イフェクト・イズ・エブリシング

「イフェクト・イズ・エブリシング」

 高名な奇術家が奇術のタネを聞かれてこう答えたという。現象が全て、やり方は問題じゃない、といったところか。

 奇術において「イフェクト・イズ・エブリシング」は含蓄のある言葉で、例えば新たに考えるとき、いくら小難しいことをやっても見た目が同じなら無意味になる。逆に、ちょっとした仕込みやサクラを使うほうが効果的だったりする。また、既にある奇術のやり方をいろいろ考えるのは簡単だが、新しい現象を考えるのは難しく、ずっと価値がある。一方、演じる場面では、手順を少々間違えても印象が同じなら結果オーライ。はたまた、見る場合は、タネの詮索はおいといて、先ずは見た印象を味わうべき、と解釈できる。

 翻って、ビジネスの世界も似たところがある。仕事は、その経過も大切ながら、あの手この手の苦労の末に表に出てくるアウトプットのみが顧客の評価につながる。(別にやり方をごまかせというのではないので誤解なく。)実は小生は職場で上司に「奇術ではうまくやるのだから、その考え方を仕事にも生かせ」とか言われるので、昨年DIME誌の取材でも「ビジネスもイフェクト・イズ・エブリシング」と言ったら、それが記事の結論になっていた。

(2000.3.12)


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