Counseling Room



 3.アドバイスをお願いします    H.F.   S男性


私は、33才になる、離婚暦のある、自称S男性です。
「自称」と言うのは、実は自分でもSなのかMなのか、それともノーマルなのか、時々判断がつかなくなる為です。
SMの世界に足を踏み入れたのは、つい2〜3ヶ月前です。
3月から付き合い始めた29才の彼女からMである事を告白され、御主人様としての修行が始まりました。
彼女の性格は、まさに貴方がおっしゃる通り、表向きは非常に喧嘩早く、短気で、生きている事自体がバクチの様な波瀾万丈の人生を送って来ていて、好き嫌いが激しくて、他人からの期待に過剰に反応し、それでいて自殺の真似事を経験するくらい脆い
精神を持っています。
彼女は高校を中退し、男と同棲、その後に大検を受けてから大学に進学、それも中退しています。
同棲していた男と別れてすぐ、或る同性愛女性と寝る機会があり、それ以来、自他共に認めるバイ・セクシュアルになりました。
10代の頃からHな写真のモデルやAV出演、ピンク映画のアテレコ、H系雑誌の執筆等を行う傍ら、バブルで膨らんだ金持ちのパトロン達を渡り歩き、月収200万円近い大金を稼ぎながら、オナァ  <文字化け> 生活も相当ハデで、50万円近い家賃の部屋に住み、芸能界やヤクザ系にも顔見知りが多く、ディスコやクラブ等にも顔が効
き、マリファナ等のドラッグも一通り経験して来ている様です。
SMは、そうした風俗系の仕事で経験し、その後、パトロン達に教え込まれたそうです。
25才の時に、パトロンの一人であった男が起こした会社で真っ当な仕事を始め、今では月収30万円の中で、毎月15万円のマンションのローンを返済しながら、地味な生活に馴染もうと、頑張っているところです。
私は自身をサディストと思っていますので、愛奴と呼びたい彼女への独占欲は強いのですが、彼女にしてみれば、それが非常な負担になっている様なのです。
彼女は今までの人生をズッと「都合のイイ女」のまま送って来ており、一人の男性に「最愛の女」として愛された経験がありません。
私にとっては今は彼女が唯一無二の女ですが、彼女からすれば、男女を問わず、アチコチつまみ食いする自由が欲しい、でも私が他の女に手を出そうとしないので、負い目を感じる、という事の様です。
それでも私との付き合いを続けているのは、プレイ以外の部分も含め、私が最も信頼出来るからだと、彼女は言っていますし、その言葉に嘘は無いと信じています。
何故なら、誰にも言えない様な悩みや過去や、私に対する不満も、明確に言葉で伝えてくれますから。
もし嘘の感情なら、面倒を起こさず、「まぁイイや」で放っておくでしょう。
とにかく、彼女にとって私は、始めてまともに付き合おうと思った男だそうです。
彼女の事を長々と書きましたが、共感する部分の多い貴講座の中で、過去も含めての彼女の多情を、どう理解したら良いのか、又、そんな彼女を精神的にも縛ってあげられる、即ち不安を取り除いてあげられる御主人様になるには、どう振る舞えば良いのか、
どう自身を磨くべきなのか、その点が分かりません。
何かヒントになれば、と思い、お便りした次第です。
アドバイス、宜しくお願い致します。

まず、彼女がいま置かれている状況の中で注目したいのは唯一無二の「最愛の女」として愛されていることです。
そして彼女もまた、はじめてまともに付き合おうと思った男として、あなたの愛情を受け入れたいと感じていることです。
私には、彼女が通り抜けてきたさまざまな経験は自虐本能の現れだけではなく、きっと愛情に飢えていたのではないかと思うのですが。
人を愛しては裏切られ、その繰り返しが彼女を追い込んでいったのではないのかと思うのです。
そんな彼女の前にあなたという存在が現れ、あなたの愛情を感じて信じてみたいと感じ始めているのではないですか。
だからこそ、すべてを打ち明けて、それでもあなたが去っていかないことを望んだのだと思います。

男女を問わずアチコチつまみ食いする自由が欲しい、という言動を淫乱とか多情という言葉で捉えてはいけないような気がします。
きっと、いつかまた他の男たちのように裏切られるのではないかという恐怖から、あなたの愛情を全面的に受け入れ心から信じてしまうことを恐れているのではないでしょうか。
ほんとうに信じていいのか、彼女もまた苦しんでいるのではないでしょうか。

だからといって、何もかも束縛して縛り上げてしまっては彼女としても急激な変化に耐えられるとは思えないのも仕方のないことでしょう。
あなた自身としては彼女を独占し他人に蹂躙されることは身を切られるような想いだとは思いますが、そのことを彼女に伝えた上で束縛することから「管理」するという意識に切り替えられてはいかがでしょうか。
たとえば、「つまみ食い」を許可制にするという方法があります。
「*月*日の**時から****と逢います。SEXしてもいいですか?」というように、かならず事前に許可を貰うことを義務づけるのです。
もちろん事後の結果報告もさせます。
聞けばダメとは言われないとわかっていても、それは彼女が自由にやっているのではなくあなたにさせてもらっているという気持ちの上でのつまみ食いです。
そして、「許可はするがおまえの心は俺のところに置いて行きなさい。俺の持ち物であるおまえの体を使うことを許可するだけなのだから。」というようなことを付け加えるというのもいいかもしれません。
彼女にとっては心苦しさに変わりはないでしょうが、すべてを見守っていてくれて、それでも彼女を見捨てることなどあり得ないあなたの気持ちが伝わればつまみ食いの数も減っていくような気がします。
あなたにとってはとても辛いことだとは思いますが、その辛さは彼女にも理解できるはずですから暖かく見守ってあげることが彼女の不安を取り除いてあげることに繋がっていくのではないでしょうか。

あくまでも一通のメールから感じた私の意見ですから、あなた自身が判断されることです。
自分自身と、彼女への愛情を信じてあなたなりの育て方を考えてみてください。



   index