★神風・愛の劇場番外編 『少女達の饗宴』

作者:藤森英二郎さん



●オルレアン まろんの家 深夜

ここは、まろんの両親の寝室。
自分のベッドがダブルベッドじゃないまろんは、
フィンと一緒に寝る時にはこちらを使うようにしています。
しかし、今夜一緒にいるのはフィンではないのでした。

一汗かいた後(爆)、月明かりの中ベッドの上で並んで横になって見詰め合う二人。
ふと、背の高い方が目をそらして、相手に背を向けてしまいます。

まろん「どうしたの?」
???「・・・」

少し悲しげにうつむき、黙っている女性。
まろんはそんな相手を背中から抱きしめて、肩にほっぺたを摺り寄せます。

「後悔してるの?私と・・・愛し合ったことを。」

聞かれた方はぶんぶんと首を横に振りますが、嬉しそうには見えません。

「・・・気になることがあるのね。」

まろんより少し大きな背中から返事はなく、
ただ抱きしめたまろんの手に胸の鼓動が伝わってくるだけでした。

「・・・ツグミさんのこと?」

まろんが抱きしめた背中がピクッと動き、相手から伝わる動悸も少し速くなります。

「やっぱり、気が付いていたんだ。本当は、私、ツグミさんとも・・・」

相手がぎゅっと手を握り締め、体を振ってまろんの手を
振りほどこうとするのを見て、まろんはあわてて抱きしめる力を強めて叫びます。

「私、ツグミさんが大好き。そして、都も大好きなの!!」



「何よ、それ!堂々と浮気宣言?」

まろんの方に振り向いて、ジト目で睨む都。
まろんは冷や汗をかきながら必死に弁明します。

「う、う〜ん、浮気ってのとは違うと思う。
 だって、私は二人とも大好きなんだもん。」
「それのどこが浮気じゃないってのよ!」
「『浮ついた気持ち』じゃなくて、『真剣に』二人とも大好きなの!」
「何よ、それえ!?」

実際、浮気者に見えた初めて会った頃の稚空と、
今の自分とどう違うのか深く考えたことがなかったまろんは、
自分の気持ちを都に伝えるのに苦労するのでした。

「え〜っとね、都は私の幼なじみで、一人ぼっちの私をいつも助けてくれて、
 都がいなければ私は生きていけなかったと思うの。
 そう、子供の頃から大好きだったんだわ。」
「な、何?今更・・・」(真っ赤)
「都も私が好きだからこうなったんでしょ?」
「そ、そうだけど・・・」

「そして、ツグミさんはあの事件をきっかけに知り合ったんだけど・・・」
「イカロスに似た犬が人を襲った事件ね。」
「ハンデを乗り越えて生きるツグミさんの強さに打たれたり、
 ・・・まあ色々あって、大好きな人になったのよ。」

「私と同じくらい?」
「比べられないわ。都も、ツグミさんも、
 もう失ったら生きていけないくらい大好きなんだもん。」
「臆面もなく二股を宣言しているように聞こえるんだけど?」
「二股でもなんでも、私が都を愛しているのは本当!それだけじゃだめなの?」

都を改めて正面から抱きしめて、その胸に顔をうずめるまろん。
都は溜め息をひとつつくと、まろんを抱きしめ返します。

「しょうがないわね。・・・で、あの人と比べて、私はどうだった?」
「比べられないって・・・あ、こっちのことね。
 う〜ん、やっぱり、比べられないわ。二人とも、全然愛し方が違うんだもん。」
「『全然違う』なんて言われると、余計気になっちゃうじゃない!
 ねえねえ、ツグミさんってどんな愛しかたなの?」
「・・・」
「ねえ、まろんったら!」

自分の胸の中にいるまろんにおねだりする都。
まろんは何か良からぬことを考えているようですが、
ツグミさんと違って都は気付きません。

「どうしても、教えてほしい?」
「もちろん!」
「わかったわ。それじゃ、実践付きで教えてあげる。まず、服を着て。」
「えっ・・・?」


●ツグミさんの愛し方講座 その1

しぶる都をベッドから追い出して、
脱ぎ散らかしてある下着とパジャマを着せるまろん。
自分も服を着た後、二人でベッドの上に戻って座ります。

「まろん、いったいどうするのよう!」
「ツグミさん、愛する人の顔はもちろん触って確認するの。」

自らツグミ役となり、目をつぶって都の顔に触れるまろん。
しかし、実は変な所に手が行かないように時々薄目を開けて確認しているのでした。
(ツグミさん相手にこれをやった時、かなり失敗しているので。)

