに現れます。鍛灸によってツボに療法を施
し、生命エネルギーの流れを整えると、その器官の働きも正常に戻るのです。「実」
には鍛、「虚」には灸が適しているとされてますが、両方の施術が必要な場合もあ
ります。不調の前兆は、経絡や経穴に現れることもあります。東洋医学ではその
疾病の前段階を「未病」といい、誠灸で予防可能なものとしています。
いわば、経絡はからだを巡る道路で、 | |
健康的な生活 [鍼と灸]−2
経穴は信号です。鍼灸は気・血・水の生命エネルギーを絶え間なく流す交通整理
員といったところでしようか。
鍼灸はどうして効くのか
経絡の概念に基づいて、経穴に施術するのが鍼灸です。これは約2千年前に直
感的、経験的に形づくられた中国の伝統医学です。近年では、経絡の仕組みや鍼
灸の効果などが科学的、西洋医学的にも理解され始めています。
気・血・水が循環する経絡は、解剖学的には血液と神経系統、リンパ液の循環
と考えられます。ここでは、それをもとにして鍼灸の得意とする鎮痛作用と内臓
調整作用、血流改善作用の仕組みを説明します。ただし、これらの仕組みにっい
ての研究は進められている途中です。鍼灸は、科学的に解明されているとはまだ
いえない療法なのです。
■鎮痛作用
鎮痛は、メカニズムの解明が期待される鍼の作用の一つです。痛覚だけを麻蝉
させ、副作用の心配がないので、中国では外科手術などに応用されています。
鍼をツボに刺すと、痛みは神経を通じてまず脊髄に送られます。脊髄は痛みの
部位によって情報を整理し、脳へ伝えます。そこで脳は、いっまでも痛みを感じ
続けないように反応を起こすのです。神経線維のっなぎ目で、体内モルヒネとも
いわれる「痛み止め」であるβ−エンドルフィンを遊離させます。
■内臓調整作用
生命体にはホメオスクシスとよばれる機能があります。温度や姿勢、外からの
刺激などにより変化する体内の環境を、一定に保とうとする働きです。からだの
ある部位の変化を察すると、神経、内分泌、筋肉など、体内のあらゆる構造がか
らだを元に戻そうと動きだします。鍼灸は神経を刺激し、内分泌を促すなど、ホ
メオスタシスの機能を利用するのです。鍼灸が、からだに治す力を与えるという
のはこのようなことからです。
■血流改善作用
肩こりや冷え性は、鍼灸で治療する代表的な症状です。ホメオスタシスの働き
が血行を正常化し、こりをほぐし、体表
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温度を止げます。赤外線やホットパック
などの温熱療法に比べ、低周波鍼通電療法を使ったほうが、より効率的に体表温
度を上げることがわかっています。
治療の実際
鍼灸は鍼と灸に分けられます。併用すると最良の結果を生み出すことが多いた
め、併記しているのかもしれません。しかし、鍼、灸を単独で使用することもあ
ります。
■鍼治療の方法
一般的に使われている鍼は、柄のついた亀鍼です。長さは柄を除いて4cmから5
cmまで、太さは0.2mm程度のものが多用されます。そのほか、やや太さのある中
国鍼や、2〜5mm程度の鍼を皮層に刺して絆創膏で固定する皮内鍼などがありま
す。素材はステンレスや銀が多く用いられます。
日本では、江戸中期に杉山和一が考案した管鍼法を亀鍼を用いて行うことが多
いようです。鍼より2〜3mm短い鍼管という管に竜鍼鍼を入れ、皮庸に立てます。
次に柄をトントンと軽くたたき、鍼先を
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皮下数mmまで入れてから鍼管を抜きま
す。必要に応じた深さまで刺すのはこれからですが、すでに鍼先は一番痛い皮肩
表面を過ぎているのでほとんど痛みは感じません。ただ、皮庸の表面ではなく、
奥のほうが熱くなるように感じたりもします。鍼は留鍼として刺したままにし、
その間、治療者が鍼を回しだり、押し引きすることもあります。それは捻転行鍼
とよばれ、効率よく刺激する方法です。また、鍼に電気を流す通電療法も行われ
ています。
■灸治療の方法
灸治療はヨモギの葉を綿状にしたもぐさを使います。軽いやけどを起こさせる
有痕灸と、皮庸を温める温灸の二っに分けられます。
有痕灸で一般的なものは、米粒の半分以下の大きさの糸状灸です。これをツボ
に据え、火をつけます。一時的なやけどを起こし、皮層表面のだんぱく質を変化
させて気の流れを整えるのです。熟練者が的確に据えると、熱さを心地よく感じ
るうえに、あとも残りません。
温灸には、もぐさと皮層の間にショウ
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健康的な生活
[鍼と灸]−3
ガやみそや塩などを敷く灸と、皮膚の上に直接大きなもぐさを置いて点火し、熱
さに耐えられなくなったら、もぐさを取り除く知熱灸があります。これらはやけ
どを起こさず、温熱と滋養分の吸収を目的とした灸です。ほかに、紙に包んだも
ぐさでツボをあぶる方法や、ツボに刺した鍼の柄でもぐさを燃やす灸頭鍼などが
あります。いずれも刺激的な熱さはなく、からだに温かさが広がる感触で気を満
たします。
灸は専門家でなくとも、家庭で行うこともできます。もぐさは薬局で市販され
ていますから、試してみてください。
鍼灸の適応
■得意とする疾患・症状
西洋医学の基本的な考え方は、臓器を部品とみなし、人体はその集合体ととら
えるものです。そして、病気とはある部品の故障とみなします。故障を発見する
ためには、検査を繰り返し、異常を探しだす、言い換えれば悪くなっている器官
を特定し、その原因を調べ、その器官を集中的に治していきます。
一方、束洋医学は、人体をさまざまな臓器からなる恒常性(体内バランス)維
ワンポイントアドバイス
鍼灸をしてはいけない場合
WHOが鍼灸が効くど認めだ症状であつたとしても、どんな場台も治
療を受けでよい上いうことではありません。複数の病気が複含して起こ
っているときもあるからです。いつもの癒状以外に、河が別の秩態が現
れているのに鍼灸の治療を受けると、がらだが楽になるどころか、かえ
ってだるさが増すこともあります。
鍼灸治療を避けたほうがよいのは、次のような場台です。
○妊娠3か月以内、出産3か月以内
