リサイクルとコスト

 PETボトルは再生して資源として活用できるのだが、いざ回収を始めたら予想以上に集まってしまって処理しきれず野積みになっているという話を聞いた。単に処理が遅れるだけならまだしも、半年放置すると劣化して本当にゴミになってしまうので深刻だ。

 回収・処理のために消費する資源の量から考えて、かえって環境破壊になるという皮肉な試算もある。ただし、回収に消費する資源の中には、輸送する運転手の弁当のプラスチック容器というのも含めているそうで、これは回収作業をしなくても元々使うものだから、試算にいれるのはこじつけくさい。

 それで思い出したが、1円玉を拾い上げるのに消費するカロリー(つまりエネルギー)は1円以上かかるので損をする、という話もあった。この計算も考え方次第で、1円玉を拾い上げれば僅かでも運動になり、健康にプラスするから、長い目で見て医療費が減るかもしれない。(1円玉を拾わない人は、運動不足で、病気にかかる率が高く、生涯計算で医療費が高めになる・・・という理屈)

 そこまで言うと、人一人を生かしておくエネルギーや資源といったコストこそ膨大なもので、それに値すると胸を張れる人がはたして何人いるか。だからといって、いわゆる「役に立つ人」(何の?)だけいればいい、ということにはなるまい。個々人の多様性こそが総体としての人類の強みだろうから。(人類自体がいらないって?)

(2000.3.12)


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