「都のほっぺた、すべすべ。・・・もちろん、ほっぺただけじゃなくて、
 ツグミさんが見たいと思う所は全部触るのよ。」
「ちょ、ちょっとまろん?」

しばし都のほっぺたをぷにぷにしていたまろんの両手は、
鼻、まぶた、唇、髪の毛にまで触れていきます。

「もちろん、ここも・・・」(薄目を開けて位置確認中)
「あっ!」

まろんに両耳をつままれてしまう都。

「ふにふに。」(都の耳たぶをもんでいるまろん)
「んんっ・・・」
「ふにふにふにふに。」
「あぁんっ・・・って、いつまでやってるのよ!」
「気が済むまで。ふにふにふにふにふにふに・・・」
「あ〜っ!・・・も、もうわかったからやめて!」
「なあに?都、まだまだこれからなのよ?ツグミさん、その時の私の姿を
 全部見たいからってすみずみまで触りまくるんだから。」(ちょっと誇張)

ベッドの上で座ったまま向き合っている二人。
まろんは都の耳たぶをもてあそぶのをやめ、都のパジャマの上から手を這わせます。

「まろん、ふ、服の上からも触るの?」
「もちろんよ。脱がせる都合もあるんだろうけど、
 私のパジャマ姿もちゃんと見たいんだって。」
「それでわざわざ私に服を着せたわけぇ?」
「そうよ?私がやるとうまくいかないけど、ツグミさんだと魔法のように
 パジャマのボタンを探し出して、あっという間に脱がせちゃうんだから。
 それに、ツグミさんの優しい手に触れられると、
 服の上からでもとっても気持ちがいいの。」

そういいつつ都のお腹の上あたりをなでているまろんの両手。
その手が脇腹へと動いていったとたん、都が飛び上がって叫びます。

「きゃ〜っ!!そ、そこはダメ!く、くすぐったいの!」
「あっ、ゴメン!都、脇腹とか脇の下とか弱かったっけ。
 見えないから間違えちゃった。」(実は、薄目を開けて見ながらわざと。)
「んもう、まろんのバカぁ!」

なごり惜しげに脇腹から離れたまろんの両手は、今度は都の両胸の上に着地します。

「あっ・・・」
「こっちならいいでしょ?」
「んんっ・・・あんまり触らないで。私、まろんほど胸ないし・・・」
「胸が大きくて喜ぶのは特定の男の人くらいよ。
 私は背の高い都の方がうらやましいわ。」
「どうして?」
「だって、新体操をやるには、すらりとした体つきの方が絶対美しく見えるもん。
 それに、運動するのに胸が大きいと邪魔よね。」
「そんなもんかしら?・・・えいっ!」
「きゃうっ!」

お返しとばかりに、パジャマの上からまろんの胸を掴む都。

「んもう、いきなり何よ!」
「で、ツグミさんの胸はどうなの?」
「う〜ん、私よりおっきいかも。」
「うらやましくなかったの?」
「きれいだなあとは思ったけど・・・」
「やっぱりまろんも胸が大きい方がいいんじゃない!」
「ち、違うわよ!ツグミさんはツグミさんらしい胸が、
 都は都らしい胸が一番キレイなの!」
「なんだか、またごまかされたみたいな・・・」
「ごまかしてなんかいないわ!私は都の胸だって大好きなんだから!」
「あうっ!」

思わず手に力が入ってしまったまろん。
両胸をわしづかみにされてしまった都は、つい声を上げてしまいます。

「あ〜っ!ごめんなさい。」

都にあやまり、手を離した後そこに頬を寄せるまろん。

「・・・ホントなんだからね。」
「はいはい。」(しょうがない子よねえ。)

