【光和堂通信】第32号2003年秋季号(Vol.9,No.1)2003.11.03
[予防と早期治療のために]

 光和堂では、漢方薬や鍼灸の治療に先立って、問診を行い、さらに身体の様子を診 るために脈診や経絡診を行っています。
 まず問診では、現在つらいところ(主訴)の他に、今までの病歴や生活パターンなど をお聞きしています。

◆ 漢方の診察法

 脈診では、左右の手首の脈(橈骨動脈)を触れ、脈の速さ・強さ・大きさ・深さ・抵抗感 などを察し取ります。東洋医学独特の脈診法であり、検査機器や血液検査の技術が無 い時代から伝統的に受け継がれてきた技です。心臓病など循環器の病気だけでなく、 呼吸器や消化器の病気などの診察にも利用されます。さらに、漢方的な体質や病の原 因を探る上でも役立ちます。熟練技なのですが、皆さんの脈を診せてもらうことによ って、私もある程度自信がついてきました。
 経絡診とは、身体にあるツボを結んだルート(経絡)を触れて、病んでいる部位を探 る診察方法です。問診後、いすで肩や腕などをマッサージしながら行っています。経 絡は、主なものは手足それぞれに6本ずつと身体正中線上の前後に2本で、合わせて 14本あります。経絡は筋肉や血管、リンパ腺、神経などと密接に関連したところを 走り、手足の先から体内臓器まで連絡しています。これらの経絡上のツボを鍼灸や指 圧によって刺激することによって、筋肉や血管、さらにリンパ腺や神経にその刺激が 伝わり、筋肉緊張や痛みを取ったり、血行や、リンパ液の流れを促進したり、さらに 自律神経や内分泌腺に作用して、内臓の働きを調整することができるのです。

 秋はよい季節ですね、私は一番好きな季節です。でもこれから寒くなってくると、 血圧が上がりやすく心臓病など循環器の病気が起りやすくなってきます。

◆ 虚血性心疾患

 日本人の死亡原因No.2が、狭心症や心筋梗塞といわれる虚血性の心臓病です。虚血 性とは、心臓を動かしている筋肉(心筋)で、それを養うための血が虚すること、つま り不足してしまうことを意味しています。その結果、心筋はエネルギーが不足し、過 酷な状態で働かされ、息切れや動悸、胸痛や背痛などが起ります。それが続くといよ いよ心臓の拍動も止まりかけ、

不整脈から悪心や吐気をもよおし、顔面蒼白、チアノ ーゼを起こし、呼吸困難、ついには心停止の危機に達するのです。
 心筋に血液を送る血管を冠状動脈と呼びます。心臓は生まれた時から、24時間休 むことなく働いています。そのため常に新鮮で栄養のある血が供給されなければなり ません。虚血性心疾患では、心筋への血液供給の阻害が問題となり、その阻害要因に よって病名が付けられます。

◎ 医食同源 その7
『薤白』
(がいはく) ラッキョウ

血を散じ動脈硬化を防ぎ、  心筋の働きを高める。 心筋梗塞の方によい。

◆ 胸が痛い狭心症

 狭心症には、労作性血管攣縮性の2種類あります。労作性狭心症は運動や興奮し た時に、脈拍数が増えそれに伴い、心拍数が上がっていきますが、その勢いに心臓の 働きが付いて行けない状態です。胸痛が主で、10秒から数分でその痛みがおさまり ます。
 血管攣縮性狭心症では、心臓を養っている冠状動脈が一時的に痙攣し、心筋に血液 が届かず狭心症を起すのです。この痙攣は自律神経の異常から発生するようです。就 寝中の深夜から明け方に発生することが多く、安静時狭心症とも呼ばれています。

◆ 強烈な痛みの心筋梗塞

 狭心症は、一時的な心筋への血液供給不足ですが、心筋梗塞は慢性的な血液供給不 足です。冠状動脈が動脈硬化を起し、血液の通り道が狭くなり、ついには血管が詰ま り塞がってしまうのです。狭心症のような発作や短い胸痛、動悸や息切れ、首肩の痛 みを感じる場合もありますが、突然強烈な胸痛が襲ってくる時もあります。
 狭心症の発作に比べると症状は強く激しく、「胸をおしつぶされる」や「胸が引き 裂かれる」、「焼け火箸でえぐられる」などといった体感をして、死の恐怖に直面し ます。一刻も早く病院へ行かなくてはなりません。心筋梗塞の致死率は30〜50% といわれていますが、心臓の集中治療室のある専門病院へ入院すれば、その死亡率は 10%台といわれています。

