「上にまいります」

 奇術のマニアはユニークな(ひねくれた)見方をするもので、エレベーターにのると何で皆が扉の方を向くのかと指摘した人がいる。(三好さんでしたっけ?)確かに、狭い部屋に大の大人がきちんと一方を向いて立っている図は、壁をとっぱらって考えると奇妙なものだ。

 もう一つ。エレベーターが満員で乗りすぎのブザーが心配のとき、「片足を上げよう」とか「飛び上がりましょう」というジョークもある。(これは二川さん)もちろん、片足を上げてもダイエットにはならず、飛び上がっても時間的に平均すればエレベーターにかかる力は減りはしない。

 ただし、エレベーターが上がり切るまで飛び上がっていて、皆が降りてから着地すれば、話は別。これは省エネの名案かと思いきや、そういう人はエレベーターなしで上の階まで飛びつけるのだから、そもそもエレベーターに乗る必要がない。

 ところで、エレベーターに乗った突き当たりに鏡が付いていることがあるが、これは車イスで出入りするときの便宜のためだという。車イスのマークのボタンを押すとそれが優先されると思ってか、わざわざそのボタンを押す人を見かける。実は、車イス用のエレベーターはドアが開いている時間も長くしてあるというので、実際に試してみたらその通りだった。(わざわざ試すなって?)ズルして得した気分の人は、実は損していたかもしれない。


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