都は自分の胸の中にいるまろんの頭をなでると、そこに自分の頬を載せるのでした。

「それじゃ、続きをしましょ!」
「ま、まだやるのお?」
「まだまだこれからって言ったでしょ!」


●ツグミさんの愛し方講座 その2

パジャマの上から都の体を触りまくった後、
ようやく手探り(のふり)で都のパジャマを脱がせたまろん。
自分もパジャマを脱いで、下着姿で都と向き合って横になります。

「まろん、まさか下着姿も見たいから触るってんじゃ・・・」
「もちろんそうよ。それに、ツグミさんは自分の残りの感覚を総動員して、
 私をすみからすみまで、あらゆることを感じようとするの。」
「残りの感覚って、触覚と、聴覚と、え〜っと・・・」
「嗅覚と味覚もよ。」(かなり誇張)
「ええぇっ?」

いきなり都の上に乗っかり、ブラジャーの上から都の胸に顔をうずめ、
くんくんと匂いを嗅ぐそぶりをするまろん。
もちろん、まろんの手は都の体をあちこちまさぐっています。

「ちょ、ちょっとまろ・・・んあっ!」

まろんは都の胸の匂いを嗅いだ後、ブラの周囲を舌を出して舐め出します。

「汗をかいた後だから、ちょっとしょっぱいわ。」
「あっ・・・あっ・・・あ〜っ!!
 ま、まろん、もうやめて!もうわかったからぁ!」
「まだまだよ!同じ触覚でも、手ばっかりじゃないの。
 ツグミさんはその全身で私を感じようとするんだから。」

そう言うと、まろんは都の体の上に自分の全身を乗せて密着させ、
すりすりと動いてみせるのでした。
都の胸の上をまろんの顔が、まろんの胸が都のお腹の上あたりを
こするように下に動いていき、そして・・・

「ぺろっ。」
「あっ!そ、そんな所に舌を入れ・・・あうっ!」

都のおへそに舌を入れてこねくり回すまろん。
その舌は、都のお腹の上をさらに下に降り・・・

「んっ・・・んんっ・・・」
「もちろん、ここも匂いを嗅いで、味を見るの。くんくん。」
「キャーッ!」

都の足の間に顔を埋め、パンツの上から匂いを嗅ぐまろん。
その手はパンツの上を動いていきます。

「や、やめて!そんな所の匂いなんて嗅がないでぇ!」
「ぺろぺろ・・・」
「ああっ!」

まろんは都のふとももの内側に舌を這わせ、
パンツの上から都のお尻を撫で回すのでした。

「ま、まろん、お、お願いだからやめてぇ!」
「何言ってるの!これからが本番よ。
 ツグミさんがどうやって私を愛したか、懇切丁寧に教えてあげる。」
「あ〜れ〜っ!!」




・・・一汗どころかたくさん汗をかいてしまった二人。
都は元より、触りまくったりして慣れない愛し方をしたまろんの方も
さすがにぐったりしています。

「わかった?ツグミさんに愛されるのって、結構大変なんだから。」
「・・・はあはあ・・・よ〜っく、わかりました・・・ふうふう・・・」

#本番部分がないのはせめてもの良心というか親心というか。(^^;;;


●オルレアン まろんの家 明け方

さすがに疲れたので少し眠った二人。
明け方、元気を取り戻した都はもう一つ気になっていたことを、
「この機会に」とばかりまろんにぶつけるのでした。

「まろん・・・起きた?」
「う、う〜ん・・・なあに都?まだこんな時間じゃない。もう少し眠らせて・・・」
「ツグミさんのことはもういいわ。
 で、あの『私の心』だか『堕天使』だか何だかとは?」
「み、都、フィンの事知ってるの?」
「『フィン』って言うんだ。」

都にフィンのことを聞かれて、眠気が吹っ飛んだまろん。
もしや、ジャンヌの正体がばれたのかとびくびくしていますが、都の方は
単に得体の知れないモノの正体とまろんとの関係を尋ねただけなのでした。

「あれ、いったい何なの?羽はあるし、神出鬼没だし・・・
 ま、まさか幽霊じゃないでしょうね。」
(・・・ほっ、フィンとジャンヌとの関係には気付いてないみたいね。)

