猛スピードの春の到来に、桜をはじめに、つつじに藤と大忙しの開花となりました
。椿とつつじが一緒に花開いているなどと、感心している間に、春が過ぎ、ついに夏
が到来してしまいました。今号は春夏合併号です。季節の変化についていけなかった
光和堂通信ですが、皆様の身体はいかがでしたか?
そこで、今回はまず気温など季節の変化によって、私たちの身体はどのように調整
されているのかを見て行きましょう。
◆ 季節変化と身体調節
今年の二〜三月頃は、血圧が変動し、一時的な高血圧になった方が多くおられまし
た。体のふらつき・めまい・頭痛・肩こり・鼻血などの症状が起り、血圧を測ってみ
ると、180や200近くあった方もおりました。このような症状は、各々の体調も
ありますが、今年の春の急激な気候変化が、最も大きく関与していたようです。
今年の春は早くしかも急に暖かくなったので、私たちの体も新陳代謝が急激に活発
になりました。ところが、気持ちの上ではまだ寒いというイメージを持っていたので
、体は冬場のように硬く血管や筋肉も収縮したままです。そこに春の陽気に乗った血
液が勢いよくドッと流れて、硬く細い血管を押し拡げようと圧力をかけたので、血圧
が上がってしまったのです。しかも、春の陽気は上から来て、足元の地面は冷たいま
まなので、身体の理想である「頭寒足熱」とは逆の状態を起こします。それによって
、頭に血が上りやすい状態を作り、鼻血やのぼせ、めまいやふらつきなどを起したの
です。
日本には四季があり、私たちの身体はその変化に対応していかなければなりません
が、豊かな自然を楽しむためと思い辛抱しましょう。
◆ 頑張る自律神経を応援する!
このような外界の変化に対しては、自律神経が働いて体内の環境を調えています。
寒いときは、皮膚表面の毛穴を閉じて、体を丸めて寒気を入れないようにします。さ
らに血管を細くして血圧を上げ、筋肉での熱の産生を増やし、寒さに負けないように
体温を上げます。一方、暑いときは、それとは反対に、毛穴を開き通気をよくし、熱
が逃げやすくします。血管は拡張し血圧は下がり、筋肉は緩みます。日頃血圧の低い
人はだるさを感じるかも知れません。さらに、湿度が高いようなときは、体内の水分
を調節するため、汗をかかせます。このように体内環境を一定に保つために、自律神
経は頑張っているのです。
体力のある若いときは、環境変化に対する適応力や順応力がありますが、加齢とと
もに自律神経の働きも衰えてきます。