◆ 高血圧症から心臓病へ

 心臓には4つの部屋があり、左心室という部屋から血液は全身へ送り出されます。 高血圧症では、左心室へかかる圧力が高くなり、この付近の心筋に常に大きな負荷が かかります。その結果心筋の運動量が増大し、徐々に心筋が肥大し、いわゆる心肥大 に陥ります。心臓が大きくなるということは、血液を圧し出す力量が増え、一時的に はよいようですが、長年の間には心筋の疲労が現れ、柔軟性がなくなり、隣の心房か ら血液を受け取り難くなります。
 このように高血圧から心臓病に進展する場合を高血圧性心臓病といいます。要する に心臓が働き過ぎてしまい、ついには心臓がダウンしてしまう心不全に陥りやすいの です。

◎自分でできる即効指圧 その32
       心臓病
心不全予防 肩胛骨の間にある心兪(左側)を手掌でさするようにマッサージします。 心臓の働きを高めてくれます。 胸痛 肩から腕の内側中央を走る心包経のゲキ門(げきもん)を強めに指圧します。か なり痛いと思いますが痛みがとれるまで指圧してください。

◆ 高齢者の慢性心不全 

 長年の高血圧症をもった高齢者の中には、慢性心不全になる人が多くいます。高血 圧とともに動脈硬化が進行し、心筋の疲労と酸欠が起っていきます。高齢者の場合、 症状は激しくないのですが、足のむくみやだるさ、急な体重増加などが起ります。

ま た、風邪を契機に突然息苦しさや意識障害などを起すことがあります。これは慢性心 不全の急性憎悪といい、高齢者では注意が必要です。

◎ 心臓病によい漢方薬
冠心調血飲
(かんしんちょうけついん)
 心臓の働きを高め、血液の流れをよくして、動脈硬化を防ぎます。血圧が高く頭痛 や肩こりがある方に最適です。
カ呂薤白酒湯(かろがいはくしゅとう)
 胸から背中への痛みと息苦しさを感じる。狭心症・心筋梗塞・心不全の予防に。

◆ 心臓の疲労を早めに察知する!

 左側の肩こりや首すじの張り、左肩甲間部の圧痛は、心臓が精一杯働いており、や やオーバーワークで苦しい状態を反映しています。東洋医学の脈診をこの症状に加え ると、心臓の働き具合や疲労度を察知することができます。高血圧から心肥大の脈は、 一般に大きく強く打ちます。動脈硬化が進み心筋が疲労している脈は、渋り抵抗があ り硬い脈状になります。
 心臓の働きが低下している兆候は、足のむくみや排尿状態に表れます。足のむくみ は甲から脛に表れ、押すと凹みすぐには戻りません。排尿は日中の活動している時は 小便が少なく、夜間就寝すると増え、三〜四回もトイレに起床するようになります。 体を横にすると、下肢の血液循環が容易になり下肢の静脈血とリンパ液が回収され、 むくみを解消し、尿量が増えるのです。だるさが心臓不調の一番の兆候ですが、高齢 者の場合は慢性的にだるさがあり、心臓の症状としてのだるさを見落とすことがあり ますので、むくみと夜間排尿回数をチェックしましょう。

◆ 東洋医学と心臓病 

 心臓マッサージは、脈が無く心停止状態に行う救急蘇生法です。この手法から分か るように、外部からの押圧やマッサージなどの刺激は、心臓を動かすことができるの です。鍼灸や指圧治療も、外部から身体に刺激を加えることによって、病気を治して います。心臓病に関しても、心臓へつながる経絡とツボを使って治療して行きます。  胸部から腕内側には心包経という経絡があり、これは心筋や心臓を養う冠状動脈に つながっています。腋の下から腕内側には心経があり、これは心臓鼓動のリズムやペ ースの調節に関与しています。また、むくみには胸部から下肢の内側に走行する脾経 や胃経をマッサージし、静脈血やリンパ液の流れを促進させます。


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