少し安心したまろんは、都にフィンのことをどう説明したものかと頭を悩ませます。

「う、う〜ん・・・私もよくわからないんだけど、フィンは今は自称『堕天使』。
 少し前は自称『準天使』よ。まあ、『天使』でいいんじゃない?」
「天使って・・・やっぱり、人間じゃないわけぇ!?」
「都もフィンの羽を見たんでしょ?あんな人、いると思う?」
「確かに見たと思うんだけど、まさかほんとに人間じゃないなんて。
 でも、頭に輪っかはなかったみたいだけど。」
「準天使の時もなかったし、ちゃんとした天使じゃないからじゃなぁい?」

「ふ〜ん、そうなんだ。
 それで・・・どうも、最近私の記憶が途切れたり変な夢を見たりするのは
 あいつのせいのような気がするんだけど・・・?」
(ぎくっ!)
「『堕天使』って言ったわよね、まろん。あいつ、悪いやつなんじゃないの?!」
「そ、そんなに悪い娘じゃないわよ。
 確かに準天使だった頃と比べると意地悪になったけど、
 単に素直になれないだけなの。本当は、寂しい天の邪鬼なんだわ。」
「ベッドの中では素直になるのに?」
「うん!・・・って、あ〜っ!」

「やっぱり、まろんはあれとも・・・」
「都、ひどいわ!かまをかけるなんて。・・・さすがは刑事の娘、だけどさ。」
「ふふ〜ん。この私に隠し事なんて無駄なのよ。」
(ツグミさんほどは鋭くないけどね。私がジャンヌだってわからないし。)
「何か言った?」
「う、ううん、何も。」
「で、あれもツグミさん同様大好きってわけ?」
「う、うん・・・」

「は〜っ・・・ったく、しょうがないわねえ。まろんったら、
 あんな人外のシロモノといったいいつ知り合ったのよ。」
「え〜っとね、一年くらい前、かな?
 実は、出会った時から押しかけてきて、ずっとここで一緒に住んでいたの。」
「な、何ですってえ!」
「あ、その頃のフィンは準天使で小さくて、他の人には姿が見えなくて、
 都が知らないのも無理ないわ。」
「一年も前から私に内緒であれと同棲してたって言うわけね!(怒)」
「ち、違う違う。小さかったって言ったでしょ?なんにもできなかったわ。
 フィンが大きくなったのはつい最近のことなのよ。」

「小さかったり大きかったり、なんとか天使だったり堕天使だったり、
 ・・・なんだかよくわかんないわねえ。
 まろん、あんなモノのいったいどこを好きになったのよ。」
「最初はうざったかったんだけど、私の寂しさを紛らわせてくれたり、
 勇気付けてくれたり、元気付けてくれたり。
 いつも一緒にいる内に、都同様とっても大切な人になったの。」

都に対して、ジャンヌのことはうまく隠してフィンのことを説明するまろん。
何時の間にか、カーテンの隙間から朝日が射し込んでまろんの顔を照らし出します。

「半年くらい前かな、フィンが大きくなる前に少しの間いなくなっちゃって、
 その間私はとっても寂しかった。自分の気持ちに気が付いたのはその時。
 フィンが戻ってきた時、姿が全然変わってたんだけど、
 『もう二度と離したくない』って思ったらついやっちゃった。」
「『やっちゃった』って・・・まろん、あなた、堕天使を手篭にしちゃったの?」
「ま、まあ、それに近いものがあるかもね。」

「じゃあ、まろん、最初の相手が人間じゃないわけ!?
 ・・・はあ(溜め息)・・・堂々と二股、三股しても
 相手が人間じゃないってことに比べれば小さなことなわけね。」
「都、相手が女性だってことは?それはあなたも一緒よ。」
「うっ・・・ま、まあ、そうだけど・・・」

そして、何やら良からぬことを思い付いたらしいまろん。
らんらんと目を輝かせて、都に迫ります。

「ねえ、都。人間じゃない相手とどうやって愛し合うか興味はない?」
「えっ・・・ま、まあ、知りたいとは思うけど・・・」

昨夜のこともあり、目を輝かせているまろんの姿に身の危険を感じた都は、
思わず腰が引けてしまいます。

「それじゃ、また実践付で教えてあげる!」
「い、いい!知らなくていい〜っ!!」
「遠慮しないで!私、フィンのことも都にちゃんと知って欲しいもん!」
「キャーッ!!」


