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た、風邪を契機に突然息苦しさや意識障害などを起すことがあります。これは慢性心
不全の急性憎悪といい、高齢者では注意が必要です。
◎ 心臓病によい漢方薬
冠心調血飲(かんしんちょうけついん)
心臓の働きを高め、血液の流れをよくして、動脈硬化を防ぎます。血圧が高く頭痛
や肩こりがある方に最適です。
カ呂薤白酒湯(かろがいはくしゅとう)
胸から背中への痛みと息苦しさを感じる。狭心症・心筋梗塞・心不全の予防に。
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◆ 心臓の疲労を早めに察知する!
左側の肩こりや首すじの張り、左肩甲間部の圧痛は、心臓が精一杯働いており、や
やオーバーワークで苦しい状態を反映しています。東洋医学の脈診をこの症状に加え
ると、心臓の働き具合や疲労度を察知することができます。高血圧から心肥大の脈は、
一般に大きく強く打ちます。動脈硬化が進み心筋が疲労している脈は、渋り抵抗があ
り硬い脈状になります。
心臓の働きが低下している兆候は、足のむくみや排尿状態に表れます。足のむくみ
は甲から脛に表れ、押すと凹みすぐには戻りません。排尿は日中の活動している時は
小便が少なく、夜間就寝すると増え、三〜四回もトイレに起床するようになります。
体を横にすると、下肢の血液循環が容易になり下肢の静脈血とリンパ液が回収され、
むくみを解消し、尿量が増えるのです。だるさが心臓不調の一番の兆候ですが、高齢
者の場合は慢性的にだるさがあり、心臓の症状としてのだるさを見落とすことがあり
ますので、むくみと夜間排尿回数をチェックしましょう。
◆ 東洋医学と心臓病
心臓マッサージは、脈が無く心停止状態に行う救急蘇生法です。この手法から分か
るように、外部からの押圧やマッサージなどの刺激は、心臓を動かすことができるの
です。鍼灸や指圧治療も、外部から身体に刺激を加えることによって、病気を治して
います。心臓病に関しても、心臓へつながる経絡とツボを使って治療して行きます。
胸部から腕内側には心包経という経絡があり、これは心筋や心臓を養う冠状動脈に
つながっています。腋の下から腕内側には心経があり、これは心臓鼓動のリズムやペ
ースの調節に関与しています。また、むくみには胸部から下肢の内側に走行する脾経
や胃経をマッサージし、静脈血やリンパ液の流れを促進させます。