今回は、主従関係を結んでからしばらくすると経験するであろう心の境界線について 考えていただきたいと思います。 まず、奴隷の側について考えてみましょう。 ご主人様に服従する奴隷にとっては境界線などというものがあってはならないはずな のですが、奴隷であるが故に存在する境界線というものがあります。 <その1 本当の自分を出す> 心から服従する奴隷になるためにはご主人様の前では本当の自分を出さなければな りませんし、またそのようにご主人様から命令されるはずです。 さて、困りましたね。 本当の自分を出すってどうすればいいのでしょう。 わがままで寂しがりやで泣き虫で、そんな自分をさらけだしてしまったらきっとご主人様 を困らせてしまう、いえ、その前に嫌われてしまう。 そんな風に思ったあなた、ちょっと意味を取り違えているようです。 自分のすべてを受け入れてくれると信じているご主人様に、素直にありのままの自分 を受け入れてもらうことが、「本当の自分を出す」ということなのです。 「本当の自分」の悪いところは叱ってくれ、良いところは誉めてくれるでしょう。そして より良い自分に作り変えてもらうために調教を受けるのですから。 ところが、この境界線を乗り越えるのはけっこうしんどいものなんですね。 肉体的な調教であれば羞恥や苦痛を抑えて従順になれても、ご主人様の前で素直な 気持ちになれるかどうかは意識の問題ですから。 それを解決するために、ごく初歩的な段階としての目標をたててみましょう。 まず、他愛もない日常の出来事をご主人様に報告する習慣をつけてください。 そのうちに、ご主人様には報告しにくいことも出てくるはずです。 心配を掛けてしまうとか、理由は様々でしょうが。 でもそんなとき、「だからこそご主人様にご報告しなくちゃ」と素直に思えれば第一関門 は無事に突破できたわけです。 当然の話ではありますが、ご主人様に対して隠し事や嘘なんてあってはならないこと ですが、何の躊躇もなく素直に感じることができるかどうかがポイントですね。 このようにして少しずつ自分が変わっていく、いえ、変えていただいていくことに大き な悦びを感じられることと思います。 けして自分の心を押し殺すことが服従だなんていう思い違いはしないでください。 <その2 何もしてあげられない> あなたのご主人様が「支配と服従」を理解されている方ならば、あなたが生きていく上 で大きな影響を受けるはずです。 他の誰からも得ることのできない色々なものをたくさんいただけることだと思います。 もちろんプレゼントのことじゃありませんよ。 そのうれしさを噛み締めていると、ひょっこり顔を出すのが私はご主人様に何もして差 し上げられないという気持ちです。 これは、ご主人様の存在が大きくなればなるほど気になってきます。 でも何かしてあげたいと思えば思うほど何をすればいいのかわからなくなるんじゃない ですか? さてと、この境界線の突破はけっこう簡単です。 なぜかといえば、答が一つしかないからです。 それでは解決方法を伝授しましょう。 あなたは何もする必要はありません。 そんなの答にならないじゃない! と思われますか? ご主人様はそんなことを望んでいないのですから、何もする必要がないというのが 正解なんです。 もし、それではあなたの気持ちが収まらないのなら、あなたが授けてもらったご主人様 の素晴らしさの数々にあなたの心と身体のすべてで悦びを表現してください。 ご主人様と出会えたこと、飼っていただいていること、ご主人様なしでは生きていく 意味がないこと、表現方法はお任せしますが、きっとご主人様には喜んでいただける と思います。 |