●フィンの愛され方講座

逃げようとする都の上に乗っかり、抱きしめて離さないまろん。
これはいつも最初は逃げようとするフィン相手でも同じです。

「都、フィンって背中に羽があるでしょ?あれ、引っ込められると思うんだけど、
 天使としての矜持からか、畳んでもくれないの。」
「そ、それじゃ邪魔でしょうがないでしょうねって・・・いいからやめて!」
「私も最初そう思ったんだけど、それなら少し意地悪しちゃえと、
 あの羽でフィンをくすぐってあげたのよ。」
「く、くすぐってって・・・
 あ、わ、私にもまろんにも羽がないからできないわよね?」

特に脇腹、脇の下をくすぐられるのに弱い都はびくびくものでしたが、
まろんにツグミさんのまねはできても、
さすがに羽は出せないと思って少し安心します。
ところが、まろんはベッド脇の小机の引き出しから
何やら引っ張り出してくるのでした。

「んふふ、これ、な〜んだ?」
「そ、それは・・・い、いやっ!や、やめて〜っ!!」

まろんが引き出しから出してきたのはフィンの羽。
それを見た都は冗談じゃないと暴れ出しますが、まろんに脅迫されてしまいます。

「静かにしないと、これで都の脇腹と脇の下をくすぐっちゃうぞ。」
「お、お願い、それだけはやめて・・・」

自分の一番弱い所をくすぐられるよりはと観念した都は、
仕方なくまろんのするままに身をまかせるのでした。

「フィンの場合は、大きな翼ごとだからこれとはちょっと違うけど・・・
 こちょこちょ。」
「あ〜っ!」

いきなり都のおへその中にフィンの羽を入れてかき回すまろん。
予想もしていなかった所を攻められて、都は再び暴れ出します。

「動いちゃだめよ!手が滑って脇の下に行っても知らないんだから!」
「や、やめて〜っ!」

おへその中から羽を出し、都のお腹の上を円を描くように動かして行くまろん。
都はそれが脇腹や脇の下に行ってしまうことを恐れてはいますが、
くすぐったくてさすがにじっとしていられません。

「あんまり暴れるようだと・・・こうだ!」
「あんっ!」

胸の上の敏感な部分を羽で触れられてしまった都は、
思わず色っぽい声を出してしまうのでしたが、
このまま攻められていてはまずいと、一計を案じて叫びます。

「ま、まろん!窓の外に誰か!」
「えっ!」(思い当たる節がいろいろとあるまろん)

まろんのスキを見てフィンの羽を奪う都。
その羽で、今度は逆にまろんの胸を攻めます。

「あぁっ!・・・み、都、だましたわね〜っ!」
「やられっぱなしの都様じゃないわよ〜っだ!」
「フィンも、やられてばっかりじゃなかったわ。元々自分の羽だし、
 自分で動かせるから、私につかまれているのとは逆のもう片方の翼で
 私をくすぐりだしたことがあったけど・・・あんっ!」

主導権を握った都は、余裕の表情でまろんの告白を受け流します。

「へ〜、それで?」
「あっ・・・わ、私が思わずフィンの羽から手を離すと、
 両方の羽と両手を全部使って私をくすぐったの。
 別々に動く2本の翼にくるまれて、フィンの両手で触られて・・・
 まるで手が4本あるみたいですごかった。」

フィンに対する嫉妬でちょっと手が止まった都。
そのスキを逃さず、まろんはフィンの羽を奪い返します。

「あっ!だめよまろん、返して!」
「えへへ〜。さすがに私は手が4本もあったりしないけど、
 その気分を都にも味あわせてあげる。」
「えっ・・・?」

まろんが再び引き出しから取り出したのは、フィンの羽を束ねた羽ぼうき。
自然に抜け落ちた羽は消えてしまいますが、たまにまろんがむしったのか
フィンが自分でむしったかの羽はそのまま消えずに残っていて、
それを集めて作ってあったのでした。
1本の羽を右手に、羽を束ねた羽ぼうきを左手に持ったまろんは、
都を見下ろしながらにっこりとほほえみます。

