今年の残暑も厳しかった。おまけに大雨です。
この異常気象は、三宅島の火山噴火の影響でしょ
うか?
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先日は、淡路島(花博の隣にできた国際会議場)
で行われた、伝統医学に関するWHO(世界保健
機関)の国際シンポジウムに参加してきました。
漢方や鍼灸などの伝統医学をさらに見直し評価し
て、医療政策の中に取り込んでいくため、世界中
の国々から代表が集まって話し合いました。
アフリカや南米などの発展途上国(パプアニュ
ーギニアも)では、伝統医学が国内の医療の大半
を占めています。一方、アメリカやヨーロッパの
国々は、西洋医学(現代医学)が主流ですが、近
年伝統医学が代替医療として確実にその利用を増
やしています。その理由は、生活習慣に関係の深
い慢性病の増加や薬の強い副作用の問題、あるい
は高騰する医療コストの問題で、漢方や鍼灸など
の伝統医学がそれらの解決に期待されているから
です。
一日だけの参加で戻る予定でしたが、運悪く名
古屋地方の大雨に遭遇し、帰りが丸一日遅れてし
まいました(その節は突然の休診でご迷惑おかけ
しました)。
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皆様はご機嫌いががでしょうか? 九月中は、
雨が多く気温が高かったので、梅雨時のような気
候でした。このような時は、神経痛やリウマチ、
膝や肩肘などの関節痛が悪化しやすいです。また、
秋は鼻炎や喘息が起こりやすい季節です。アレル
ギー体質の方は、特に食生活に注意して、風邪を
引かないように気をつけてください(風邪が引き
金で喘息や鼻炎が発症します)。
今号は、五十肩と痛風です。
特集 五十肩
腕を挙げたり、後ろに回したりすると、肩に鋭
い痛みが走りませんか? このような痛みが、慢
性的に(一力月以上)続くようなら、五十肩の可
能性が高いです。四○代から五○代で起こること
が多いので、四十肩あるいは五十肩と呼ばれてい
ます。六○代でも起こることがありますが、この
場合は六十肩とは呼びません。
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筋肉の衰えと、血行の不良が原因で、そこに冷
えや湿気が加わって発症します。症状が進むと、
腕が挙がらなくなったり、夜寝ているときにジン
ジンと痛みを発し、安眠を妨げる程になります。
長くなると、半年から一年もこのような症状が続
きます。症状が進行すると、なかなか治しにくい
ので、早期治療と予防が大切です。
早期治療が大切!
日頃肩の凝りやすい人、腕を挙げたり肩を回し
た時に、引っ掛かりがありスムーズに回らない、
あるいは多少痛みがある人は、この時点から五十
肩にならないように対処しなければなりません。
五○才を過ぎたら、特にこのように腕肩のチェッ
クを小まめにやりましよう。
五十肩の対処法
(1)腕肩を回すなどして、肩関節の異常を早く見つ
ける。(早期発見)
(2)軽い引っ掛かりや少しの痛みなら、風呂上がり
など体が温まり筋肉が緩んでいる時に、腕と肩を
ゆっくり大きく回す。スムーズに回るまで毎日繰
り返す。(予防十早期治療)
(3)腕や肩を動かすと痛みが走る場合は、治療が必
要。(鍼灸治療お勧め。)腕や肩を冷やさないよう
にして、やはり風呂上がりなど体が温まり筋肉が
緩んでいる時に、腕や肩をできる範囲で大きくゆっ
くり回す。(治療+リハビリ)
(4)腕肩を動かさなくてもジンジンと痛い場合、も
ちろん治療が必要。まず湿布や鎮痛薬を利用して
安静にし、ある程度自発痛が治まってきたら、(3)
のようにする。(安静十治療+リハビリ)
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右の対処法にある(3)のレベル(腕や肩を動かす
と痛みが走る)まで五十肩が進むと、完治まで三
カ月から一年ぐらいかかります。(4)のレベル(動
かさなくても痛い)ですと、半年から一年半ぐら
いかかります。痛みの強い時期は一力月ぐらいで
すが、完治には時間を要するのが五十肩です。で
すから、早く見つけて、早く治すことを、心掛け
たいものです。
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