国葬いいじゃん

 「判官びいき」というのか、ひねくれているというか、世間から批判されているものをかばってしまう性向があり、そんなわけで安倍元首相の国葬に賛成である。

 最近の例では、朝ドラが沖縄人をバカにしてストーリー展開も陳腐だと(少なくとも家中で)批判されているのに関して、懸命に弁護している毎日だ。実は以前から毎週のように通っている沖縄料理店があり、今週は沖縄そばが食べたくなったが、もちろん、ひねくれているので行かない。

 さて、国葬のこと。進歩的文化人を気取る連中は何かと体制に反対するが、またぞろ国葬反対。人は政治家に決断と実行を求めるが、仕事をするほど功罪も増えることになる。「人の話をよく聞く」だけのリーダーなら功罪もないが、それは仕事をしていないことになる。

 元首相に批判が集中している事件は、取り巻きや役人の忖度が原因とも見られ、そうした組織の圧力が弱者に向かった、構造的な問題のように思える。問題の原因を一個人に押し付けるのは、人間心理というか世論の「単純な解を求める」傾向で、ポピュリズムの怖さでもある。私は白黒言える立場でないが、「推定無罪」というのが原則のはずだ。

 世間が世界遺産に指定されるかどうかで大騒ぎをしているのをいつも冷ややかに見ているが、そんなに世界からの評判を気にするなら、安倍元首相の世界的評価をなぜ重視しないのかが解せない。そのような評判を活かしたイベントとしてとらえれば、東京2020で集まるはずだった世界の要人と衆目を日本に集めるための費用と考えれば、目くじらを立てることもない。私情を交えないリアリストの立場からは、国際的な存在感を維持するためのコスパの問題となる。

 反対派は年寄りに多く、若い層は賛成しているという構図を聞いて、日本の将来に希望を感じた。

(2022.9.17)


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