この冬は暖冬に見せかけて、突然寒波が到来し雪を降らすような、意地悪な寒さ
です。地球温暖化で、一年を通して気温がやや上昇しているので、暖冬傾向なので
しょうが、不意打ちの寒さに身体を調整するのに苦労します。
◆ 今冬はしもやけが流行中!
この不意打ちの寒波襲来のせいか、今年はしもやけになる人が多いようです。寒
波が接近し雪が降るとどうしても悪化します。華岡青洲創案の紫雲膏を塗り患部を
よくマッサージしましょう。漢方の内服薬では当帰(とうき)四逆(しぎゃく)加呉茱
萸(かごしゅゆ)生姜湯(しょうきょうとう)が、身体を温め末梢血行をよくします。
インフルエンザがやや流行ってきましたが、昨年程ではないと予想されます。一
方ノロウイルスはすっかり有名になりました。年末年始には急性胃腸炎が毎年流行
します。忘年会や新年会などで、胃腸に負担をかける機会が多いところに、このノ
ロウイルスが隙を狙ってくるのです。このウイルスは決して怖いものではありませ
んが、高齢者や子供には注意が必要です。なぜなら高齢者や子供は免疫抵抗力
が弱いこともありますが、水分摂取量が不安定で脱水症状を引き起こしやすい
からです。一般に大人では食事(食材に含まれる水分)から一g、さらにお茶やコ
ーヒーなどの飲料物から一g摂取して、合わせて2gの水分が一日に必要といわれ
ています。高齢者は食事量が減るため、一日の総水分摂取量も減少します。食欲が
なくほとんど食べられない状態では、総水分摂取量は半減します。このような場合
は飲料物を倍量にするよう心掛けなければ、すぐに脱水状態に陥ってしまいます。
スポーツドリンク(イオン飲料)や汁物、スープなどを、小まめに飲ませるよ
うに気を付けましょう。
◆ ノロウイルスに漢方を!
急性胃腸炎による悪心嘔吐や下痢には、半夏(はんげ)瀉心湯(しゃしんとう)がよ
く効きます。さらに腹痛がある時は黄今湯(おうごんとう)を服用します。水を飲ん
でも吐いてしまう時は、五苓散(ごれいさん)をお湯溶きして、その上澄みをお猪口
一杯ずつ服用すると、吐くことなく飲水ができるようになります。下痢や嘔吐を漢
方で早めに対処して脱水状態にならないようにすることです。また高齢者では嘔吐
物による窒息も注意しなければなりません。予防策として手洗いやうがいをするこ
とは当然ですが、食事に生姜やネギなどの薬味を上手に取り入れることも急性
胃腸炎の予防に役立ちます。
◆ 妊娠と出産
少子高齢化の時代にあり、出産と子育ては女性だけの問題ではなく、皆で考えな
ければなりません。