Counseling Room



 16.SMプレイの役割            けい   ノーマル男性


始めまして。

SM 公開講座を大変興味深く拝見させて頂きました。

自分はこれまで SM とは全く無関係に生きてきた 23 歳の学生(男)ですが、このホーム

ページの内容を読むにつれ、その世界の奥深さに驚くとともに、その考え方には非常に

共感を覚えました。



今回、質問させて頂きたいのは、「支配と服従」におけるその行為(プレイ?) の役割に

ついてです。

自分にも女性を「支配」したいという欲求は確かにあるとは思うのですが、よく雑誌の

写真などにある女性を痛めつけるような行為をやりたいなどという気持ちはありません。
「支配と服従」における S 男性というのも同様のことを行うのでしょうが、それは

「やりたいからやる」のでしょうか? それとも「相手を導く過程としてやる」のでしょ

うか?

言葉を変えれば、「支配と服従」におけるそのプレイは手段ですか? 目的ですか?



もちろん、そうした行為を行なうこと自体が目的の全てでないことは想像が付きますが、

しかしもしそれが単なる手段ではなく、女性のああした姿を見るのを楽しんでいるのだ

とすれば、それは自分とは違った世界かもしれません。

確かに自分にも、女性の嫌がる恥ずかしがる姿を見るのが楽しいという感覚はあります

が、それは相手がこちらに自分をさらしてくれるのが嬉しいのであって、相手に苦痛を

与えることが楽しいというのとは異なる感覚のように思います。



「支配」の目的が相手を管理し自分の思うように変えていくことにあるとするなら、

その手段は何も SM に限らないのではないかという気がしています。

それともこれは単に自分が未熟なだけであって、その道(?)を突き詰めていくうちに

次第に sadistic な感覚が身に付いていくものなのでしょうか?

それとも自分は根本的に sadist ではないということでしょうか?



自分は別に sadist になりたいわけではないのですが、何にせよこのホームページから

得られたことは、今後の自分の女性との付き合い方に大きく影響していきそうです。

これから人を見る目を新たにして、自分なりの女性との関係を模索していきたいと思い

ます。


う〜ん さて何からお話ししていけばいいでしょうか ^^;


まず、公開講座はサディストおよびマゾヒストの方を対象にして書いていますので調教

という行為が存在することを前提としていますが、「支配と服従」 の考え方はSMの心

の部分をクローズアップしていると思っていただいていいと思います。

「よく雑誌の写真などにある女性を痛めつけるような行為」 だけがSMの行為というわ

けではありませんが、ここでは現実に主従の間で行われる行為のことを「調教」と呼ば

せていただきます。(これも人によって解釈は様々ですが・・・)



と、つまらない前置きはおいといて ^^;

支配と服従における調教は 「やりたいからやる」 のも 「相手を導く過程としてやる」 の

も、それはそれで間違いではないと思います。

しかし支配と服従においての手段なのか目的なのかという問いに対しては、どちらでも

ないとお答しておきましょう。

手段とか目的というより、主従関係における支配と服従の「確認作業」のひとつとでも

いったらいいでしょうか。

「女性の嫌がる恥ずかしがる姿を見るのが楽しいのは相手がこちらに自分をさらしてく

れるのが嬉しいからだ」 というのも、相手に苦痛を与えることが楽しいのは相手が自分

のために耐えているのが嬉しいからだというのも、サディストにとってはそう大きな違い

はないと思います。

恥ずかしがる姿を見るのも苦痛を与えることも、ただそれだけでしか確認できないわけ

ではありませんが、それに耐える姿という目に見える形で主従関係を確認していること

にはなるわけです。

服従させていることよりも喜んで支配を受け入れているその姿を見ることは支配する者

の悦びを確認することであり、その悦びを肌で感じ取ることは服従する者の悦びを確認

するということなのです。

(調教が好きだからという単純明快な理由を否定するわけではありませんが ^◇^; )



「突き詰めていくうちに次第に sadistic な感覚が身に付いていく」 というのはたぶん

無理だと思います。

絶対に例外はないとはいいませんが、これは持って生れてきたもので身に付く類のもの

ではないと思うからです。

いつそれに気がつくかの違いはありますが、SにしろMにしろ始めたり止めたりできる

ものではないのです。

でも女性の嫌がる恥ずかしがる姿を見るのが楽しいという感覚があるんですから、あな

たが根本的に sadist ではないと否定するのは難しいとは思いますけど。


99/10/13


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