ウェブの中の自分

 たまに、自分の名前をウェブで検索してみるのも面白い。(本項、思わせぶりな標題だが、そういうことです)

 「浜野明千宏」というのは変わり者の父が付けた本名で、変わった名前のために子供の頃は父を恨んだこともあったが、ユニークなだけにウェブで検索するときは都合がよろしい。

 さて、検索してまず目に付くのが、マジックのサイトからのリンクだ。律儀に「リンクを張らせてください」と仁義を切ってきた人もいるが(私はウェルカム)、「どこの誰?」というサイトがほとんどだ。自分や、自分の所属する同好会(MMC)がどのように紹介されているのかはちょっとしたミモノだ。

 著書の関連では「プロがあかすカードマジック・テクニック」に関するものが圧倒的に多い。これはカード奇術の古典と言われる幻の名著を、高木先生のすすめで訳させていただいたもので、内容に関しては全て略図を自作して理解しながら文章にした労作だ。もっとも、訳本自体が一時絶版で幻となりかけた。訳については批判もあったが、英語と奇術の両方に精通しているM氏から労をねぎらっていただいた。

 文章から解読して「こういうことか」と習得する楽しさを奪ってはいけない・・・という意識から、原本どおり文章だけで図は追加しなかった。今や、解説本には図はおろかDVDまで付く時代。図を載せなかったのは誤りだったかもしれない。(ちなみに、日本語版書名は出版社による)

 また、検索ではコンピュータシミュレーションの論文や発表記事にも名を連ねてゾロゾロひっかかってくるが、これも私本人。ずいぶんいろいろやったものだ。

 今年になって「朝日新聞の記事」とか「東大、入札前に不正との記事が?」とかもひっかかるようになった。内容は、本コラムでも紹介した一件(注1)に関する意見記事で、最後に「浜野明千宏さん、お元気ですか。」と一言入れたために検索にひっかかるようになった。私の勤める会社を批判するのは言論の自由としても、「・・・主要ポストにつけたあたりから」といった文言は、実態を知っている者からは失笑ものだ。「フリーメイソン陰謀説」のようなトンチンカンぶりを感じる。事実誤認なのか、悪意さえ感じる。私の名前をあげたうえで、自分は匿名というのも卑怯である。おかげで検索結果の先頭の方に出てきて、私や勤め先が不正をしたみたいで迷惑である。

 つつましく検索の後ろの方に出てくることも含めて対照的なのが、「数学教育」という教師向け雑誌の記事だ。今年(2013年)9月号で、私の「くみがみ」(注2)を教材として紹介いただいた。こちらは、筆者から事前に丁重な照会をいただき、私のHPアドレスまで出典として掲載いただいた。当然、書店に走り、1部が私の書棚に収まった。

(2013.9.18)


(注1)問題の一件はこちら

(注2)くみがみについてはこちら

HAのHP