○飲酒後、酔いが残つているとき
○伝染病の疑いがある場台
○高熱を発している場合
○原因不明で、重い状態の場合
○衰弱し、生気に欠けている場合
○血圧が異常に高いときや、低いとき
○重い精神病がある場台 |
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鍼灸治療が得意とする疾患、症状・・・・・
神経系の疾患
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神経痛、神経麻酔、神経症、自律神経失調症、脳卒中後遺症、不眠
症、頭痛など
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感覚器系の疾患
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仮性近視、眼精疲労、耳鳴り、難聴など
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運動器系の疾患
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変形性関節症、リュウマチ様関節炎、頚椎症、五十肩、腰痛、肩こり、
腱鞘炎、変形性脊椎症、椎間板ヘルニヤ、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症など
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循環器系の疾患
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本態性高血圧症、動脈硬化症、低血圧に伴う諸症状、冷え性
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消化器系の疾憲
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慢性胃炎、食欲不振、神経性消化不良、便秘、下痢、痔疾
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呼吸器系の疾患
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気管支ぜんそく、鼻炎、感冒、反復性篇桃炎など
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泌尿器系の疾患
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慢性前立腺炎、慢性膀胱炎など
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小児疾患
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夜尿症、夜驚症、消化不良など
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婦人科疾患
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月経困難症、月経前症候群、更年期障書、逆子
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WHO(世界保健機関)が、鋤灸治療が効くと認めている症状を表にま
とめました。これからもわかるように、本態性高血圧などの末梢循環障書や、
腰痛などの疼痛性疾患、神経痛や、自律神経機能異常による症状に対して、
鍼灸は効果的です。
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持機構で、病気とはこの体内バランスが崩れることから発生する、と考えていま
す。自他覚症状、身体機能の異常、体質などを参考にして、一人一人の「証」を
決め、治療の対象とするのです。東洋医学とは、症候と生体の反応などを観察し
て対応する治療医術として発展した治療術といえます。
「病院に行っても治らなかった足のしびれが、鍼灸を試してみたら効果があった」
という場合は、西洋医学でいう部品に問題はなくても、東洋医学の視点でみて生
体バランスの乱れが生じていることになるのです。
■鍼灸が向かない疾患・症状
鍼灸治療を受ける際、最も重要なのが、症状の適応性の選択です。これを誤ると、
治療効果が期待できないどころか、悪化してしまうケースがあります。
例えば腰痛は、一般的に鍼灸にとって一番適応性があると思われています。と
ころが、骨髄のがんや、椎骨に異常があるときなどは、鍼灸治療で治せないこと
もあります。
がんや細菌感染による病気、循環器や外科的な処置を必要とする重症な疾患、
進行度が高い病気は、鍼灸の効果が期待できないことがあります。
一般的には、西洋医学の検査によって原因をつかめないのに、その症状は存在
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している、という場合には、鍼灸を試してみるとよいでしよう。
■どんな鍼灸師を選ぶか
街中では、鍼灸治療院の看板をよく目にします。しかし、からだに直接鍼を刺
したり灸を据えたりして治療するのですから、慎重に選ぶことが大切です。
まず、清潔であるか、衛生的であるかをチェックしましょう。消毒器や滅菌器
が置いてあるかを見ればわかります。また、鍼は患者ごとの専用鍼かディスボー
ザル(使い捨て)を使用しているかも、重要なポイントの一つです。次に、初診
の際患者の話をじっくり聞き、診察に時間をかけているか、そして、症状に対し
て納得のいく説明をしてくれるかどうかです。そのときにカルテにきちんと記載
しているかもチェックボイントです。そして、「どんな病気にも効く」とか「鍼灸
は万能」などといっているような減灸師は敬遠することです。
以上の点に注意して、信頼できる鍼灸治療院・減灸師を選んでください。
東洋医学と西洋医学の融合
からだに起こる異変は、すべてが検査によるデータとなって表れるわけではあ