「や、やめて、やめて、お願い、まろん・・・」
「だ〜め。2本しかないから、これでも半分よね。
 これで、2倍時間をかけて愛してあげる。それっ!!」
「きゃああぁぁ〜〜っ!!!」


#せめてもの良心というか親心により以下省略。(<こらこら)
#だって、今の所二人ともすっぽんぽんなんだもんなあ。
#このまま続けたら生々しくなり過ぎる。私はポルノ作家ではない。(^^;;;


●オルレアン上空

まろんの部屋の外で宙に浮かぶ二つの影、ノインとミスト。
朝になったのでさすがに引き上げようとしていた所で、
もう一戦始まったようなのでそのまま見物。
そこで都に気付かれたかとぎくりとしたのですが、
そうではないとわかってさらに覗き続けます。

「ふう。まったく、いい気なもんね。」
「もう少し波乱があると思ったのですが・・・
 これでは、ますますジャンヌの神のバリヤーが強くなってしまいそうですね。」
「ノイン、もはや、男とくっ付けてあの女の処女を失わせるのが
 一番手っ取り早いんじゃないのか?」

「・・・」
「あの男(稚空)がいやなら、お前が自分でやればいいだろう。」
「相手が、かってのジャンヌその人なら私もやぶさかではないのですが・・・
 それより、気になることがあるのです。」
「なんだ?」

「堕天使、盲目の少女、刑事の娘と次々にその毒牙にかけたあの娘、
 もはやお世辞にも『聖少女』などとは呼べません。
 にもかかわらず、神の力は弱まるどころかますます強くなるばかり。
 本当に、処女でなくなりさえすれば神のバリアーは消え去ると思いますか?」
「おい、いまさら何を言っている!
 かって、処女を失いながら神の力を保ったままの女なぞ一人もおらん!」

「では、処女でいながら複数の女性と交わり、なお神の力を保った者は?」
「さあな。処女のままあのような乱れた生活を送り、
 しかも神の力を持った者など過去にはいなかったのだから。」

ノインはいったん黙りますが、最近のまろんの様子を見ていて湧いてきた、
もう一つの仮説を口にします。

「・・・マリアは処女のまま受胎し、神の子を産みました。
 もし、このままあの娘が処女でいて、しかも身ごもったりなど
 するようなことがあれば・・・」

自分でも、とんでもないことを考えたと思うノイン。
しかし、口にせずにはいられません。

「・・・人間界に再び神が顕現するのでは・・・」
「お、おい・・・!!」

ノインの仮説に、思わず背筋が凍り付くような気分を味わうミスト。
かって神の子がこの地上に降り立った時、ミストは魔界にいましたが、
それが人間界と魔界にどんな影響をもたらしたかをよく知っています。

「あの女が交わった者の中には、魔王様の精を受けたクイーンもいるのだ。
 もしそうなったとしても、この世に顕現するのは魔王様かもしれないぞ。」
「クイーンは、元々神の精を受けた準天使なのですが。」
「なら、魔王様は神の顕現を防ぐためにクイーンを堕天させたんだろうさ!
 もうやめろ!我々は魔王様のお言葉通りにジャンヌを倒せばいいんだ!」

議論を打ち切られてしまったノインですが、さすがに自分の考えたことが
まさかありえるとは思いませんので話を元に戻します。

「それでは、今度はあの娘と男をくっ付ける算段でもいたしましょうか。」
「まったく、一度は倒されたこの身だが、純血の魔族たるこの私が
 人間の多角関係を複雑にする程度のことしかできんとは・・・。」

情けないと思いながらも、さりとて他に方法もなし。
結局、二人はまた霧のように、風のようにどこへともなく消えていくのでした。


●エピローグ 「少女達の饗宴?」

「はあ、はあ、はぁ、はぁ・・・」(気絶寸前の都)
「う〜ん、やっぱり私じゃツグミさんやフィンと完全に同じには愛せないわ。
 ・・・そうだ!」
「?」
「今度は、4人で愛し合いましょう!」
「・・・」(気絶した都)


おしまい。



 妄想に対するご意見・ ご感想などがありましたら書いてやって下さい

 件名:
 名前: (ハンドル可)
 E-Mail: (書かなくても良いです)

 ご意見・ご感想記入欄