奴隷への道




今日は、ご主人様がほかのお相手の方とお泊りの日。

わたしはその方が、どういう方かは知らないので、ただ、お相手と呼ぶ。

ご主人様と主従関係になって、一年半。

ここ半年は、ご主人様の気持ちがほかの方に向いているのではないかと、ずっと苦しんで

いた。

わたしは、最初から、ご主人様に思ったことはなんでも言ってきた。

でも、今回のようにはっきりと聞いたことはなかった。

今度の土曜日は繋がない。

ご主人様にそう言われて、わたしは何て聞いたのだろう・・・・

ご主人様はなんて、お答えになられたのだろう・・・・・

はっきりとは憶えてない。

だけど、わたしは知っている。


昨夜あたりから、わたしは、そろそろかな、まだかなと思っていた。

わたしの心の中に嫉妬、切なさ、そんなものが出てくるのは。

ところが、いくら待っても出てこない。

ご主人様とお話できないのは寂しい。

それはそうなんだけど。

今まで行ったことのないチャットに行ってみたりする。

眠くなったので寝ることにする。

朝になって、時間が過ぎて夜になって、またご主人様のICQがオンになる。

いつもと同じ。

わたしはすっかり拍子抜けてしまった。

こんなに辛かったけど、わたしはがんばったよって思いたかったのに・・・・・


ここまで来るのには時間がかかった。

実は、この一ヶ月半の間で、二度も主従関係を解消している。

つい、二週間前にもご主人様にお逢いして、直接逢って、解消している。

そして、4日後だったかな、また奴隷にしていただいた。

これだけ見ても、確かにわがままな奴隷です(笑)

だけど、それでもまだわたしは本当の奴隷になっていなかった。

わたしは誓約書をご主人様に差し出していた。

その中に、誓約書の内容について、変更・破棄の権利はありませんと言っているにもかか

わらず、破棄を二度繰り返し、時と場合によって変更もした。

誓約書があるにもかかわらず、そんな自由を認めるのは、ご主人様が悪いと思っていた。

わたしは奴隷ですと胸を張っていた。

ひとりで胸を張って、生きられるようだったら、なんで奴隷になんてなるんだろう。

わたしは今までいったい何をしてきたのだろう。

わたしにはご主人様がいる。

ただそれだけだった。

自分がいやになった。

ご主人様に申し訳ないと思った。

ご主人様に申し訳ない・・・・・奴隷にしていただいたのに、奴隷になれなくて。

その上、奴隷の顔して、偉そうなこと言って・・・・・

心からご主人様にお許しを願う気持ちに初めてなった。

ご主人様に許されて、はじめて、奴隷にしていただき、生かされる。

言葉では知っていても、身を持って、知ることはむずかしい。

ご調教の中で、お許しいただくことによって、自分の立場を知るのかもしれない。

どのような形で、知るかは人によって違うと思う。


わたしがご主人様の奴隷として生きることを許していただくことと、

ご主人様が複数の奴隷を持つこと。

どこで繋がるのか。

何も繋がりはない。


主従関係にはいろいろあるが、ご主人様が複数の奴隷を持つことに苦しいと訴えるM女は

多い。

どうやって、乗り越えていくのかも、人それぞれとしか言えない。

わたしはひとつ乗り越えた感じがするけど、きっとこれからも、乗り越えるものは出てくると

思う。

いくつもの山を乗り越えて、進む奴隷への道、こんな素晴らしいものはない・・・・(笑)




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