e-Taxに言いたいックス

 確定申告の季節。シミュレーションプログラム作りを生業とし、その一環で簡単なユーザーインターフェースも手掛けてきた身としては、e-Taxはつくづく参考になるプログラムだと思う。反面教師として。

 年度末で仕事の納期が集中する時期、確定申告どころでないので、面倒な計算をやってくれて、しかも税務署に行かずに自宅でできるということで、例年e-Taxを利用しているが、ともかく用語がなじみがなくて何を入れたらいいのか迷ったり、苦労して入力したデータがあっという間に消えて一からやり直しというのがざらだった。

 対抗策として、前々から入力表をEXCELに作っておいて、その年の数値に変えてからe-Taxの画面でコピペするようにしている。それが何度もやり直しとなると、いっそのことそのEXCELを読み取ってくれればいいのにと思う。目に見えるなじんだファイルで用意する方が、今どういう状態なのかドキドキしながらe-Taxのページを送るよりよほどいい。

 申告用紙が紙だった頃は、控除だの税率だのの計算式の資料もついていたので、自作のEXCELではそれも組み込んでいて、e-Taxになってからもおおよその結果予想をつけてから操作に臨んだ。e-Taxはその計算をやってくれるのが楽なのだが、商売柄その計算経緯が知りたくなる。

 今年はスマホからの使用も可能になって、e-Taxのはじめの画面から戸惑った。家内は税務署に行ってスマホ入力で手続きをしたが、指導役の担当者も不慣れなせいか、せっかく入力したデータ一式が消えてしまい(ほら!)、3人がかりで担当してもらって1時間半もかかったという(ほらほら!)。

 そのせいか、入力操作の最中に「ここまでの入力を保存」というボタンがしつこく出るが、それを選ぶたびに別画面に飛んで、終わったらまた戻る、というのもやっていて不安になる。そういうのは、ユーザーに言われなくても自動保存して、ミスをしたら戻れるようなUNDO機能にすべきだろう。

 入力を一通り終えて次に進もうとしたら、「事業主からの源泉徴収票と数字が異なる」というエラーが出た。「事業主に問い合わせろ」というので面倒なことになったと思って見直したら、数字は事前に表にしていたのをコピペしたので合っていたのだが、保険の種別ミスだった。大体、数字が分かっているなら入力させるなと言いたい。せめてどの欄がミスしてるのか表示すべきだろう。

 そもそも、入力エラーがあったというのが分かりにくい。ボタンを押してエラー判定したのなら、そのボタンの近くにメッセージが出るといいのだが、それがないのでうかつに戻ってデータ一式が消えることとなる。

 というように、ユーザーアンフレンドリなところがいろいろあるので、これはプログラム技術者試験の例題に最適だと思う。「以下のプログラムの問題点と解決策を述べよ・・・」

(2023.3.7)


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