りません。逆に、はっきりと症状の原因がわかることもあります。つまり、束洋
医学の場合、慢性的な疾患や症状を緩和
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健康的な生活
[鍼と灸]−4
知っていましたか
鏡灸は歯の治療にも役立つ
東洋医字は、慢性の痛みに最も効果があるが、即効性は望めないと考
えられてきました。しかし、使い方によつては、急速に痛みを取ること
もできるのです。
その特質を利用して、治療に役立てているところがあります。
ツボを刺激することによって、小児の無痛治療を行っている歯科医院
です。麻酔を使うことなく治療ができれば、歯科医に通うのも苦痛では
なくなります。
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させ、治癒に向かわせることを得意とし、西洋医学は急性期の病変に効果的といえ
ます。
中国では、2種類の医科大学があります。一方は、西洋医学・現代医学を勉強
する医科大学で、ここを卒業し医師になると、「西医」とよばれます。もう一方は
漢方や束洋医学を中心に学ぶ中医大学、あるいは中医学院で、「中医」という医師
になるのです。どちらの学校でも、お互いの学間を学びます。これを「中西結合」
とよぶのです。これは、現代医学の長所と、東洋医学の長所を結びっけて、患者
にとって最善の道を選ぶという目的から始まっています。この考え方が日本でも
広がりつつあるのです。
薬でも同じことがいえます。両洋薬は即効性があり効きめは強いのですが、副
作用も多くなってしまいます。反対に漢方薬は即効性は足りませんが、適切に使
えば副作用はほとんどなく、慢性病や高齢者にとって最適といえます。両方を併
用することによって、副作用を抑え、しかも効果の上がる治療ができるのです。
まとめ
鍼灸治療は、東洋医学の核の一っをなしています。その歴史は西洋医学・現代
医学よりはるかに長いのです。
西洋医学の進歩は目覚ましく、10年前には常識だった治療法や薬が、今ではま
ったく使われなくなったという話を聞きます。
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MEDIFILE
Q&A
[メディ・フアイルQ&A]
Q |
鍼灸治療に健康保険はききますか?
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A |
鍼灸治療は、原則として自由診療のため健康保険はききません。ただし、い
くつかの条件をクリアすれば可能になります。まず、神経痛、リウマチ、頚
腕症候群、五十肩、腰痛などの慢性の痛みを伴う疾患であり、医師の治療を
]か月以上受けた場台で、医師から前記のなかの病名で保険請求が出された
ときです。そして、鍼灸治療の同意書を医師に書いてもらえば可能になりま
す。だたし、治療期間は一つの病名で最高6か月まで、治療回数は、最初の
月が15回、それ以降は月]O回以内です。しかも、保険で鍼灸治療を受けて
いる場台、同じ病気については、医師の保険治療は受けられないようになっ
ています。
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Q |
鍼で感染することはありませんか?
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A |
その心配は一切ありません。治療用の鍼は一般的に、三つの方法で管理され
ています。ますは、一定の数量の鍼を用意し、滅菌処理とたんばく除去、そ
して金属疲労に細心の注憲を払い、何度も利用する方法です。鍼灸師の選び
方でも触れましたが、滅菌などの機材がきちんと揃っていれば安心です。次
に、患者個人の専用鍼を使用する場合です。ここでも、先に挙げたような注
意を払っています。そして、三つめはディスボーザル(使い捨て)の鍼を使
用し、1回ごとに使い捨てにする方法です。これは鍼メーカーの責任で滅菌
包装されているので、一番安心できる方法といえるでしよう。以上のどの方
法をとっているかは、鍼灸師に直接聞いてみることです。
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Q |
灸は熱くありませんか? あとが残りませんか?
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A |
悪いことをした人に対して「灸を据える」という言葉があることでもわかる
ように、熱さがないといえば嘘になります。皮膚の上にもぐさを載せて燃や
すわけですから、ある程度熱いのは仕方ありません。
ヨモギの葉からつくったもぐさは、上質のものならば、穏やかな熱さが皮膚
に浸透する程度です。また、一般的な灸は、糸状灸といって米粒の半分以下
のもぐさを使います。熱いといつても跳び上がるほどではありません。
あとについてですが、治療後に赤く斑点状になることはあります。また、か
ぶれることもあるのは事実ですが、基本的にあとは自然に取れます。かぶれ
をかいたりすると、あとが残ることもあるので、気をつけてください。
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急性心筋梗塞やくも膜下出血、がんといった治療の急を要するもの、原因とな
る部位がはっきりしているもの、患部を取り除いたり、ほかの器具や組織によっ
て補わなければならない場合などは、西洋医学の治療を受けなければなりません。
しかし、原因がはっきりしなかったり、西洋医学の治療で効果の上がらなかった
症状に対しては、鍼灸治療を試みるのも
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一つの方法でしよう。症状や自分のからだの状態に応じて、適切な治療法を選ぶ
ようにしだいものです。
一昔前まで、民間療法にすぎなかった鍼と灸が、今、人々の健康に大きく寄与
すべき基盤ができ上がりっっあります。
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